ECRR(欧州放射線リスク委員会)はEC、欧州議会と関係ない。またECRRのバズビー氏は「英政府の委員」ではない。

「反原発村」の村長、広瀬隆氏が15日の「記者会見」で、「ヨーロッパ議会の中に設立されたECRR(欧州放射線リスク委員会)は非常に信頼性の高い・・・この人たちはヨーロッパ議会ですから、EUの最も信頼できる組織です・・・」と言っていた(会見動画の14分あたり http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20110715/1310752828 )。

しかしこれは全くの嘘だにゃ。ECRRという外国のカルト(&政治団体)の信者である広瀬氏が、田舎の人やネコを「外人の権威」でだまそうという魂胆だろうが、そうはいかない。ホントに「反原発」は嘘つきばっかりにゃ。今回はそれを証明するが、いささか長くなるにゃ。

このECRRの中心人物クリス・バズビー氏が、17日から来日しているそうだ。ほんとに「反原発」軍の作戦は連携が緻密だにゃ。

以下太字=毎日新聞 2011年7月18日 2時30分 更新:7月18日 2時42分
http://mainichi.jp/select/science/news/20110718k0000m040124000c.html
放射線による健康影響を分析する「欧州放射線リスク委員会」のクリストファー・バズビー科学議長(65)=英国=が17日、東京都内で毎日新聞の単独インタビューに応じた。東京電力福島第1原発事故に伴う健康影響について、内部被ばくが最も懸念されると指摘し、住民の健康とその要因になる大気や土壌など環境中の線量の調査が必要と訴えた。

 バズビー氏は、英国の核燃料再処理工場周辺の調査から、河川付近や谷地などが放射線量が局地的に高くなる「ホットスポット」になると指摘。「日本でも原発から200キロ圏内の放射線量をきめ細かく測定し、インターネットで詳細データを公表すべきだ。現状の汚染は深刻だ」と警告。また、健康影響を把握するため、行政から独立した機関が5000人規模を対象に科学的に長期間追跡するよう提言した。

 放射性セシウムに汚染された牛肉の流通問題では「食品による内部被ばくは代謝で体外に排出されるので危険性はあまり高くない。呼吸で放射性物質を取り入れる方が問題だ」と語った。

 バズビー氏は、低線量放射線による健康被害の専門家として知られ、英政府の内部被ばく調査委員会などの委員を務める。今回、福島県郡山市の保護者ら、児童・生徒の「集団疎開」を求める市民団体の招きで来日した。【坂本智尚】


おいおい毎日新聞さんよ、まず現在「呼吸で放射性物質を取り入れる」可能性は無いよ。http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-25.html 参照。それから呼吸だろうと食品によろうと、体内に取り込んだ放射性物質は、代謝で体外に排出されるのではなかろうか?ずいぶん「ずさんな」説明じゃないか?記者がずさんなのか、バズビー氏がずさんなのか。両方かにゃ。

「大マスコミ」のジャーナリストなら外国人に気後れしないで突っ込めよ。「なでしこJAPAN」を見習えにゃ。これでこの記事は、「今や食品からも呼吸からも、内部被曝の危険性はあまり高くない」ということになる。勿論ネコはそれでいいけどにゃ。

それからバズビー氏は今、「英政府の内部被ばく調査委員会の委員」は務めてないにゃ。
以下は「原発反対派の不誠実な態度」 http://masuda.livedoor.biz/archives/51633962.html からたどって、ECRRやバズビー氏の所属委員会を見た結果にゃ。

http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200203/cmhansrd/vo030304/text/30304w29.htm は2003年3月4日英国下院議会の議事録で、この中の「Radiation」という項目では、ベーカー議員がブレアー保健相に対して「ECRRの最近の報告についてどう考えるか?」と質問している。これに対し大臣は、「国際社会でこれまで認められている放射線の影響については、低く見積もり過ぎであり、もっと危険だという説がある。この仮説は、最近「緑の監査」という「特別な一派」を創設したクリス・バズビー博士が唱え始めたものだが、今CERRIE(という委員会)が精査している。バズビー博士もCERRIEのメンバーです。」等と答えている。そしてこの後大臣は、「ECRR is not a formal scientific advisory committee to the European Commission or to the European Parliament. Its report 1 is published by the Green Audit. Dr. Busby is the secretary of ECRR. =ECRRはECや欧州議会の公式な科学委員会ではありません。彼らの報告書第一号は「緑の監査」から出版されました。バズビー博士はECRRの幹部です。」と言っている

要するに「ECRRは名称にECと付くけど関係ない。ECRRと「緑の監査」はバズビー氏の個人商店みたいなもので、また彼らの説を検討するCERRIEにもバズビー氏が入っている」、と言っているにゃ。

とにかくこれでまず広瀬隆氏の嘘がわかる。ECRRは「欧州議会の中に設立された組織」ではない。何しろこれは嘘があってはならない、「英国議会の議事録」に書いてある事実にゃ。

また「Green Audit=緑の監査」サイトはこちら。http://www.greenaudit.org/index.htm この組織は結局バズビー氏の出版部門かにゃ。彼の著書やECRRの「報告書」は全てここから出版されている。このことは欧米では意外と重要で、バズビー氏を批判する人々は、彼の著書が世に認められた権威ある科学系の出版社からではなく、「自費出版」ばかりである点を挙げている。つまり客観性を欠く「自作自演」と見なされているにゃ。

またここにはバズビー氏によって、「緑の監査」が92年に作られ、95年には「Low Level Radiation Campaign=低線量被曝キャンペーン」という組織が、バズビー氏の助力で作られたと書いてある。この組織のサイト http://www.llrc.org/ を見ると、最初のページの下から5分の一位の所に、「Advice for the people of Japan」(4月12日更新)として、

「Early signs of health damage: We have received information from people in the Tokyo region stating that they have swollen lymph nodes and sores in their nostrils. These are indicators that they have probably inhaled particles of Plutonium and Uranium. =初期の健康被害の兆候:我々は、東京の住民がリンパ節の腫れや鼻の穴の炎症を訴えているという情報を得ています。これは恐らく彼らが、プルトニウムとウラン粒子を吸入していることを示しています。」

とある。確か前に武田邦彦氏がこんなこと書いていた(最近消したか?)し、最近もこんなことで煽っている「ジャーナリスト」「週刊誌」等があるが、結局そもそもの出所はここだったかにゃ。自分たちが直接得た情報ではなくて、「外国の団体」が言っている事だから本当だとして「拡散」したにゃ。結局みんなECRR信者で、バズビー氏が本当の「尊師」かい。東京でプルトニウムとウランね。吸うとすぐに痛くなる?へえ~。カルトによくある「擬似科学」にゃ。

またECRRはウィキペディア http://en.wikipedia.org/wiki/European_Committee_on_Radiation_Risk によれば(日本語版は英語版の翻訳なので、以下に引用)
欧州放射線リスク委員会(ECRR)は、1997年に結成された市民団体である。結成の端緒は、欧州議会内の政党である欧州緑の党が、ベルギーのブリュッセルで開催した会議の決議による。この会議では、欧州評議会が1996年5月13日付で定めた基本的安全基準指針である「指令96/29Euratom」について論議した。

(2003年のECRR勧告)『放射線防護を目的とした・・・』は、発表されてまもなく、英国健康保護局(en:Health Protection Agency)による批判が加えられた。同局は、ECRRを「公的機関と関わりのない独自(self-styled)の組織」とした上で、「恣意的であり、十分な科学的根拠を持たず、ICRPについては多くの曲解が見られる」とした。

つまりECRRは「欧州緑の党」という政党と関係が深い。英語版ウィキペディアの「クリストファー・バズビー」http://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_Busby によれば、Busby was the National Speaker on Science and Technology for the Green Party of England and Wales.=バズビー氏は「イングランド&ウェールズ緑の党」の科学技術広報担当であった。そしてECRRの2003年勧告は、「科学より政治」とみなされたわけにゃ。

上記ではECRRは「市民団体」と訳されているが、元は「an informal committee」、つまり「非公式委員会」だ。恐らく規模は「市民団体」から受ける感じより小さい。バスビー氏の「個人商店」3団体のHPを見ても、これらの「団体」はかなり小さいと思われるにゃ。中ではLow Revel Radiation Campaign=低線量被曝キャンペーン」のHPが一番派手だがにゃ。

上記「英国議会議事録」にある、バズビー氏が所属したCommittee Examining Radiation Risks of Internal Emitters (CERRIE)は、英政府が1985年に創設され、今も活動するCommittee on Medical Aspects of Radiation in the Environment(COMARE)によって、内部被曝の問題を検討するために2001年に作られた。しかしCOMAREは2004年のCERRIEの報告について、http://www.comare.org.uk/press_releases/comare_pr09.htm で
COMARE has reservations about how CERRIE was set up, in particular how its composition was influenced by environmental politics rather than science.=COMAREはCERRIEの成り立ち、また特にその報告書が科学よりも、環境派の政治に影響されているために、これを「留保」する。と書いている。そしてCERRIEは2004年で解散した。要するにバズビー氏は「あんたは科学ではなく政治」と言われてクビになったも同然にゃ。

従って今、バズビー氏を「英国政府の委員」であるとは言えない。

今回はとりあえず、広瀬隆氏の「ECRRは欧州議会の組織である」が嘘であること、毎日新聞の「バズビー氏は英政府の委員」が間違い(大方記者が「反原発」の配った資料を丸写ししたのだろう)であることを証明したが、ホントに「反原発」は嘘だらけにゃ。

ECRRやその「仮説」等については、今後も続けるにゃ。 

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郡山市在住です。

ねこさまのブログ、楽しみにしています。

内容も的を得ていて毎回納得、感心させられます。

No title

ありがとうございます。今福島では原発災害と並んで、人類史上かつてない「デマ災害」が進行しているのかな~、なんて思っています。何年か、何十年後かに、大事件として語られるのかもしれません。今のところ「マスコミ」はほとんど気づいてないですね、この事態。

神奈川県から支援します

ネコさんこんにちは。

私は1981年まで、福島市で暮らしていました。今は神奈川県に住んでいますが、何とか福島市を支援したいと考えております。

ECRRとバズビー氏のトンデモぶりについては、「buveryの日記」、というブログに詳しく説明してあります。よろしかったら参照してみて下さい。

それにしても、ネコさんの言うとおり、今回の「デマ災害」は将来、大事件として語られるでしょう。そして、大災害後のカルト集団発生のサンプルとして社会学や心理学の研究対象になるのでしょうね。

ありがとうございます。千貫森は阿武隈山地が見渡せて、いい所ですね。

「buveryの日記」、情報ありがとうございます。「反原発」の「擬似科学」がよく使う手として、彼らに都合のいい少数のサンプル内における汚染、発症等の比率を、そのまま単純に何倍かして、「全体がこうですよ、大変ですっ!」と叫ぶ、というのがありますね。

でも本当の科学は、そんな大雑把な計算ではないと思います。そうでなかったら、フィールドワークや実験なしの、ほんの少しの机上の計算だけで、世界のことが把握できてしまいますね。

GreenAuditの主張を検証した論文

ウェールズにおける低線量被曝についてのGreen Auditの主張をWelsh Cancer Intelligence and Surveillance Unitが検証した論文がJournal of Radiological Protectionに載っています。Abstractには"WCISU (中略) can provide insights into the validity of these reports, which appear to be a consequence of various mistakes."とあります。

http://iopscience.iop.org/0952-4746/28/1/001

No title

チェルノブイリ被爆者の疫学調査の報告書「Chernobyl: Consequence of the Catastrophe for People and the Enviroment」をご存知ですか主にスラブ語で公開されている約5000の研究論文、報告書をまとめニューヨーク州の科学アカデミーの紀要(Annals of the New York Academy of Science)として出版されたものです。全世界で約100万人が死亡したと結論づけてます。被曝の生体反応についてはECRRの主張に近いものとなっています。ブログ主のご意見を承れれば幸いです。

No title

信夫山ネコさん
 そういえば公害報道も似たような状況でしたねぇ。
さらにさかのぼると、中国で陸軍が暴走し、太平洋戦争に突入した時も…。

本物と偽物

本物の欧州委員会(EC)の放射線防護担当部局は、ECのエネルギー総局(Energy DG)の下の原子力局(Directorate D, Nuclear Energy)の下の放射線防護部(D.4, Radiation Protection Unit)です。

http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/union/institution/commission/dg.html?ml_lang=jp

http://ec.europa.eu/dgs/energy/doc/dg_energy_organigram_en.pdf

http://ec.europa.eu/energy/nuclear/radiation_protection/radiation_protection_en.htm

エネルギー総局のオフィスはブリュッセルとルクセンブルグにありますが、放射線防護部はルクセンブルグです。放射線防護部長のDr Augustin JanssensはICRPの委員にもなっています。

http://www.icrp.org/icrp_membership.asp

偽物のサイトは敢えて挙げませんが(簡単に探せますけど)、違いは歴然としています。
偽物の主張の通りに自国の放射線防護規制を決めている国は、欧州のどこにも存在しません。
プロフィール

shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 原発事故以後ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れてます。ネコはどこにも逃げられないから、もうノイローゼ気味。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民は「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしています。(←最近は嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきた感じだにゃ。)
 しかしね~、この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段にされてはたまらんです。もし根拠がない数字や説の拡散によって、旅館の経営者が自殺するとかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ~?!今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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