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春 新年度 もう「ウンザリ」だから朗報を 

新年度、春だにゃ。早かった桜満開(でも今満開のところもあるにゃ)、そのほかにも花いろいろ。駅からは花見山行き臨時バスが出ていて、乗客の列。みんな楽しそうだにゃ。花見山そのものはもう数年行ってないけど、初めて行ったのはすごく昔で、あの近くに住んでいた友達に案内してもらった。ふもとには牛が飼われていて、びっくりしたのだにゃ。それから、あの山の上にあったコーヒー屋さんは、震災前、結構行っていた時期があった。まだ知る人ぞ知るって感じの「隠れ家」で、何だか高いところから見下ろす福島市街が、夕方は幻想的できれいだった。野鳥を見るのも楽しかった。あの店のマスターは、その昔オーディオショップやっていたとか・・・その後店は一時閉まって、でも今はオーナーが交代して再開したようですにゃ。また行ってみたいけど、もう「隠れ家」の雰囲気は無いかも・・・。

春にふさわしい朗報があったね~。芥川賞作家の柳美里さんが、お子さんと一緒に南相馬に移住だにゃ。

芥川賞作家・柳美里さん、南相馬に移住 市民と対話、縁深まる
http://www.minpo.jp/news/detail/2015040822038 
芥川賞作家の柳美里さん(46)が、神奈川県鎌倉市から南相馬市に移住した。7日、原町区の借家に家財を運び込んだ。原町は柳さんの祖父と両親が一時住んでいた土地。柳さんは震災後、市臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」に番組を持って同市に通い、親しい友人もできた。縁が深まった土地に居を定め、長男も地元の高校に進学することにした。「転居を機に南相馬で代表作を書きたい。地元の人と劇団も立ち上げたい」と話している。
 柳さんは東京電力福島第一原発事故の直後から浜通りに通い、平成23年3月からはひばりエフエムの「ふたりとひとり」という番組で、毎回2人の南相馬市住民らと対話してきた。これまで約300人の人生に向き合い「人間関係は鎌倉より親密になった」という。
 一方で1年の3分の1は自宅の長男と離れているため、長男の高校進学の時期に合わせて「いつかは住みたい」と思っていた南相馬に移住することにした。国内外を旅してきた経験から、「よそ者」を受け入れてくれる南相馬の自由な風土もしっくりきた。
 祖父は昭和30年代に原町の中心街でパチンコ店を経営し、柳さんが生まれる直前まで父母も原町で暮らした。南相馬市に通ううち祖父や父を知る人にも出会い、懐かしい写真も見せられた。不思議な縁を感じた。
 南相馬に入り込んだ経験は、昨年出した小説「JR上野駅公園口」の題材になった。次作「警戒区域」も間もなく出版となる。
 鎌倉の自宅は売却する。震災後の相馬野馬追を見て「逆境の中で立ち上がろうとする人の背骨、誇りを感じた」という。「私も退路を断って旗を揚げようと思った」という。
 旗揚げには劇団創設も含まれる。「役者もスタッフも地元の人でつくり上げたい」と思っている。本県の若い力を育てるため、地元の高校で文章表現や演劇による自己表現に関する講座を行うことも考えている。
 7日は鎌倉から到着したトラックから家族とともに大量の蔵書などを運び込み、新生活をスタートさせた。


本当によかったにゃ。もちろん鎌倉程ではないけど、相双地方は埴谷、島尾、荒、という「文学のふるさと」なのだにゃ(実は読んだことないのですが)。よろしくお願いいたします。

最近世の中に変化があって、いい話が増えてきたような気がするのは、主に開沼博さん(3/1「はじめての福島学」出版)によるものかにゃ。本当に開沼さんは、この3月から話題の中心で、ついにいわき出身の福島(ふぐすま?)人、「文系」(社会学者だにゃ)のエース登場って感じ。2月が例の「鼻血本」だっただけに、余計「冬から春になった」という印象。福島について、福島人が心で思っていたことを、非常にわかりやすく形にしてくれたのが、例の「12箇条」と、「「避難」「賠償」「除染」「原発」「放射線」「子供たち」の福島ステレオタイプ6点セット」だと思う。これらを通して言えることは、「もうウンザリ」だにゃ。開沼さんの本は、ものすごくあちこちで取り上げられた。

福島を考える基本知識 社会学者・開沼博さん新著 読売 2015年03月25日
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20150317-OYT8T50013.html
福島を巡る問題は今、政治的な対立構造に落とし込んで自分の主張をするような「政治化」、避難や賠償、原発、放射線などの言葉を並べて何かを語った気分になるような「ステレオタイプ&スティグマ(負の烙印らくいん)化」、高度すぎて分からなくなる「科学化」が進んでいるという。そんな現状を打開するため、開沼氏が提唱したのが「福島学」だ。福島の現状を網羅的、体系的に分析・考察し、知の蓄積をし続ける。そこには、人文社会系の学問が、震災後の福島で成果をほとんど出せなかったとの思いもある。


福島への「善意の押し付け」は、ただの自己愛「前のめりの正義感」は確実に滑る 東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/64785
──震災4年目の3・11、メディアの報道に変化は感じましたか?
むしろだいぶパターン化してきた気がします。「避難」「賠償」「除染」「原発」「放射線」「子供たち」のステレオタイプ6点セットにまつわる話をしておけばいい、みたいな。廃炉に30年以上かかるのも、除染の遅れもみな震災直後からの定型句。こうして同じパターンで福島を語り続けることで、みんなの無関心を引き起こし、忘却へとつながっていく。


以上はほんの一部で、本当に「開沼博 ニュース」検索でゾロゾロという状況だにゃ。そして早速開沼さんと、先ごろ話題になった松本さん、二人のロング・インタビューをしたのが、「あの」「日野記者の」毎日新聞だったというのも、「変化」。

福島と「フクシマ」は違う 社会学者の開沼博さん 2015 3/31
http://mainichi.jp/feature/interview/news/20150331mog00m040008000c.html
「フクシマを描く善意が差別や偏見を助長したかも」 絵本作家の松本春野さん 2015 4/07
http://mainichi.jp/feature/interview/news/20150407mog00m040010000c.html

このインタビューが出てから、松本さんについて、「釈然としない」というようなツイが、県内から結構出ていた。これは過去に対する「けじめ」「謝罪」が足りない(一冊目の絵本)とか、「結局「例の運動」の立場だ」、「世の中的には「善意」からばかりではない」等、ひっかっかるところがあった、ということだ。本当にこの4年間福島がdisられたし、特に「運動」は「もうウンザリ」。震災前、花見山の上の喫茶店でコーヒーを飲んでいたときは、ここには「運動」なんて無かった。あの無垢な空気が懐かしい。「運動」の人には悪いが、「運動」が出てくると、本当に何かとんでもない菌にでも触れたみたいな、生理的嫌悪反応が出るようになってしまった。確かに「過去」は消えない、しかし松本スピーチはありがたかった。結局、外からインチキな福島を「フクシマ」として代弁される事の「もうウンザリ度」が、何よりも一番高くて、もう限界に近いのだろうと思ふ。どうせ福島から原発は無くなるわけだし。

先週土曜日には毎日「メディアカフェ」があって、糸井さん、開沼さんの対談に、松本さん、郡山の野菜ソムリエ藤田さん、早野先生が集まっていた。
http://video.fc2.com/content/20150412nGnPSGLw/
ベテランがいるけど、何だか若い人が目立っている・・・変わってほしい、という気持ちが多分に反映しているのだろうが、それでも、本当に何か地殻変動のように、動いてきた感じがする。毎日新聞の「過去」は困ったものだが、毎日には斗ヶ沢秀俊さん がいて、最初から福島の味方だった。インタビュアーの石戸記者も、最初の「ふくしまの人の話を聞こう」に来ていたと思う。やはり長い時間の蓄積がある。ここに至るまで、有名・無名を問わず多くの人がリアル福島を知って応援してくれた。それが実は長い期間にわたって蓄積していた。ツイ、発言、実際の行動・・・その人々が作った空気が、今の変化を後押ししたのだと思う。感謝だにゃ。

こういうことは、このブログを始めた11年6月には極少数だった。しかし今や「市民放射能測定所」は「パセナカ」から完全に消え、「子ども福島」も無いも同然。そしてツイッターでも「福島の人」の発言は、ものすごく増えた。激怒りから「フクシマ人」で「大喜利」ができたほどだ。
http://togetter.com/li/808107
要するに「フクシマ」もウンザリだにゃ・・・そしてまたこれがスゴイ「カウンター」だにゃ。
大喜利 #ふぐすま人とは
http://togetter.com/li/808680
ふぐすま人は、浅野ゆう子が「うすい」のお姉さんだと思っている・・・なんちて。

そろそろ「気分転換」があってもいい、という気がした。春=はじまりだし。自分でできる「過去の記録」は蓄積したし、今ではツイート「まとめ」等、自分以外の方の「記録」も増えている。もちろんまた、酷いデマに怒ることもあり、一進一退、急な好転は無いと思う。「リメンバー過去」でもある。しかし何より、デマは今や繰り返し(デマのリサイクル?)だの「周回遅れ」ばかり。disりもパターンは出尽くして、「ステレオタイプ」ばかり。もう飽きた、まさに「もうウンザリ」。もうこの時点で変わらない人は、永久に変わらず、死ぬまでずっと同じデマ、disりを繰り返すのだろう。開沼さんは「グレーゾーン」に向けて書いた、とどこかに出ていたが、ホント、その部分が変わればいいのだにゃ。あとはどうでもいい。地殻変動の方向は確定していて、止められない。逆戻りは不可能だ。これからは増えるであろう、福島の「いい話題」を喜びつつ、のんびり、ユックリ進むことにしよう。
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プロフィール

shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 2011年3月の原発事故以後、ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れました。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民もネコも「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしていました。(←しばらくすると連中の嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきましたが。)
 この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう「喜びの」心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段に利用することに断固反対です。もし根拠がない数字や説の拡散による自殺とかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ。そんな日の為にも、今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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