美味しんぼ事件:自分の故郷で他人の故郷を貶める准教授より 長距離走者に知性と心があった
その発言の主、福島大学荒木田岳准教授は、今回の美味しんぼが完結するまでは「コメントを控える」と言って、勿体つけていたが、結局は単に世の中の動向を見ようとしただけじゃね?
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140521-OYT1T50002.html
美味しんぼ登場の准教授「現状に心痛めている」 2014年05月21日 11時40分 読売新聞
小学館の週刊漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味おいしんぼ」に実名で登場した福島大の荒木田岳准教授は20日、「世間の対立を激化させている現状に心を痛めている」とするコメントを発表した。
荒木田准教授は「福島で仕事をし、暮らす中で、放射能問題について自分なりに考え、その問題解決のための活動に取り組んできた」とし、「数多くの貴重なご意見、ご批判についても真摯しんしに受け止め、引き続き福島の抱える課題に誠実に取り組んでいきたい」としている。
荒木田准教授は作中で、「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」「福島はもう住めない、安全には暮らせない」などと語っている。
この具体的内容に乏しい、「通り一遍の挨拶」風コメント、連載完結後にしか言えないことではないと思うが・・・、結局福島人のあまりの怒りに対して、とりあえず「心を痛めている」なんぞと、「言ってみただけ」かね~。そして、
http://www.asahi.com/articles/DA3S11146623.html
福島には住めない発言、准教授「使わないで」 「美味しんぼ」編集部が拒否(朝日新聞)
週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味しんぼ」(小学館)に登場する荒木田岳(たける)・福島大准教授が「除染しても福島には住めない」という自らの発言を作品で使わないよう求めたにもかかわらず、編集部が「作品は作者のもの」と応じずに発行したことがわかった。編集部が取材に事実関係を認めた。
荒木田氏は12日発売号に載った「美味しんぼ」に実名で登場。「福島はもう住めない、安全には暮らせない」「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」などと述べた場面が描かれている。
編集部によると、荒木田氏は2年前に原作者の雁屋哲氏らと出会い、取材を受けるようになった。体験や持論を伝えるなかで、こうした発言もした。
だが、荒木田氏の関係者によると、昨年末に筋書きを知った荒木田氏は、福島全体が住めないと読者に受け取られるおそれから、「自分もここで暮らしており、使わないでほしい」と編集部側に要望。福島で暮らさざるを得ない県民感情に配慮した表現を求めた。
これに対し、編集部は「作品は作者のもので登場人物のものではない」と説明。荒木田氏は「作品の中身の是非まで言う立場にない」と最終的に伝えたという。
取材に対し、編集部は一連の事実関係を認め、「同じ土地に住んでいても個々人によって判断が異なり、それぞれが被曝(ひばく)について考えることがある。広く『福島』とする表現を作者が採用したことには意味があると考えた」としている。
荒木田氏は20日、こうした経緯には触れず、「美味しんぼをめぐる議論が世間の対立を激化させている現状に心を痛めている」とする見解を公表した。(本田雅和)
「福島はもう住めない」断言から、随分腰が引けた「日和見」に見えるが、こんなことは連載第一回の時に本人が言うべきジャマイカ? そもそも「荒木田氏の関係者」って何?「言論の自由」を信奉する本人が、堂々主張するべきではないだろうか?「南相馬支局長」の本田記者が、なぜかこんな「管轄外」と思える記事を書いているのもフシギ(ってことは、「関係者」=「市民団体関係者」かいな?これなら管轄内だにゃ)。しかし、
http://www.j-cast.com/2014/05/21205350.html
「美味しんぼ」編集部、准教授の「発言載せないで」拒否報道で見解 2014/5/21 17:19
週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)の漫画「美味しんぼ」に登場する荒木田岳・福島大准教授が「除染しても福島は住めない」などとする自身の発言を作中で使わないよう求めたが、編集部がそれに応じずに発行したと2014年5月21日付の朝日新聞が報じた。
荒木田氏は5月12日発売号の「美味しんぼ」に実名で登場し、「福島はもう住めない、安全には暮らせない」「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」などと話す様子が描かれていた。この描写については福島県などが抗議していた。
朝日新聞の記事では、荒木田氏の関係者の話として、荒木田氏が、福島全体が住めないと読者に受け取られるおそれから、「自分もここで暮らしており、使わないでほしい」と編集部側に要望していたと伝えた。これに対し、編集部は「作品は作者のもので登場人物のものではない」と説明、荒木田氏も「作品の中身の是非まで言う立場にないい」と最終的に伝えたという。
この報道について問い合わせたところ、スピリッツ編集部は次のようにコメントした。
「原作をご覧いただいた時点で、荒木田先生が表現方法に懸念を示されたことは事実ですが、編集部の責任において掲載することについてはご了承いただきました。朝日新聞の記事にあるような、発言を使わないでほしいという先生からのご要望を編集部が拒否したという事実はございません。しかしながら、作品掲載の結果として先生にご迷惑をおかけしたことにつきましては誠に遺憾に存じております」
結局自ら承諾したのに、編集部に責任を押し付けようとした?デマ捏造だったってこと?得意の「内ゲバ」?ま、これが「表現の自由」だにゃ。とにかく編集部の見解は反対だ。こうなったら増々「関係者」なんぞではなく、本人が表に出て発言しなくてはならない。そして、
http://www.yomiuri.co.jp/local/ishikawa/news/20140528-OYTNT50447.html
「美味しんぼ」に登場 荒木田准教授が講演 2014年05月29日 読売新聞
放射性物質による健康被害の描写を巡り、物議を醸した漫画「美味おいしんぼ」に実名で登場した福島大の荒木田岳准教授(44)(地方行政論)が28日、出身地の金沢市で講演し、「多様な考え方を抑圧する復興論が現地にはある」と強調した。
荒木田准教授は「不安を表に出せないし、大丈夫かという懐疑的な発言は、表に出ない」とも語った。
世間で除染が必要だと言われる前から除染を始めていたとし、「危ないのを知っているから除染はやりたくないが、みんなが安全だと言い、除染する人がいないのでやった」と語り、除染を試みると、周囲からは風評被害が起きるのでやめるよう言われたと振り返った。
年間被曝ひばく線量については「震災前の基準で安全を判断すべき。被曝し続ける環境を変えていきたい」と述べた。
荒木田准教授は、漫画中で「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと思います」などと発言していた。ただ、この日の講演では、漫画中の発言について「ノーコメント」とした。
やれやれ、マスゴミが「鼻血」「福島はもう住めない」を「言論の自由」問題にすり替えてきたが、今度はそれに乗るのだろうか。「多様な考え方を抑圧」って、どこの福島にそんな事実があるのか?氏の発言に怒ったら、それは「抑圧」なのか?氏の「抑圧」の定義は何か?全国で40万部も売れる漫画雑誌で、「福島はもう住めない」と発言できる状態で、どこが「抑圧されている」なのか?福島では「言論弾圧」がある?福島は遅れた独裁国家なのか?2011年後半に、よく中手聖一氏が叫んでいたヤツだが(8月10日=ZDFのクズ番組「フロンタール21」ドイツ国内放送日の翌日、中手聖一氏がドイツ・フライブルグ市で語ったこと 中手氏の「プロフィール」
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-41.html 参照)、よくもここまで福島をバカにできるものだ。しかも「この日の講演では、漫画中の発言について「ノーコメント」」ということだが、ここが肝心な問題だ。すべてがここから始まっている。避けることはできないはずだ。
一つ思ったことがある。
「現状に心痛め」「数多くの貴重なご意見、ご批判についても真摯に受け止め、引き続き福島の抱える課題に誠実に取り組んでいきたい」荒木田氏だが、残念ながら氏は今回の事件後、福島で人前に出てしゃべることはしていない。その代り氏は自分の「故郷」金沢に現れ、故郷の人の前で思いを語った。
このことから、人間にとって「故郷」とはいかに大切なものか、よくわかる。心が傷ついたら、帰る場所は「故郷」しかないのだ。
その「故郷」を荒木田氏の発言によって貶められ続ける、私たち福島残留者の気持ち、「最早帰る故郷は無い、そこには人間は住めない」と言われた避難者の気持ち・・・氏には想像できないのだろうか?故郷は荒木田氏だけにあるのではない。
「言論の自由」「表現の自由」は確かにある。しかし氏の発言によって福島人が怒り、傷ついた。この事実は「言論の自由」「表現の自由」があってもなくても変わらない。関係ない。シンプルな、しかし不変の「事実」として、人類滅亡の日まで語り継がれるだろう。
(福島大学側の悩みも深刻なのだろうか)

あ~あ、地元の大学がこの状態では大変だ~(もちろん一部だろう。大部分の人々は福島復興のために頑張っていると思う)。
しかしちょっといい話を見つけたよ。「ぷんぷんモード」から脱出だにゃ。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140527/oth14052711210002-n1.htm
【思ふことあり】
風評被害に負けず走りたい スポーツジャーナリスト・増田明美
2014.5.27 11:21
「シンサイも怖いものですが、ホンサイはもっと怖いです」に始まり「浜通りが元通りになるよう、皆で努力します」と締めくくったコメディアンで俳優、ケーシー高峰さんの代表スピーチに引き込まれた。
5月中旬、東京都内のホテルで福島県いわき市の「いわき応援大使」の委嘱状交付式が催されたときのことである。大使は40人と1団体。いわきが故郷の人や、いわきと縁がある人たちばかりだ。私は毎年2月に開催される、いわきサンシャインマラソンにゲストランナーとして参加していることがご縁だった。
この日、市長の清水敏男さんからは、より元気な“いわき”を作ろうと、各界の人の意見を聞く情熱が伝わってきた。思えば、地震、津波、原発事故と三重苦に見舞われている福島だが、それだけではない。最大の被害は風評被害だという。これほど人の心を傷つけるものはないのだ。
漫画「美味(おい)しんぼ」が話題になっている。私も読んでみたが、不安をあおる大げさな表現が目立つように思えた。例えば、「(圧力容器内の蒸気を抜くためのベントを行ったせいで)双葉町では爆発以前に毎時1590マイクロシーベルトを計測している。(中略)そうとは知らず避難最中、我々はその放射線を浴び続けた」「それはひどい」「むごすぎる」…と会話が続く。
この表現を放射線の知識がない人が読むと、とんでもない被曝(ひばく)をしたと勘違いするだろう。避難する間ずっと1590マイクロシーベルトだったわけではないし、外を歩いて避難し続けたわけでもない。表記の仕方も1・59ミリシーベルトと書けばいいのに、数値が高い印象を植え付けようと1590マイクロシーベルトと書いたように感じた。
参考までに、胸部CTの検査を1回受ければ、約7000マイクロシーベルトを被曝する。皆が慣れ親しんだ漫画内のキャラクターを使って自分の考え方を流布しようとしていることに怒りを覚える。
福島では毎年11月に東日本女子駅伝が行われる。私は震災後も変わらず、秋になると、この駅伝に出向き、福島県内の中高生を取材しているが、選手や関係者から鼻血のことなど聞いたことがない。
郡山市や福島市の小中学校でもときどき、子供たちと一緒に校庭で走る。どの学校にも放射線量を測るモニタリングポストが設置されているが、昨年10月に郡山の学校を訪れたときの数値は毎時0・136マイクロシーベルトで、パリのシャンゼリゼ通りと同じぐらいだった。ローマの市内では0・3~0・4マイクロシーベルトと聞く。
なのにいまだに、「福島では子供たちが校庭で遊べずに運動不足でいる」などの言葉が躍っている。福島のテレビ局の友人が怒っていた。「運動会の映像を送ったら、東京のニュース担当が『マスクして競技している映像はないか』と言ってきた」と。
不安をあおる一部のメディアの責任も大きい。自分の目で確かめてほしい。怖いと思ったら噂などをうのみにするのではなく、ちゃんと確かめてほしい。怖がるにしても「正しく怖がる」ことが大切だ。
いわき応援大使の会、乾杯のあいさつで、テレビプロデューサーの石井ふく子さんは「先日、築地市場に出始めたメヒカリをいただいて涙が出ました」と。これからも私は子供たちと一緒に走る時間を増やしたい。風評被害なんかに負けずに「前に進もう」という思いを込めて走りたい。
増田明美さん、ありがとう。
風評加害が無くなるまで、福島は長距離走者なのかもしれないが、「孤独」じゃない。素晴らしい伴走者がいる。