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ウォールストリートジャーナルでは話好き?不思議な「小佐古氏」のその後(前エントリーから独立しました)

元々前エントリーで(7/29追記)にしておいたのを、独立させました。

週刊ポストに出た、毎日新聞編集委員の、斗ヶ沢秀俊さんのインタビュー「原発報道 媒体や書き手の名前に惑わされるなと毎日記者指摘」 http://www.news-postseven.com/archives/20120728_132769.htmlの、
斗ヶ沢 地震発生直後はまだ冷静な報道がありました。ターニングポイントが昨年4月29日の小佐古敏荘内閣参与の「涙の辞職記者会見」です。・・・私自身、東京大学に問い合わせをして、その指示に従って小佐古研究室に取材申し込みをメールで送りましたが、なしのつぶてでした。
で思い出したことにゃ。

小佐古氏については、このブログの
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-42.html では「反原発正義軍」の「処刑」を恐れた小佐古氏が、「涙の辞任」で逃げた?という「邪推」を書いておいた。
またhttp://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-75.htmlには、
「小佐古氏は例の「涙の辞任」以後、記者会見をスッポカシ(?)、国会参考人招致は断ったらしいが、7月以降ウォールストリートジャーナル日本版には、活発に発言している。「話好き」とか書かれていた。せめて「がんを含む甲状腺疾患が300~500人増える」の計算根拠ぐらい、示すべきではないかにゃ?」と書いておいた。本当に小佐古氏は、不思議だ。外国マスコミには盛んに発言しているのだ。

ウォールストリートジャーナル日本版(wsj)は有料だからね、あちこちのブログから拾ってきたよ。
http://blogs.yahoo.co.jp/neverland20050918/archive/2011/7/2(WSJ 2011 7/2号)から一部抜粋。
小佐古氏は、同氏を含む専門家が行った多くの申し入れは取り入れられなかったとしており、政府が定める校庭の放射能許容水準は「受け入れられない」とした。自分の子どもでもそういう目に遭わせることはできないと記者会見で涙をぬぐう同氏の姿は全国に放映された。 その後2カ月間、同氏は東京大学で放射線安全学の講義に集中してきたが、まずは海外で心の内を明かす準備ができたと述べ、今後数週間は米国や台湾で講演を行う。

http://plaza.rakuten.co.jp/stefibonfa/diary/201203090005/(WSJ 2012 3/9号)
ウォール・ストリート・ジャーナルは、昨年3月11日の東日本大震災で生活が一変した人たちを取材したが、今回そのうちの何人かを再訪した。ここでは政府の事故対応を批判した小佐古敏荘・元内閣官房参与(62)を取り上げる。
東京大学で静かにアカデミックな生活を送っていた小佐古氏は昨年4月、突然、報道カメラマンに追われ、殺すという脅迫も何件か受け、さらに放射能に対する安全対策のアドバイスを求める何千という電話の嵐(同氏の秘書も圧倒された)に見舞われた。
政府の原発事故への対応に抗議して菅直人首相(当時)の内閣官房参与の職を辞したことで、一夜にして世間の注目の的になったのだ。同氏は特に、政府が学校の校庭利用を年間累積放射線量20ミリシーベルトを上限に認めたことを批判し、記者会見で、「私は自分の子どもたちをこれだけの放射線にさらすことはできない」と涙ながらに語った。
政府は「個人的な見解」だとして、同氏の批判を退けた。
小佐古氏はその後の2カ月を大学の塀の中にとどまり、学生らと研究を続けた。7月に再び世間に姿をみせた同氏は、内外でいくつかの学会に出席したり、メディアのインタビューを受けたりして、注目度を高めた。
眼鏡をかけた話し好きなこの教授は「3月11日までは私はこれを自分の仕事だと思っていた」とし、今ではもっと多くの人々の理解を助けるのに必要な使命だと思っていると話した。
同氏は現在、中立的な科学者の組織である全米放射線防護測定審議会(NCRPM、メリーランド州ベセスダ 下記の参照)と協力し、チェルノブイリ原発事故のときと同様に福島原発事故を調査する国際専門家委員会を設立するための準備を進めている。


:上記文中のNCRPMは、正しくはNCRPだにゃ。ここのOur Missionというページの(4)は、cooperate with the International Commission on Radiological Protection, the Federal Radiation Council, the International Commission on Radiation Units and Measurements, and other national and international organizations, governmental and private, concerned with radiation quantities, units and measurements and with radiation protection.” 真っ先に、「ICRPと協力し」とある。だから、NCRPが、緊急時20mSV/年=ICRP見解と(涙流すほど)異なるとは思えないけどにゃ。緊急時20mSV/年=ICRP見解には国会で泣いて抗議し、そのICRPと協力関係にあるNCRFとは一緒に国際専門家委員会を設立する小佐古氏って、一体どうなってんだ?


「話好き」ならば、まず20mSVで涙の根拠を語るべきだ。「がんを含む甲状腺疾患が300~500人増える」(wsj 2012 3/12号)の計算根拠もね。やっぱ、脅されて国会で「涙の大芝居」打って、「バリバリの原発推進派」から「子どもを思う良心の学者」に変わったと見せかけた・・・・?単細胞アタマの「反原発」は見事にひっかって・・・?小佐古氏アッタマイイにゃ~(少なくともこれで「殺す」という脅迫は消えただろう)。まあ、確証はない。「邪推」だがにゃ。

しかし斗ヶ沢さんも書いているように、小佐古氏の「国会 涙の辞任劇」はこの「福島デマ戦記」においては、ターニング・ポイント、凄まじい影響力を持った事件だった。

「国会で政府の委員だった偉い先生が、涙流して20mSVは危険だと抗議した」。だから「私も自主避難しなくちゃ大変だ」、というパニックを福島に引き起こしたのだにゃ。その精神的、また物質的、金銭的影響はものすごいものだ。

小佐古氏には「説明責任」がある。斗ヶ沢さんの質問メールをシカトしている場合ではない。

(8/1追記)参考資料にゃ
コメント欄にbaijinさんからいただきました。「小佐古氏辞任会見 全文」
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html

それから
「小佐古内閣官房参与辞任・20ミリシーベルト問題 (どっかの民放のニュース)」
http://www.youtube.com/watch?v=yFg2IxD7mvs

これも
「福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任」毎日新聞 2011年4月29日 21時08分

内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古 氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシー ベルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。同氏は東日本大震災発生後の 3月16日に任命された。
小佐古氏は、学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばく をする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズ ムからしても受け入れがたい」と主張した。
(現在リンク消滅なので、コピーを掲載)

テレビが(映像だから当然)「涙」を強調した感はあるが、とにかくこの「涙」はすんごい影響力があったよ。あれが「避難」と、その後の「本当は福島にはもう人間は住めないんだ!」の嵐の、一つの契機になったと思う。少し不思議なのは、小佐古氏はマスゴミはともかく、「反原発」によって「正義の学者」にはされなかった印象があること。これは氏の過去の「原発推進業績」によるものか。そう言えば、その後やっぱり国会で泣いた東大教授がいた。この人もそれ以来マスゴミによって「正義の味方」扱いで、こちらはその後しばらくは、「かけはし」なんかも持ち上げていたような印象だ。「政府」を怒鳴ったから?

でも「涙」や「怒鳴り」じゃ、福島にいて本当に知りたいことはわからなかった。小佐古氏の会見の時、既に校庭の除染の効果が出始めていたし、空間線量は場所によって相当バラバラってこともわかってきたので、どうせこの政府は(せっかく理系=東工大卒の首相だったのににゃ)何もわからんでパニクっているのだろな~、でも学者まで何だかな~、という感じだったよ。「辞任」して消えたら、後はどうすりゃいいの?って感じ。
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そろそろ気がついた人増えてるんじゃね?「反原発正義軍」の危うさ (追記:不思議な小佐古氏のその後)

ここしばらくの「よい方向」の動き、まとめてみましたにゃ。

①ハイチ、シエラレオネ、アフガニスタンなど紛争地帯で活動する、日本人唯一の国連平和維持部隊「武装解除人」(東京外語大学教授でもある)伊勢崎賢治さんの
「反原発運動がファシズムにならないうちに」(2012年 4/20)
http://twitter.com/isezakikenji/status/193556057593880576
「単純に反原発であるか否が、踏み絵になっている。それで人間の全人格が決まるような。かつて九条護憲か否かがそうであったように。(略)放射能への恐怖を源泉とする「排他性」は、「ならず者」への排他性と同質のものである。このことに早く気づいてほしい。反原発運動が「ファシズム」にならないうちに。
伊勢崎さんは非常に早くから、「反原発正義軍」の危うさに気づいていらっしゃった。

「伊勢崎賢治氏の原発事故関連ツイート抜粋」
http://togetter.com/li/237610
「脅威」から生まれる「熱狂」は、やはり、どうしても、気持ちが悪い。それが、反原発という「正義」であっても。「戦争」が「正義」になってゆくプロセスと、どうしても、だぶる。isezakikenji2011/06/21

「住民参加による「復興」を~「とどまる」選択をした人たちへの支援を」 (2011年 6/22)
http://www.magazine9.jp/other/isezaki/index6.php
「エートス」の予言かにゃ。

(7/29追記)
たまたま今、安東量子さん・「エートス福島」がめちゃくちゃな連中に攻撃されているので書いておくが、伊勢崎さんの文章、
「そこで忘れたくないのは、危険性を十分に理解した上でも、そこに「とどまる」選択をする人は絶対にいるだろう、ということなのです。
 僕がこう考えるのは、紛争の現場における「難民」の問題をいくつも見てきたからだと思います。紛争や内戦が起こると、国内避難民も含めて必ず周辺の国や地域に大量の難民が発生します。しかし、すべての人が難民となって避難しているのかといえば、そんなことはない。どんなに戦火が激しくなっても、死と隣り合わせで、そこにとどまる選択をする人たちが必ず存在する。僕は職業柄、そっちの方の人々が気になるし、気にしたいんです。
 戦火の中に留まる選択をした人々の中には、安全を保障する政府が既に崩壊してしまっているので、自らを、そして家族を護る為に武器を持つという人も出てくるでしょう。それを考えると、もし福島で留まる選択をした人を支援するとしたら、個人個人が被爆線量をきめ細かく管理できる体制を整えることが、政府というより社会がやるべきことなのではないかと思います。具体的には、個人線量計の配布と、その使用の管理支援ということでしょうか。」

伊勢崎さんはこんなに以前からわかっていらっしゃた。

エートスを攻撃する人々は何が望みなのか?善悪とか是非の前に、(ののしるのは別として)「望み」「何がしたいのか」がよくわからん。千葉から沖縄に避難した「翻訳家」は、我々の子どもを「避難させたい」とか言っているが、それって「人(うちはネコだな)さらい」か?そう言えばアフリカとかの内戦地帯で、こどもを「人さらい」して、「少年兵士」に仕立てあげた、なんていうのあったような・・・。福島の子どもをさらって、。あの連中が「正義」叩き込んで、「反原発 放射脳 反福島」少年兵士にしたいってことかね~?ことの是非はともかくとして、もしそれなら(ある種の合理性を持った)行動の目的としては、よくわかるにゃ(まさか自分の「精神的満足」のために、他人の子どもを親から引き離したいなんてことはないだろう、と思うのですにゃ、ハイ)。オスマン帝国のイェニチェリみたいに、「異教徒」の子弟だから最強の「反福島」軍団になったりして、いやいや「反原発正義軍」って恐ろしいにゃ。


②第二次大戦後の、日英の「和解」を専門研究領域とする、山梨学院大学教授 小菅信子さん(HPはこちら)の
「放射能とナショナリズム 福島とフクシマの間」 (3/16講演)
http://homepage3.nifty.com/NobukoMargaretKosuge/Keizai_Club_lectureno759_201205.pdf
震災から一年たって、放射能の影響をめぐるデマとか、暴言とか、不正確であいまいな情報、恐怖とか好奇心を煽るような報道や言論、こういうものにはもうそろそろ毅然とした態度を私自身もとりたいし、報道関係者にもとっていただきたい。裁判に訴えることがベストのやり方では絶対ないのです。問題ある言論は自由な言論によって打ち負かされていくというのが言論界の理想的なあり方です。デマは人を殺し、暴言は人を萎縮させます。わらにもすがりたい人に、わらにすがらせるようではいけないのです。いかがわしい商売もたくさん行われています。人気取りや迎合が商業主義と結びつけば、本当に日本の報道と論壇は堕落していくと思います。

「自由思想」125号(2012年4月号)に載った
「被災一年、国民的難局を克服する理念は何か 不可避な苦痛の改善と、冷静に現実を科学すること」
http://homepage3.nifty.com/NobukoMargaretKosuge/Jiyuu-shisou_125_201204.pdf
早川氏(注:早川由紀夫 青カビプリンにゃ)はインターネット上のツイッターで、福島の人々に対する差別発言や暴言をくりかえしており、それは学問の自由や言論の自由、表現の自由、あるいは大学の自治とは次元のまったく違う問題で、かつ同氏の「研究業績」によって相殺されるものではない。その意味で、早川氏への大学側の訓告に関する「こちら特捜部」の記事(東京新聞一二月一〇日付)は、同氏の差別発言や暴言についての「是非」を棚上げにしたままの、きわめてバランスを欠いたものである。

学者の話は、しばしば、その学者が良心的であればあるほど、奥歯にもののはさまったような言い方になりやすい。編集部や記者あるいは司会の側で、分かりやすく話させ、読者の立場に立って質問し、危険と安全の問題に正面から問いかけなければならない。そうした冷静さが批判や非難を招き、「原発推進」のレッテルを貼られ、抗議が日に何十件と寄せられるようなことがあっても、腹をくくり覚悟を決めて言論活動をするべきである。

原子力や放射線をめぐる科学的知見を十分に持たぬマスメディアの報道が風評被害を増悪させ、日本社会の不信の連鎖を強化している側面があることももはや見逃せない。マスメディアが科学的根拠に乏しい報道を行ない、非専門家であっても不安を煽る声の大きなコメンテータを登場させ、人々の恐怖や不安に迎合し、一方では反原発熱を煽り、他方では差別発言や暴言を容認している。まさに、満州事変期の、軍部が主導しているのか新聞が自発的に煽っているのか分からない軍国熱・排外熱の時代と、現在の反原発熱には類似する部分が少なくない


戦争の専門家、研究者は「反原発正義軍」の危うさに気づく。信夫山ネコの「動物的カン」もそんなに外れていなかったと思ふのにゃ。


③ドイツ文学翻訳家、池田香代子さんの「避難したあなたへ」 (6/8)
これはもう有名だったにゃ。「反(脱かな?)原発」の池田さんが、
「安心材料が出てきたとはいえ、だれも何年も先までの安全の保証はできません。どうするかは一人一人にゆだねられていますし、避難するリスクもしないリスクも、当事者以外だれも引き受けることができません。ですから、私は避難したあなたを支持します。おつれあいが、あなたの住む町で仕事を探そうかと言い出した矢先に、いろいろ安心できる情報も入ってきて、帰ろうかと迷っておられるとのことですが、どちらに決めても、私はあなたの味方です。」
って「信濃毎日新聞」に書いたら、「反原発正義軍」の総攻撃にあったらしい。

池田香代子女史「避難したあなたへ」に対するわら人形批判についてのまとめ。
http://togetter.com/li/319266
特にこっち側に来たとは思えんがね~。多分池田さんの知り合いの方への手紙だから、よくわからんところもあるが、記録しておいたよ。社会的に影響がありそうな人が、普通のこと書くと、 「裏切り者」への「粛清」すか?やっぱり「正義軍」は怖いにゃ。結局「正義軍」についていけない人が増えるだけにゃ。


④毎日新聞編集委員、斗ヶ沢秀俊さんの「記者の目 内部被ばく量のデータ」 (6/8)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120608k0000m070113000c.html
さまざまな調査により内部被ばくは健康に影響を及ぼすレベルよりも十分に低いことが分かってきた。不安を抱いている人は、まずこれらのデータに目を向けてほしい。

昨年9月まで市内の一部が緊急時避難準備区域に指定されていた同県南相馬市にある同市立総合病院によると、昨年9月から今年3月までにWBC検査を受けた9502人中、検出限界以下が6668人、原発事故で放出された放射性物質のセシウム137が体重1キロあたり20ベクレル以上あったのは182人だった。1月以降に測定を受けた中学生以下の子どもの99%は検出限界以下で内部被ばく量が着実に低下していることを示した。

同県は3月までに県内で実施されたWBC検査(受診者計3万1622人)をもとに生涯の内部被ばく量を推計したところ、26人以外は1ミリシーベルト以下だった。

もと福島支局長、斗ヶ沢さんの「快挙」にゃ。メジャー新聞に出た、初めての「福島を支える」記事だにゃ。郡山の順一さんのことも出ている。これにも「正義軍」が粘着していたが、それこそ連中の「ファッショ体質」の証明にゃ。池田香代子さんのと同じで、「社会的に影響がありそう」を恐れているのだろう。こっちにしてみると、さんざん「大学教授」だの「ジャーナリスト」だの、「タレント」だの、「新聞」だの「公共放送」だの、「外人部隊」だのにやられているからね~。「正義軍」も「免疫」作ってにゃ。斗ヶ沢さんは先日のGCMふくしまにもいらっしゃっていた。ありがとうございます、勝手に頼りにしています。

もう一丁、今日斗ヶ沢さんのインタビューが週刊ポスト「原発報道 媒体や書き手の名前に惑わされるなと毎日記者指摘」 http://www.news-postseven.com/archives/20120728_132769.html に出たよ。
「原発事故について、正しい情報を身につけて欲しい」。毎日新聞元科学環境部部長の斗ヶ沢秀俊さんのツイートが話題である。科学的に不確かな記事であれば自分の会社の記事にでも辛辣に斬り込み、データを地道に伝え続ける科学記者としての姿勢に共感を持つ人も多い。」・・・・。

斗ヶ沢 地震発生直後はまだ冷静な報道がありました。ターニングポイントが昨年4月29日の小佐古敏荘内閣参与の「涙の辞職記者会見」です。・・・私自身、東京大学に問い合わせをして、その指示に従って小佐古研究室に取材申し込みをメールで送りましたが、なしのつぶてでした。

ちなみに今回斗ヶ沢さんが問題にしている小佐古氏については、このブログの
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-42.html では「反原発正義軍」の「処刑」を恐れた小佐古氏が、「涙の辞任」で逃げた?という「邪推」を書いておいた。
またhttp://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-75.htmlには、
「小佐古氏は例の「涙の辞任」以後、記者会見をスッポカシ(?)、国会参考人招致は断ったらしいが、7月以降ウォールストリートジャーナル日本版には、活発に発言している。「話好き」とか書かれていた。せめて「がんを含む甲状腺疾患が300~500人増える」の計算根拠ぐらい、示すべきではないかにゃ?」と書いておいた。本当に小佐古氏は、不思議だ。外国マスコミには盛んに発言しているのだ。

(7/29 追記)ウォールストリートジャーナルにはよくしゃべる、不思議な小佐古氏のその後。
↑あまりに長くなったので、次エントリーとして独立させました。

(7/30 追記)
斗ヶ沢さん、「ポスト」インタビューの続編
http://www.news-postseven.com/archives/20120729_132830.html
原発反対派のなかには、原発反対と言いたいがために、福島の影響が重大だと言わなければならないと思い込んでいる人がいる。しかし「脱原発」と「放射線影響の評価」は分けて論じられなければいけません。

記者の中の少なくない部分で、「危険性を強調することが進歩的である、市民的である」という誤解があります。


やっぱりね~、「マスゴミは反体制でなきゃならない」=「反福島」になっちゃう「ドグマ」。だいたいさ、そういう「記者」って「反原発」つーことは、「進歩」反対、原始生活賛成じゃないの?それがどーして「進歩的」でありたいのか?デタラメだにゃ。


⑤「週刊プレイボーイ」の最近の記事
科学から見た反原発の問題点 菊池 誠「“御用”のレッテルで科学を殺すな」
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/03/12292/
キクマコさんのこれから、少し変わった、というか「賛否両論」を載せるようにしたのだろう。

世界の現実と日本の“反原発”の距離感 モーリー・ロバートソン「日本だけ脱原発……って、どうなんだろう?」
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/11/12498/

脱原発を現実化するためにメディアが果たすべき役割 江川紹子「革命ではなく“条件闘争”が必要です」
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/18/12716/

等々。「週プレ」は僅か一ヶ月前の6/10号では
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-92.html
だったからね~。大きな変化とは言えるにゃ。


⑥日テレ系鉄腕「DASH村」が福島市内で「復活」 (5/20放送)
http://www.ntv.co.jp/dash/tetsuwan_new/past/2012/0520/01/01.html
4月下旬、福島県福島市内で始まった、品種改良6年目となる今年の新男米づくり。
福島で米作って、何か文句ある?青カビプリンは「TOKIOもオウム信者と同じだ!」って叫ばないのかい?

⑦「福島民報」(7/13)の「朗報」
転出の小中学生185人戻る 郡山、1月より82人増http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/07/post_4479.html

東日本大震災で郡山市から市外に転出後に再び戻ってきた小中学生は5月末現在、185人で、1月の調査の103人から82人増えた。12日に開かれた市災害対策本部会議で市教委が示した。昨年9月に60人が戻ってきてから徐々に回復傾向が続いている。

市教委によると、5月末の調査で小学生136人、中学生49人が戻った。1月の調査の小学生80人、中学生23人から大幅に増えた。戻ってきた小中学生を含めた総転入者も876人となり、1月の699人から177人増えた。転出者数は小中学生合わせて1050人で、1月の1123人を73人下回った。

学校の聞き取り調査では、年度が替わり戻ってきたケースが多いという。「実家に近い場所で暮らしたい」「親の仕事の都合」などが理由という。斎藤義益学校教育部長は「依然、転出している子どもが多いので単純に比較できないが、戻る傾向が続いていることはうれしい。多くの子どもが戻れるよう安心できる教育環境整備に努める」と話した。
(2012/07/13 14:57)

明らかによい傾向だにゃ。今後は「反原発正義軍」は、根拠なく、あるいは一つの「伝聞」程度を根拠に、「戻ってきた人たちが差別されている!迫害されている!」ってなことを言い出すだろう。見え見えだにゃ。そんなことあるわけないが、隙を与えないように、フツーに歓迎しよう。

GCMふくしまリンク集&我々はいくら「内部被曝」したのか?(続編 50mSVで甲状腺ガンが増える?チェルノブイリ内部被曝研究のまとめ)

前エントリーの続きにゃ。もうこの前の日曜日、「GCMふくしま」で、早野先生や野尻先生によって、WBCによる「内部被曝量」や「内部被曝より外部被曝が高い」「むしろ外部被曝を気にするべき」といった話があったので、もう「いまさら」感もあるが、乗りかかった船ということで。

素晴らしい「GCMふくしま」については、
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/15福島会場
http://togetter.com/li/338909?f=reco1
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/16郡山会場
http://togetter.com/li/339369

リーフレインさんのまとめ
http://togetter.com/li/338614
http://togetter.com/li/338781

早野先生のスライド
http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716

そしてKさんの「Maybe Blue GCMふくしまメモ(工事中)」、とても見やすいです。
http://leika7kgb.blog114.fc2.com/blog-entry-816.html#more

というわけで、今や早野先生のスライドのタイトル「ここはチェルノブイリではない 福島のデータをしっかり見よう」につきる。最近、福島の街、残った人の雰囲気も大分変わってきた。それは「反原発」の連中が言うような、「あきらめ」といった感情ではない。福島の被曝の実態がデータとして上がってきて、それがマスゴミ等が騒いだ、チェルノブイリのようなものではなかった。去年のあの酷いデマが飛び交う中でも、我々はここに残ることを選んだ。感情的なパニックや、脊椎反射的行動はとらない。事実を落ち着いて受け止めるだけだ。


もう少しだけ、「チェルノばなし」続けるにゃ。本来前エントリーの追記だが、長くなるのでここで。なお今回の被曝量=○○SVは、全て甲状腺等価線量。また元の文のGyは大方SVにしてある(1Gy≒1SV)。

(追記7/23) なおここから先はあまりにも長くややこしいので、最後に追記した「まとめ」だけ読んでも大丈夫です。

前エントリーの中で、

(新聞等で)時々、「甲状腺が50mSVの被曝を受けると、ガンになりやすくなる」といった記述を見かける。何を根拠、基準にしているのか知りたい。

と書いたが、この「根拠」は、田崎教授も触れていた、P.Jacob先生らの1999年論文
Childhood exposure due to the Chernobyl accident and thyroid cancer risk in contaminated areas of Belarus and Russia
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2363070/pdf/80-6690545a.pdf
だ。

原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第30回会合 議事次第
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun030/hibakubun-030.htm にある
安定ヨウ素剤予防服用の一般的基準 (50 mSv) の根拠について
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun030/ssiryo1.pdf
は、前エントリーにもリンクしていたが、後半はちゃんと見ていなかった。ここの3ページには、IAEAのGSG-2(IAEA安全基準)=「安定ヨウ素剤投与=甲状腺等価線量が7日間で50mSVと予想される場合」とした根拠が、「この数値の根拠となった論文の概要を次ページから示す」として、書いてある。なお、このIAEA基準は、「小児」に限っていない。

チェルノブイル小児甲状腺がん疫学調査論文概要
Childhood exposure due to the Chernobyl accident and thyroid cancer risk in
contaminated areas of Belarus and Russia.(チェルノブイル事故によるベラルーシとロシアの汚染地域における小児被ばくと甲状腺がんリスク)
P. Jacob, Y. Kenigsberg, I. Zvonova, G. Goulko, E. Buglova, W.F. Heidenreich, A.
Golovneva, A.A. Bratilova, V. Drozdovitch, J. Kruk, G.T. Pochtennaja, M. Balonov, E.P.
Demidchik and H.G. Paretzke(British Journal of Cancer (1999) 80(9), 1461–1469 の仮訳)

チェルノブイル事故により放出されたヨウ素131 による甲状腺線量について、ベラルーシの2市の2122 名、ロシアのブリヤンスク区1 市の607 名の子供と十代の青年において再評価された。事故後の2 か国の2 か所の高汚染スポットを含むこの地域において、1991-1995 年の期間の甲状腺がん誘発率のデータについて、甲状腺検査の増加を考慮して解析された。2種類のリスク解析方法が適用された。すなわち、単一集団についてのポアソン回帰解析と、より大きな地域あるいは部分母集団に関するモンテカルロ計算解析である。両方法の最適推定値はよく一致した。ポアソン回帰で推定した95%信頼区間はモンテカルロ計算結果よりも相当小さく、それは、再評価した線量と甲状腺がん誘発率のバックグラウンドに起因するポアソン分布以外の不確かさを考慮したものである。1971-1985 年に出生したコホート(被ばく時年齢が1~15歳)において、モンテカルロ解析による甲状腺の単位線量あたりの過剰絶対リスクは、10000人(原文は10の4乗)・年Gy あたり2.1 例(95%信頼区間が1.0-4.5)であった。リスクの推定値は、外部被ばくによる甲状腺がんリスクのプール解析において得られた値の二分の一であった。甲状腺単位線量あたりの過剰相対リスクは、1Gy あたり23(95%信頼区間が8.6-82)であった。国あるいは都市と農村地域の間で差異は見られなかった。平均甲状腺線量が0.05Gy である最も線量の低い集団において、甲状腺がんのリスクは統計的に有意に上昇した。そのリスクの被ばく時年齢及び性別の依存性については、外部被ばくによるものと一致していた。


ポワソンとかモンテカルロとか、何やら美味しそうな名前が並ぶけど、統計学の用語らしいにゃ。コホートは「共通因子がある集団」。過剰絶対リスク(EAR)と過剰相対リスク(ERR)は田崎先生の
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/thyroid.html 参照。

また
「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合 議事次第」
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/hibakubun-029.htm にある、
安定ヨウ素剤の予防的服用に関する提言(案)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-6.pdf 8ページには、

(イ) 服用指示の ための一般的基準
安定ヨウ素剤の投与・服用に係る 安定ヨウ素剤の投与・服用に係る EAL や OILの設定基準として、従来と同様に、小児の甲状腺等価線量を使うことは適切である。IAEA が GSG-2などで示した一般的 基準(Generic Criteria)の例である、最初の7日間 (プルームの最初放出から7日間)で小児甲状腺等価線量(実際に は幼児を対象としている)について 50mSvという値は適切と考える。 海外諸国においては、WHOの勧告 の勧告に基づき、小児甲状腺等価線量で10mSv(あるいは10mGy)を設定している例もある。WHOは、小児甲状腺 がんの偶発的発生率と比較して、放射線による小児甲状腺がん発症リスクを容認できる適度に抑えるには、従来の基準(100mGy)の十分一程度が適当と考えられることから10mGyを提言した。しかしながら、その後IAEAは、ロシアとベラルーシの疫学調査において、甲状腺等価線量あたりのがん過剰絶対リスクがゼロと明らかに異なる線量グループの最小値が50mGyであると報告されたことから、この数値をGSG-2の一般的基準に採用した。GSG-2の作成 には WHOも参画しており、こちらに示された数値を使うことは適切と考える。


とあり、WHOの安定ヨウ素剤投入基準=小児甲状腺等価線量10mSVだったが、それはJacob先生らの研究が出る前の、いささか古い、安全マージンの多いものだったこと、また基準=50mSVの策定にWHOが参加していたことが示されている。従って今、「WHOの基準では10mSVだからそれを超えると甲状腺ガンになる!」と騒ぐ根拠はない。そもそもLNT仮説では、10mSVでもガンは増える。

なお、「がん過剰絶対リスクがゼロと明らかに異なる線量グループの最小値が50mGyである」はやや危ない表現だにゃ。「グループの平均値の最小値が50mGy(=mSV)」としないと、「50mSVから発ガンした!」となりやすい。また前エントリーでリンクした「第31回会合」の資料では、「その後IAEAは、ポーランドの疫学調査において」となっているが、これは単なるまちがいだと思う。なぜかこの部分は「第30回」以後、「ポーランド」になっている。またIAEA基準が、「小児」限っていないことについては、第31回で協議されている。新基準の文言は「小児」ではなく大人も入れるのかもしれない。放射線の子どもへの影響は大人の2~3倍とかなので、子どもを基準にして安全策をとればいいという話か?

(余談ですが)
ちなみに1986年のチェルノブイリ事故の3日後、ポーランドの11の県では、16歳以下の甲状腺被曝が50mSVを超えることが予測され、実際に安定ヨウ素剤が1750万錠配布された(16歳以下の95%に配布された。また大人にも)。
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun031/siryo3-2.pdf
この資料は安定ヨウ素剤の副作用についてのものだが、ここから判ることは、当時のポーランドの状況が、去年3月事故後の福島に似ていたかもしれない、ということだ。ポーランドでの予測が、50mSVを超えてどの位だったのか、またその計算は24時間外出と仮定したのか、8時間か、空間線量率のヨウ素の寄与をどの位と見たか、等の計算式が判らないし、また福島では現在甲状腺被曝=50mSVに達した例がないので、福島はもう少しマシなのかもしれないが。チェルノブイリからポーランド国境までは約500キロのようだが、元々の事故の規模が違い、また風向き等の不確定要素があるので、距離は意味をなさない。よって福島をチェルノブイリ(ウクライナ、ベラルーシ)と比較するより、ポーランドと比べる方が、まだ現実的なように見える(もちろん様々なデータで確認しなければばならない)。

ポーランドで「鼻血」や「原爆ぶらぶら病」が出たか?奇形の出産が増加したか?甲状腺ガンが増加したのか(これは「増えた」という資料は見つからない。住民の話等をネタに甲状腺障害等が増えている、と伝えたメディア記事はあるようだが、メディアはもちろん信用できない。少人数の伝聞も信用できない。増えたなら、安定ヨウ素剤は効かないことになる。)除染はムダなのか?セシウム土壌汚染はどうなったのか?セシウムが風で舞い上がって内部被曝したのか?内部被曝はそんなに多く、外部被曝よりはるかに危険だったのか?農業はどうなったのか?・・・・。


P.Jacob先生らの1999年論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2363070/pdf/80-6690545a.pdf
に戻るが、これの1464ページ(と言っても4ページ目)のtable6では、100mSv以下の甲状腺被曝(等価線量)した1756人(平均被曝量は50mSV)中38人が、1991 年から95年の間に、甲状腺ガンになった。これがもし被曝なしの場合は、16人であるはずで(これは1983~87年における、同じ年齢層=10~20歳の調査)、このことから過剰絶対リスク(EAR:上乗せリスク)=2.6人(10000人あたり、一年あたり、1グレイ被曝につき)と計算されている。もちろん「信頼区間」があり、0.5~6.7である。またこの集団の平均値が50mSVなので、「50mSV以上被曝すると、甲状腺ガンが増える」とは言えない。「等価線量100mSV以下で、平均50mSVの甲状腺被曝でも、甲状腺ガンの発症増加はあった」である。よく考えると、LNT仮説に従えば「閾値」はない。それが数値データとして確認されただけかもしれない。

注意したいのは、世界的に調整された年間の甲状腺ガン発生率は、男性 10 万人当たり 1-2人、女性 10 万人当たり2-8人だそうだが、この研究は、1971–1985生まれ、つまり当時1~15歳が対象というところ。この年齢層の被曝は影響が大きく、早く出るのだろう。またここで調査対象となった1756人は、「全ての100mSV以下被曝した人」ではない。従って単純な「100mSV以下では38/1756=ガン発症率」とはならない。

また1466ページのfigure3からは、等価線量50mSVの被曝=この1756人集団の平均値で、10000人あたり、一年あたりの過剰相対リスクは0.1(=10のマイナス一乗)人をちょっと上回る程度なことがわかる。ちなみにこのグラフの縦軸は、目盛りの数字の上半分が間違っていて、本当は上から10の二乗、10の一乗なのだと思う。

これが恐らく前回エントリーで書いた、学習院大 田崎教授のJacob先生らの論文についての結論、

「ベラルーシとウクライナでのデータを解析した結果、Jacob らは、子供のころに甲状腺への被ばくを受けると、それによってその後の甲状腺ガン発症のリスクが 甲状腺等価線量 1 Sv の被ばくに対して、年間、1 万人あたり 2.3 名」(注:上昇する、これはEAR=過剰絶対リスクである)
これは明らかに疫学的データに基づく結果で、1SV=1000mSVである。

これが単純にLNT的に比例するとすれば(成り立つ可能性は別として)、今回仮に最大等価線量=50mSVと多めにした場合、年間10万人あたり1~1.5人に発症。しかし50mSVの人が10万人もいるわけないのである。 (細かく書くと1.15人に発症。これも過剰する、上乗せ分である。)

の詳細なわけであり(EARは田崎先生=2.3と、論文table6=2.6、さらには「概要」=2.1がちょっとずつ違っているけどね。これは、2.3は1Svを含む平均1.4Svグループ、2.6は平均50mSVグループの生データ。2.1は全体共通の調整後「結論」だからだ)、LNTは成り立っているように見える。これがこれまでの安定ヨウ素剤配布基準=100mSVだと、年間10万人当たり2.3人(あるいは2.1か2.6人)の過剰発症=上乗せである。

「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第31回会合 速記録」
http://www.nsc.go.jp/senmon/soki/hibakubun/hibakubun_so31.pdf 38ページには、安定ヨウ素剤の配布基準について、

伴委員:結局、今まで100でやっていたのを変える、なぜ変えるのかという話になると思いますので、そこのところですね。100ではまずかったから50にするんですということではないというところは、はっきりさせなければいけないと思うんです。そもそも50という値も、Jacobたちの論文でそれぐらいで有意差が出ているよと言っているわけですけれども、あれも個々人のレベルの線量を評価しているわけではないので、果たしてどの程度のものかという、そういう見方もあるわけですね。だから、そうした時に、100でいけないわけでもない、でも50という線もある、10という線もあるんだけれども、下げてもいいかなというのは、要は安定ヨウ素剤の副作用というのが、ポーランドの調査なんかを見てもそれほど大きくはなさそうだから、万全を期して、国際的なハーモナイゼーションも考えた時に、あえて100にこだわる必要はないのではないかという、そういうロジックではないかと私は理解しています。

とあるが、確かに「甲状腺等価線量50mSV被曝で、(急に)甲状腺ガンが増える(ことが新たに発見された)」ではない。ここのところを注意して、マスゴミにだまされないようにしよう。なお安定ヨウ素剤は、ポーランドでは甲状腺被曝量を大体半減させる効果があった、というような記述をどこかで見かけたが、詳細不明。効き目については、ヨウ素欠乏症の問題もある。

なお、「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdf
はこれまでのチェルノブイリの甲状腺ガンの研究例を7つ並べていて、それぞれの過剰絶対リスク=EAR、過剰相対リスクERRが掲載されている。全て小児期(と書いてありますが、実際は18歳までの若年のようです)での被曝の研究で、大変興味深い。EARは1.5~4.4の範囲だ。ERRは4.5~23だが、やや不思議なのは、Jacob先生らの2つの研究(上記1999年、及び2006年)だけが、ERRの値が一桁大きいことだ(23、18.9)。過剰絶対リスクはそんなに変わらないので、何か理由があるのだろうが、よくわからない。正直言って、ERRの場合、単に「1グレイあたり」となっているが、その意味がよくわからないのだにゃ。文系ノラネコじゃあね。だからEAR主体に書きます。

この中では一番新しいAlina V. Brenner先生らの2011年論文
I-131 Dose Response for Incident Thyroid Cancers in Ukraine Related to the Chornobyl Accident
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/info%3Adoi%2F10.1289%2Fehp.1002674は、
ウクライナの事故当時18歳以下の12514人を調査対象にしている。また事故後に12歳から40歳に到達した人も対象にしている。最新データは2007年のスクリーニングらしい。
dose estimates Data were cross-classified by age at exposure (from 0 to 18 years in 2-year intervals), attained age (from 12 to 40 years by 2-year intervals), dose estimates (< 0.05, 0.05–0.09, 0.1–0.29, 0.3–0.49, 0.5–0.69, 0.7–0.99, 1.0–1.49, 1.5–1.99, 2.0–2.49, 2.5–2.99, ≥ 3.0 Gy), and calendar time intervals (1998–2008 in 1-year intervals).なので、福島の場合に一番知りたい、18歳以下の若年層と、被曝量100mSV以下の2グループ(50mSV以下 50~90mSV ただしGyで小数点以下2桁までなので、1mSvレベルの差は無視しているのかもしれない)が設定されている。しかこれら各被曝線量における細かいデータは出ていない。恐らく結論として出たEAR=2.21、ERR=1.91と何ら矛盾する点は無いのだろう。この研究の結論は、「事故後20年経ってもこれまでの研究で得られたようなリスクが同じようにある」ということのようだ。つまり、これまでの研究は肯定されている。

またElein Ron先生らによる1995年論文
Thyroid Cancer after Exposure to External Radiation: A Pooled Analysis of Seven Studies
http://www.rrjournal.org/doi/abs/10.2307/3579003?journalCode=rare には、
For persons exposed to radiation before age 15 years, linearity best described the dose response, even down to 0.10 Gy. =15歳以下で被曝した人について、被曝量に対する直線的関係(リニア、つまり発症は被曝量に直線的に比例する)が、0.1グレイ(=100mSV)より低くても当てはまる。
The thyroid gland in children has one of the highest risk coefficients of any organ and is the only tissue with convincing evidence for risk at about 0.10 Gy.=子供の甲状腺はどの器官よりも高率のリスクを持ち、およそ0.1グレイ(=100mSV)で、リスクについて説得力ある証拠を示す、唯一の組織である。

と書いてある。これが先のP.Jacob先生らの1999年論文で、平均50mSVになったということか。

Elisabeth Cardis先生らの2006年論文、
Cancer consequences of the Chernobyl accident:20 years on
http://depts.washington.edu/epidem/Epi591/Spr09/Chernobyl%20Forum%20Article%20Cardis%20et%20al-1.pdf
134ページ(8枚目)には、チェルノブイリ事故の甲状腺ガンの、95年から2006年までの6つの研究の比較が載っている。ここにはEARではなく、ERRしか出ていないが、その範囲は5~18.9だ。この最大値は前に書いたJacob先生らの2006年研究だ。

Cardis先生と言えば、リーフレインさんが「まとめ」をしていた。
http://togetter.com/li/270492
これは2005年論文
Risk of Thyroid Cancer After Exposure to 131I in Childhood
http://jnci.oxfordjournals.org/content/97/10/724.full

この研究で福島的に興味を引くのは、甲状腺への最低被ばく線量集団=0~15mSV、となっているところで、ここでは対象154人中16人が、甲状腺ガンになっている。またその上位の集団は16~199mSVで、579人中76人の発症。研究全体の対象は15歳以下、1998年の患者276人で、さらに1300人を比較対象(コントロール群)として、ベラルーシ、ロシアから選んでいる。ただしこの「ケース・コントロール方式」には限界があり、「疾患の発生率 Incidence、存在率 Prevalence、あるいは寄与リスクなどを求めることは出来ない。」ようだ(http://www.kdcnet.ac.jp/college/toukei/statistics/observe.htm)。この研究の結論はEARはなく、ERR=4.5だ。199mSV以下の2集団について特記等はない。つまり先行研究を否定するような要素はなく、この領域でも直線性が保たれる、ERR=4.5ということだろう。

さらにNHKが昨年12/17に放送した「サイエンスZERO」では、放医研の杉浦紳之氏が、「今年発表されたベラルーシのデータ」というものを出して、解説していた。
nhk1.jpg
(番組文字起こし)
杉浦紳之:(ベラルーシでは)全体的に数100ミリシーベルトを超えていて、数量が非常に高いものとなっております。しかし、今回の福島では先程見たように最大が35ミリシーベルトですから、今回の緊急調査の結果を見て、我々専門家がホッとしたのは、やはり~50、この一番低いところに収まっています。ではここに、実際に甲状腺がんになった人の割合を重ねてみます。やはり、線量が増えてくると発生の割合が高くなってくる事が知られています。

nhk2.jpg

安めぐみ:ですが、これを見ると、福島と同じ50ミリシーベルト以下のところでも甲状腺がんになった方がいるという事になりますが、こちらはなぜなのでしょう?

杉浦紳之:もちろん、「子どもの年齢が低いほど甲状腺がんのリスクが高くなる」という事も一つあると思いますし、もう一つは自然発生の癌がですね、甲状腺がんが、他の癌に比べて速い年齢で30歳や40歳から出るので、チェルノブイリはもう25年経っていますから、その年齢に入ってきている方が対象者になっているという事も言えると思います。

山田アナ:ここも、つぶさに見ていかなければいけないと思うんですが、

杉浦紳之:はい、おっしゃる通りだと思います


ということだったのだが、この資料の元はまだ見つけていない。一応この研究で対象にした0~50mSV被曝集団2000人で、甲状腺ガン発症者の割合は0.3%、50~150mSVの2500人集団では0.4%だったと読めるが、他の研究では、こういう数字の出し方はしてはしていない。P.Jacob先生らの1999年論文のところでも書いたが、母集団は全ての0~50mSV、50~150mSV被曝者ではないので、これをそのまま「発症率」とすることは不可能だ。発症期間、調査対象の年齢等がわからないと、結局「被曝量が増えると発症率も増える」ということがわかるだけだ。大事なEAR,ERR等の数値は全くわからない。元の研究が知りたい。

思うにチェルノブイリでの研究、データは、今回の福島のような、100mSVを下回る甲状腺等価線量被曝についての詳細なものは少ないし、中心の研究対象ではない。つまりそれだけ、チェルノブイリの被曝量は大きかったし、福島の被曝量は小さいということが、言えるのではないだろうか。繰り返すが、まさに「GCRふくしま」の早野龍五先生の言葉「ここはチェルノブイリではない 福島のデータをしっかり見よう」なのだにゃ。

そして結局、これまでの研究による知見、「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdfにある7研究の、EAR=1.5~4.4(10000人あたり、1SVあたり、一年間に)からすると、福島での最大被曝量=50mSVととった場合、これだけ被曝した人が100000人いたとして、その中の年間の過剰発症(つまり放射能で甲状腺ガンになる人)は0.75~2.2人。もし100mSVの人が100000人いたとしたら、年間の過剰発症は1.5~4.4人ということになる。ただし調査方法(コホート、ケース・コントロール、エコロジカル)にはそれぞれ欠点もあり、さらにはポアソン、モンテカルロ、リニア、二次曲線といった統計のやりかた、モデルも複数にわたる。被曝時の年齢も違いを生み出す。そして甲状腺ガンは放射線に限ってみても、医療被曝等外部被曝の影響があり、もちろん放射線以外の原因もある。

唯一の「正しい数字」がビシっと出ることなどないが、傾向はつかめる。これらの数字は確かに通常の甲状腺ガンの発症に埋もれてしまい、個別例を「原因は放射能」と指摘することは困難だ。もちろんこれを「多い」か「少ない」か、「ゼロではないから避難する」、等見方や行動は自由だ。そしてその対策、ケアは無くてもよい、ということにはならないだろう。全体のガン発症に埋もれるということは、放射能と関係ありなしは別にして、福島県での全体のガン防止、ケア対策、ガン医療を向上させ、将来福島県は日本一のガン・フリー県になる。これしかないような気がする。

(あ~今回はエラク難しかったにゃ。間違いありそうなので、見つけたら指摘してくださいだにゃ。)


(追記 7/23 「まとめ」です ここだけ読んでもOKにゃ)
せっかくだから、前回エントリーの「数字」も一緒にメモしておくにゃ。「備忘録」兼「まとめ」です。

注:以下特記した「LNT仮説」のところ以外、全て「等価線量」です。普段よく使われる「線量」=「実効線量」で、これは「等価線量」の1/25と考えられます。

現在までの調査でわかっている 福島の内部被曝 甲状腺等価線量

①広島大田代聡教授らの調査 
調査日=3/26~3/30 場所=いわき市 川俣町 飯館村 対象=1080人(0~15歳) 
最大等価線量=42mSV
注:「3月12日から23日までの12日間に連続的に吸入した後、24日に甲状腺線量を測定する」という仮定に基づいて計算。=前記田崎さんのサイトより。

②弘前大床次真司教授らの調査
調査日=4/11~16 場所=浪江町津島(含南相馬からの避難民) 対象=62人(15歳以下も成人も含む) 
最大等価線量=33mSV 
注:3月15日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算。いつまでの積算かは不明だが、長くとも4/16(4/10?)までということになる(そこまで長くないだろう)。

なお、これらの調査が「事故直後ではない」と言う向きもあるかもしれないが、チェルノブイリでの調査ももちろん、事故直後ではない。例えばJacob先生らの1999年論文1463ページには、Dose reconstruction in Bryansk district was based on measurementsof the 131I activity in thyroids performed in the period 13May to 13 June 1986、とある。「ブリヤンスクでの被曝量は、1986年5/13~6/13にあった甲状腺被曝検査で再現した」である。ちなみに事故は4/26だった。

チェルノブイリ事故の内部被曝による、甲状腺ガン発症の研究から得られたデータ
「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdf
にある、代表的な7研究(全て被曝時18歳以下が対象 15歳以下もある )によれば、

EAR(過剰絶対リスク)=1.5~4.4(10000人当たり、1Gy≒1Sv当たり、年間)

①1995年のE.Ron先生らの論文によれば、甲状腺等価線量100mSV以下の被曝量でも、被曝量と発症数に直線比例関係が成り立ち、この領域でも放射能の影響が見られる。

②1999年のP.Jacob先生らの論文によれば、甲状腺等価線量100mSV以下、平均50mSV被曝量の集団も、「甲状腺がんのリスクは統計的に有意に上昇した」。

③2011年のAlina V. Brenner先生らの論文によれば、被曝後20年経過しても、先行研究の結論は変わらない。(最新調査=2007年時点で、被曝時18歳の人は39歳になっている)

以上のことから福島では

甲状腺等価線量100mSV内部被曝した子ども、若い人が10万人いたとしたら、この被曝が原因で甲状腺ガンになるのは、1.5~4.4人/一年間

この10万人の被曝量が半分の50mSVならば、0.75人~2.2人/一年間

と言えるのではないか?もちろん「だろう」「可能性がある」で、現状では50mSV被曝した人は見つかってない。またとうてい10万人いるとは思えない。なおこれが始まるのは、被曝後2、3~5年後?チェルノブイリでは発症ピークは10年後?このあたりはよく調べていません。

ICRPの「LNT閾値なし仮説」との整合性
あと、ICRPのLNT仮説=「100mSV以下の実効線量被曝の場合、0.5%のガン発症(ガン死)上乗せ、閾値なし(もとは1Svあたり5%の上乗せ)」との整合性だけど、

①これらの研究のEAR(上乗せ値)は、等価線量100mSVを実効線量に直した場合、4mSVで年間10万人に最大4.4人上乗せ、となる。世界的甲状腺ガン発症は年間10万人あたり2人(男の最大値です、女は8。ここを変えてもあまり変わりません)=0.002%だとすると、この発症上乗せで6.4人となる。これは発症率=0.0064%になるということだが、上乗せ分は0.0044%で、0.5%よりはるかに小さく、少なくとも「ICRPのLNTは低く見積もっている、甲状腺内部被曝は本当はもっと危険だ!」とはならない。

②E.Ron先生、P.Jacob先生らによって、甲状腺に限っては、等価線量100mSV以下の低線量でも、「閾値なし」らしいデータが、あがってきた。

ということではないだろうか。

「反原発」がよく叫ぶ、「内部被曝の影響はわかっていません!」ってことはないのだと思うがにゃ~。

「線量ゼロの子でも被曝」=朝日新聞は日本の「知性」? 一方 河北新報「甲状腺被ばく量半減 弘前大調査」 我々はいくら「内部被曝」したのか?

かつては日本の知性・教養を代表すると言われた朝日新聞にゃ。7月11日朝刊、一面トップ記事は 「線量ゼロ」の子でも被曝 放医研が独自計算 だったようだ。
http://www.asahi.com/national/update/0711/TKY201207100892.html
(ようだ、というのは実は信夫山ネコは新聞を購読していないので、ネットで後から知ったのにゃ。)

(以下記事内容)
東京電力福島第一原発事故による福島の子どもの甲状腺被曝(ひばく)について、政府の原子力災害対策本部は昨年8月、調べた1080人の55%の保護者に「ゼロ」と通知したが、実際は一定の被曝をしていた可能性の高いことが分かった。放射線医学総合研究所が昨年3月の実測値から独自に計算した。この結果について、政府は「誤差が大きく、不安を招く」として、今後も保護者に通知しない考えだ。

独立行政法人・放医研の鈴木敏和・緊急被ばく医療研究センター室長らが、10日に千葉県で開かれた国際シンポジウムで発表した。いわき市や川俣町、飯舘村など10市町村以上に住んでいた15歳以下の1080人の生涯平均の推計で12ミリシーベルト、最大で42ミリシーベルトだった。

甲状腺の被曝線量の計算ではまず、放射性ヨウ素を取り込んだ甲状腺が1時間に出す放射線を測定する。この実測値から個人の年齢や被曝時期などを考慮して、生涯の被曝線量を計算する。

政府は昨年3月下旬、1080人の1時間あたりの線量を実測した。しかし、「検査は、安定ヨウ素剤を飲むレベル以上に被曝した子どもがいたかを調べるのが目的で精度が低い」などとして、一部の高い子どもを除き、健康影響がわかる生涯の線量の計算をしなかった。

保護者には、1時間あたりの実測値しか伝えず、55%の保護者には、「検査機器の検出限界以下」も含め、「0」と通知していた。通知も、検査から5カ月たってからだった。

(以上)

ここから先は「有料」となるが、さっそくツイッターのまとめに記事の写真が出ていて、残りを読むことができる。当然良識ある人が集まり、ぶっ叩いている。
http://togetter.com/li/336432

なお、上記「まとめ」に見られるように、この「見出し」は何種類かあったらしい。また「大岩ゆり」記者が、危険煽りがお好きらしく、これまでにもそんな記事を書いていたらしい。

「ち的」部分は二つあるが、根は一つとも言える。

①見出しの問題=まず日本語として意味不明。結局検出限界以下(ND)の場合、ゼロと通知していたが、これは厳密に言えばゼロではないので、こんな見出しになったらしい。例によって福島を脅そうという、「煽り」の意図が見え見えだ。これ自体間違いではないのかもしれないが、そもそもこれが一面トップ記事であること自体が、「ヤマイダレ」に見える。②で書くように、この「被曝」はそんなに大きな数字ではない。これがどうして大事件なのか?結局トップ記事にするには、見出しをセンセーショナルにするしかなかったのか?週刊文春「郡山から札幌に避難した子どもに甲状腺ガン」、NHKの「真相スクープ」と同じにゃ。

②根本問題として、記者は甲状腺等価線量と実効線量の区別がつかない「無知」なのではないか、という疑いがある。あるいは「朝日」程の優秀な人材を集める会社だ、わざと「等価線量」を書かずに読者をミスリードし、過大に見えるようにしているのか?

ここで出ている「15歳以下の1080人の生涯平均の推計で12ミリシーベルト、最大で42ミリシーベルトだった。」という数値は甲状腺を実測した以上、「等価線量」である。そして我々が普通よく聞く、「年間1ミリシーベルトを超えたら、放射線管理区域ですから人はすめませんっ!」「年間20ミリシーベルトなんて、自分の子どもには認められません!(涙)」「今日の福島市の空間線量は1時間当たり0.57マイクロシーベルト」「100ミリシーベルト以下ではLNT仮説を採る」なんて数字は、みんな「実効線量」だ。従ってこの記事を読んで、単純に「一生では42ミリも被曝する子がいる!」と怯えるのは早い。

それぞれの説明は、学習院大の田崎教授の「甲状腺等価線量と実効線量について」
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/thyroid.html
が、非常にわかりやすい。

大事なことは、極めて単純化すると、ヨウ素131については、「甲状腺等価線量は、0.04 をかけて実効線量に直してから話を進めなくてはならない(等価線量=実効線量の25倍)」ということだ。

従ってこの記事を、普段もっとも多く使われている、「実効線量」に置き換えると、「15歳以下の1080人の生涯平均の推計で0.48ミリシーベルト、最大で1.58ミリシーベルトだった。」となる。「生涯」である(半減期8日のヨウ素で「生涯」ってのも・・・ネコが知らない何か、意味はあるのだろう、今や「瞬間高線量被曝」と「長時間低線量被曝」の違いもはっきりしてきたけどにゃ)。それ程の量ではないと言えるのではなかろうか?

この「等価線量」を隠して煽る作戦は過去にもあり、「反原発」の「福島潰し作戦」の一つとして、非常に気になっていた。http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-87.htmlの(5/24追記)に、

「また福島での内部被曝の実態はかなり明らかになってきましたが、大した量ではないです(弘前大学のチーム:初期の一ヶ月間の被ばく=事故後浪江町に残った人でヨウ素甲状腺内部被曝=等価線量87ミリシーベルト。実効線量に直すとこの20分の一だかです。これ朝日新聞とかちゃんと書いてないですよ。得意の福島脅しだ。)。」

と書いておいたが、これは正しくは、25分の1だ。そしてこの記事は、

「甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人」
http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY201203090004.html だ。この87シーベルトも「等価線量」で、「実効線量」にすると3.48ミリシーベルト。

この弘前大学のデータについては、どの新聞も「等価線量」と書いていなかったと思う。って言うか、「等価線量」のこと書いたことある新聞社は日本にあるのだろうか?新聞社って「文系」ばっか採用するからにゃ。

例えば同じネタの「河北新報」
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20120310_04.htm
新聞記事には「等価線量」というコトバがない。これじゃ「事故5年後のチェルノブイリと今の福島を比較」と同じ。比較できない。

そしてこの調査、昨日被曝量が87ミリから33ミリに半減した。精度を高めて推定し直したらしい。朗報ではないか?
福島の住民 甲状腺被ばく量半減 弘前大調査 河北新報 7月13日(金)6時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120713-00000005-khks-l07

弘前大被ばく医療総合研究所の床次真司教授のグループは12日、福島県の住民を対象に福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素による甲状腺被ばく調査の再解析を行った結果、被ばく線量は最大33ミリシーベルトだったと発表した。ことし3月の調査発表では最大87ミリシーベルトだったが、気象条件などを考慮した結果、数値がほぼ半減したという。
調査は昨年4月11~16日、福島県沿岸部から福島市に避難した人と、浪江町津島地区にとどまった人計62人を対象に行い、46人から放射性ヨウ素を検出した。
前回調査では、ヨウ素を体内に取り込んだ日を昨年3月12日と想定していたのを、今回は気象条件も考慮。昨年3月15日午後1時に放射性ヨウ素を含む空気の塊が到来し、同午後5時から雨が降ったという津島地区に近い福島県飯舘村のモニタリングデータを加味し、計算し直した。
その結果、前回は国際原子力機関が甲状腺がんを防ぐために安定ヨウ素剤を飲む目安とする50ミリシーベルトを上回った人が5人いたが、今回はゼロだった。
床次教授は「調査の精度を高めた結果、影響が小さいことが分かったが、50ミリシーベルトを超える人がいた可能性は否定できない。継続的な調査と健康支援は必要だ」と話した。

(以上)

33mSV(等価線量)=1.32mSV(実効線量)だにゃ。

 「我々は3月の酷い時期に、どのくらい内部被曝したのか?」 
ここでまとめておきます。被曝初期=3月の被曝量調査データは、推定値も含めて福島県民にとってとても重要なものだ。半減期8日のヨウ素131はこの時点でしか数字が出ない。4月上旬以降、セシウムを空間から取り込む可能性が激減、また食品から摂取することも低いことを考えると、この初期被曝の値こそが、死命を制するものだったはずだ。

この時点での調査は2つあるようだ。一つは今回の放医研発表になった、広島大学の田代聡教授チームで、これは田崎さんのhttp://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/thyroidscreening.htmlも参照。もう一つは前記弘前大学の床次真司教授チーム。これは4月上旬の測定からの推定である。そしていずれも甲状腺被曝の検査、すなわち「内部被曝」の調査である。  

①広島大 
調査日=3/26~3/30 場所=いわき市 川俣町 飯館村 対象=1080人(0~15歳) 
最大等価線量=42mSV(実効線量=1.58mSV) 
注:「3月12日から23日までの12日間に連続的に吸入した後、24日に甲状腺線量を測定する」という仮定に基づいて計算。=前記田崎さんのサイトより。


②弘前大
調査日=4/11~16 場所=浪江町津島(含南相馬からの避難民) 対象=62人(15歳以下も成人も含む) 
最大等価線量=33mSV(実効線量=1.32mSV) 
注:3月15日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算。いつまでの積算かは不明だが、長くとも4/16までということになる。

この二つはそんなに乖離した数字ではない。これが我々の(最大)「内部被曝量」の回答と考えていいのではないか。

なお、最初にあげた田崎さんのサイトによれば、

「ベラルーシとウクライナでのデータを解析した結果、Jacob らは、子供のころに甲状腺への被ばくを受けると、それによってその後の甲状腺ガン発症のリスクが 甲状腺等価線量 1 Sv の被ばくに対して、年間、1 万人あたり 2.3 名」
これは明らかに疫学的データに基づく結果で、1SV=1000mSVである。

これが単純にLNT的に比例するとすれば(成り立つ可能性は別として)、今回仮に最大等価線量=50mSVと多めにした場合、年間10万人あたり1~1.5人に発症。しかし50mSVの人が10万人もいるわけないのである。

なお時々、「甲状腺が50mSVの被曝を受けると、ガンになりやすくなる」といった記述を見かける。例えば、
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/Q&A_20110418.pdf
http://www.asahi.com/health/news/TKY201112070490.html (あ~これまた大岩ゆり記者だ)

が、何を根拠、基準にしているのか知りたい。

また片瀬久美子さんの http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120630/1341012335 には、チェルノブイリでの内部被曝量が出ていて、大変見やすい。チェルノブイリでは1650人の15歳未満被験者について、200mSV未満=733人、200mSV以上(最大3000mSV超)=917人だ。いずれも勿論「等価線量」だが、桁違い。福島とチェルノブイリの比較は意味がない。そしてここには7/13のNHKニュースからの引用が出ているが、これによると弘前大の床次真司教授チームの調査では、データ修正後「20歳未満の最高値は23mSv」だったそうだ。

(やぁどさんから、コメント欄に次のようにいただいていた。

床次教授の調査では、子どもの最高値が「47mSv」。
ただし大人に87mSvって人がいた。ETV特集では「これと同等の吸入被ばくをすれば子どもは800mSv超に相当する」て言ってたけど、これは全くのデマ。子どもの吸入量(肺がずっと小さい)を無視した乱暴すぎる計算です。
いろいろ面倒な計算がありますが、結論から言えば、「子どもの感受性の高さと吸入量の少なさを相殺すると、全く同じ場所で吸入した場合、子どもは大人の1.4倍くらいの甲状腺等価線量と」なります(文責やぁど)。
だから87mSvの大人とずっと一緒に行動していた場合、122mSvの等価線量の子どもがいてもおかしくない。

この「800mSV」も今回、修正されるべきだろう。)


ところで、先の朝日の記事の「有料」部分にはこんなことが書いてある。
「甲状腺被曝を防ぐため、安定ヨウ素剤を飲む国際原子力機関(IAEA)の基準は、1歳児で50ミリシーベルト。今回の計算ではこれを上回る子はおらず、健康への影響は低いと、専門家はみている」。また上記河北新報でも、「安定ヨウ素剤を飲む目安としている50ミリシーベルト」などとある。しかしこれは正しくは、
「安定ヨウ素剤の投与の判断基準については、IAEA 等が示した、小児甲状腺等価線量の予測線量について7 日間で50mSv」

だ。出典は
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun031/siryo3-1.pdf
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun030/ssiryo1.pdf

またこのIAEA基準は、去年の6月までは100mSVだった。
(先の朝日「大岩記者」の記事、及び)
http://blogs.yahoo.co.jp/kankitiao/2968398.html(ここにも「チェルノブイリ原発事故では、50ミリシーベルト程度で子供の甲状腺がんのリスクが増えたとの研究報告がある」と書いてある)

というわけでこれも「等価線量」。しかも初期7日間。「一生」でも「瞬間」でもないよ。シーベルトには「単位時間」とか「積算」が必要。ちゃんと書いていないにゃ。

ついでに朝日の記事(福島支局)、もうひとつ呆れたやつを書いておくにゃ。
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001206230001 だけど、もう消えちゃったにゃ。写真はここ
http://rubese.net/twisoq/target.php?tag=genpatsu&id=216623288812711936 にある。

朝日新聞
低線量の内部被曝 過小評価しないで 2012年06月24日

福島第一原発事故後の長期低線量被曝の影響を懸念する専門家やNGO(非政府組織)による「市民科学者国際会議」が23日、猪苗代町のヴィラ・イナワシロ・コンベンションホールで始まった。
国際放射線防護委員会(ICRP)は低線量内部被曝を過小評価していると批判する欧州放射線リスク委員会(ECRR)のインゲ・シュミッツ・フォイアハーケ委員長らは「100ミリシーベルトよりはるかに低い線量でのがんの発症」データを報告し、「予防原則に立った被曝低減化策」の必要性を訴えた。
フランス国立保健医学研究機構で甲状腺がんの疫学研究を専門にしているフロラン・ド・バテール博士は、「男の子の甲状腺に4~5ミリののう胞が見つかった」という伊達市の市民からの質問に「原発事故の影響ではないとは言えないが、時間をかけて観察し、臨床データを積み上げていく必要がある」と答えた。
24日は小児科医や物理学者が将来に向けての健康影響調査、放射線防護策、アフターケアについて提言し、話し合う。参加無料。

(以上)

6月23日に猪苗代であった、「プロ市民科学者国際会議」だが、ECRRなんて、あんな「バズビーサプリ」詐欺で消えた疑惑の組織を持ち出すなんてね、メディアは取り上げるだけで、「それは正しい」と認知する作用がある。あいつらの言うことが正しけりゃ、「福島では今後10年間に40万人ガン死する!(だったか?もう忘れてきたよ)」だぜ。朝日新聞はやはり「ヤマイダレ」としか思えない。バズビー隠しで来日したECRRの狡さにもあきれる。ECRRなんてバズビー氏の「個人商店」だにゃ。ICRP(やフランス国立何たら?)と並べるなよ。

マスゴミが一見「公平を装って」両論併記にみせかけるエクスキューズは、よくある手だが、ECRRはあまりにもしょぼい。それに「見出し」がECRRのインチキ説そのものだ。ま、結局例の「マスゴミ=反体制でなきゃならない=反原発でなきゃならない=危険煽って福島潰さなきゃ」っていう「ドグマ」だにゃ。この会議には東大の早野教授が呼ばれて、「アウェイ」の中でいいこと言っていたのににゃ。
http://togetter.com/li/326901

そもそもこんな「プロ市民科学者国際会議」自体、「反原発正義軍外人部隊」の「福島潰し作戦」の一環だにゃ。こんなもの取り上げるなら、ICRPダイアログ・セミナーとりあげろよ。

朝日新聞よ、「低線量の内部被曝 過大評価しないで」にゃ。戦前戦中の新聞が戦争を煽り、1945年8月15日にどうなったか?そろそろ思い出してもいいのではないか?

NHK「低線量被曝 揺れる国際基準」 6/28「エネルギー問題に発言する会」がBPOに新たな「審議要求」

(前エントリーの続きです)
前項ICRPの「提訴」の続きだが、以下はbuveryさんのツイッターから。
buvery‏@buvery
上杉隆はない所から作るが、NHKは音声をつぎはぎして捏造する。だから、私はNHKは捏造することを前提に対応します。RT @J_Tphoto: @leaf_parsley @yoshisatose @nhk_kabun 信念によって事実を歪曲する記者を許容するのは良くない。

6月30日 buvery‏@buvery
BPOは門前払いしました。しょうがないですね。RT @J_Tphoto: .@leaf_parsley @yoshisatose 昨年丹羽先生は講演で、放送倫理検証委員会に訴える旨お話しされていたと思います。その後どうなったのか、@nhk_kabun さん!

6月30日 ナカイサヤカ‏@sayakatake
!! QT @buvery: 門前払いしました。しょうがないですね。RT @J_Tphoto: .@leaf_parsley @yoshisatose 昨年丹羽先生は講演で、放送倫理検証委員会に訴える旨お話しされていたと思います。その後どうなったのか@nhk_kabun さん

6月30日 buvery‏@buvery
これ、ブログを書こうかと思っているうちに、赤井さんに先を越されたので、ま、いいかと思ってたのですが。BPOは却下の理由を文書で出すのも拒否しています。@sayakatake @J_Tphoto

6月30日 ナカイサヤカ‏@sayakatake
@buvery @J_Tphoto 火中の栗は拾わず日、元々、TVは嘘が許されるのか。

(以上)

というわけで何と、BPOはICRPの訴えを「門前払い」したらしい!これでは「結論が出る」どころではない。しかも「却下の理由を文書で出すのも拒否」って・・・。

改めて日本のマスゴミに危機感と失望を抱くしかないが、これはこれで(面白いと言ってはまずいが)丸ごと「歴史の一コマ」として記録する価値のある話だ。後世の裁きを待つが、これではまさしく、「TVは嘘が許され」、「NHKは捏造することを前提に対応」しなければならないにゃ。BPOの目的は「放送倫理」向上で、「倫理」ではない。「放送倫理」は「倫理」とは大違いで、「嘘」「捏造」は「放送倫理的にはOK」なのだろう。あ、いや、これが本当なら、審議はしていない、これは最低「審議拒否」の理由を明示しなくてはならない。しかし・・・

注目!6/28新たなBPOへの審議要求が出された

引き続き6月28日、「エネルギー問題に発言する会」が、ICRPとは別にBPOに対し「審議要求」を出した。「日本原子力学界シニアネットワーク連絡会」との共同提案だ。

「この番組を放送倫理・番組検証機構(BPO)の放送倫理検証委員会にて審議して頂くべく、この番組の間違いを具体的に指摘した文書を、新たに137名の会員のご賛同を得て、BPOへ審議要求を6月28日にしました。BPOに提出した資料を「公開発言」欄に掲載しました。」ということだ。

http://www.engy-sqr.com/media_open/ には、この「審議要求」と資料等が公開された。

NHK低放射線線量被ばく問題番組のBPOの審議要求
NHK低線量被ばく問題番組BPO審議要求詳細
NHK低線量被ばく番組文字おこし
NHK/BPO参考資料ー2
瓦礫受入れ拒否運動チラシ@富山

さらにここには、放送直後12月29日からの、番組への疑問点、NHK会長への抗議、要望等も公開されていて、読み応えがある。

サーメ人のガン問題や、室井さんの発言にうなずく番組デスクのこと等、こちらはICRP問題に限っていない。上記「チラシ@富山」はこの番組を根拠にして、山本太郎が「瓦礫受け入れ拒否」を主張した、ということの資料で、こういった「社会影響」にまで言及していて、興味深い。

この成り行きに注目にゃ。
プロフィール

shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 2011年3月の原発事故以後、ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れました。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民もネコも「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしていました。(←しばらくすると連中の嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきましたが。)
 この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう「喜びの」心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段に利用することに断固反対です。もし根拠がない数字や説の拡散による自殺とかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ。そんな日の為にも、今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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