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雁屋哲作「福島ストーカー本」で「密林鼻血紛争」勃発 「親福島有志連合」優勢の裏にある福島の激怒を知れ

やっぱり「被ばく鼻血」が注目アイテムになったにゃ、まんず、

朝日新聞「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」の「主婦 有馬理恵」は「俳優座の社会派女優&市民活動家」だ 証拠はここにある 「従軍慰安婦」「吉田調書」と同じく検証が必要だ(リンク先読んでください)

「プロメ」のインチキについては、前回エントリーコメ欄に「さや猫」さんが書いてくれたが、非常によいブログが出た。

澤 昭裕blog 書評:「朝日新聞 日本型組織の崩壊(文春新書)」 -吉田調書スクープ・ブーメランの皮肉-
http://ieei.or.jp/2015/02/sawa-akihiro-blog150216/
(前略)
第二に、この記事(吉田調書の記事)は、作業員が現場から逃亡したとは「断言」していない。(私自身、この記事を最初に読んだ際、ツイッターに「この調書の該当部分をどう読んでも、命令違反をしたというふうには解釈できない」旨投稿したところ、同感だという旨の反応が多くあった。その後の共同通信のより深い取材に基づいた連載で、その点が明らかになっている。)
 問題は、断言していないが、そう思わせるような印象操作をしているところにある。実は朝日新聞は、「結果的に誤った印象を与えた」としてこの記事を撤回したが、印象操作は認めていないのだ。
  しかし、このような印象操作と思える記述は、朝日新聞の長期連載「プロメテウスの罠」でも頻繁に見られる。例えば、低線量被ばくで健康被害が起こると「断言」はしていないが、そう思わせるような印象を読者に与えることを意図した記述だ。
  断言しないことで逃げ道を確保した上で、印象操作による世論誘導を行っているという姑息な方法ではないかと私には思える。朝日新聞はそれでも印象操作は認めないのだろうが、本当にそうだとしたら記者の日本語の読解・記述能力に問題があると思わざるを得ない。
私は「吉田調書」誤報と「プロメテウスの罠」は同じ穴のむじなであり、風評被害などの影響を考えると後者の方が実は罪深いと思っている。吉田調書報道を検証するなら、「プロメテウスの罠」も検証するべきだろう。
著者たちが否定する「イデオロギー」による記事偏向がないかどうか、この連載も対象とされなければ公平・公正さに欠ける。
しかし、著者たちにそのような意識はうかがえない。むしろ、「プロメテウスの罠」は立派な業績と思っているとうかがえる箇所がある(85ページ)。ちなみに、一連の慰安婦報道を書いたとされる朝日の元記者が某月刊誌に寄稿した手記で展開している主張も、要は「私は強制連行があったと断言していない」だ。
(後略)


この悪質な「印象操作」が「プロメ」で行われた典型的な例は、竜田一人さんの「いちえふ」を取り上げた、  
(プロメテウスの罠)漫画いちえふ:13 「鼻血」答え出ない 2014年11月18日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11460952.html
だった。詳細は http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-184.html に書いたが、竜田さんは「福島で被ばくによって鼻血は出ない」と伝えたかったのに、朝日はこんなタイトルを付けたのである。

「主婦 有馬理恵」が「従軍慰安婦」ミュージカル主演の「社会派女優」であることは証拠がある。朝日はもし追及されたら、「有馬理恵が俳優座の女優で、従軍慰安婦ミュージカルで主演し、活動家でもある、と書かなかっただけで、主婦であることは事実だ、ウソではない」とでも言うのだろう。もしここで「従軍慰安婦ミュージカル主演女優の息子に、被ばく鼻血が出た」とでも書いていれば、読者に伝わる「印象」は全く違う。「信憑性」に関わってくる。朝日は「印象操作」によって、自己の主張を自由自在に伝える。この点を指摘した上記の澤昭裕氏はとても鋭い。「言論の自由」ではなく、「印象の自由」だが、このグレーゾーンこそは、無責任が横行する危険地帯だ。ではなぜ朝日は、こんな一介のノラネコがネット検索しただけで「隠蔽」「捏造」がバレるような、危険な記事を書かなければならなかったのか?答えは、「被ばく鼻血」として紹介できる「都合のいい鼻血」が、「活動家」以外の一般人には存在しなかったから、である。「被ばく鼻血」の存在自体、インチキの可能性が高い。

ということで今回は「放射脳鼻血おばけの復活」だ。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-186.html参照
「放射能おばけ」は小野昌弘さんの
放射能恐怖という民主政治の毒(9):放射能おばけとは何か(1)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/onomasahiro/20150208-00042709/ 参照)

2/1に雁屋哲の「美味しんぼ「鼻血問題」に答える」なる本が出版された。福島を鼻血デマでイジメて原発廃止に利用しようという、去年5月の「美味しんぼ騒動」の言い訳本、迷惑千万のまさに「福島ストーカー本」(特に「第七章 福島の人たちよ、逃げる勇気を」に、「福島が好き」「福島のため」と自称する気持ち悪いストーカーぶりが現れている)だが、まず例によってマスゴミのプロパガンダにあきれ果てた。12月から、この本を宣伝しまくっているのだ。全マスゴミがこの悪巧みに加担しているが、ここでは朝日の「印象操作」を見ていこう。

「美味しんぼ」雁屋さん、本で意見表明へ 原発描写巡り 2014年12月10日12時28分
http://www.asahi.com/articles/ASGDB3PZZGDBUCLV003.html
今年4月と5月に発売された週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)の作品に、鼻血と被曝(ひばく)を関連づける描写などがあり、福島県などが抗議をした。

ここには「県=体制、権力」が抗議した、「福島県民=権力が無い気の毒な市民、人民」は抗議していない、美味しんぼは権力と戦っている、という「印象操作」が行われているが、5月の騒動で誰よりも一番怒ったのは、オレラ「福島人、ネコ」だった。ここにはほんの一部だが、福島民友やTBS等に出た福島の人の怒り、不快感が記録してある。

NAVERまとめ「福島で鼻血」あなたはどう思う?美味しんぼの風評被害と問題点
http://matome.naver.jp/odai/2139892556386015201

結論で「言論封殺への危惧」を煽っている毎日新聞の社説でさえ、「中身には疑問があり、福島の人たちから怒りの声が上がっていることは理解できる。」と書いた。
社説:美味しんぼ 「鼻血」に疑問はあるが 毎日新聞 2014年05月15日 02時32分
http://mainichi.jp/opinion/news/20140515k0000m070146000c.html

朝日によってオレラは常に「いない」ことにされている。連中が取り上げる「福島の人」や「市民」は、「有馬理恵」の例で判るように「プロ市民」「中核派」の類だ。奴らは権力と戦う「正義」、ってわけだ。

そしてご丁寧にも発売直後にまた、「プロパガンダ」。
鼻血の描写「伝えたのは真実」 美味しんぼ原作者反論本 大西元博 2015年2月2日10時45分
http://www.asahi.com/articles/ASH217618H21UCVL00G.html
(前略)
福島に住むことも食べ物も安全とする「この国の神聖なタブーを破った極悪人扱いを受けた」と述懐。
放射線被曝(ひばく)との因果関係を「考えられない」と否定した環境省の見解に対して、福島県の地元住民の証言や研究者の調査などから「福島の環境であれば、鼻血を出す人はいる」。風評被害との指摘については、「私が伝えたのは真実です。『風評』ではありません」などと主張している。
 本の半分近くを割いて福島県の農業関係者や福島第一原発を訪ねた体験を紹介。その上で、内部被曝や低線量被曝が人体に与える影響について持論をつづった。


マンガ原作者が「人体に与える影響について持論」というのはワラうしかないが、この記事にも「印象操作」がある。

まず、「この国の神聖なタブー」とは何事か?オレラの行為=「福島に住む」が神聖なタブーだというのは、「スティグマタイズ」そのもので、雁屋の福島差別体質を見事に表している。

このブログを立ち上げた11年、福島に住み続けたオレラは「福島に人間は住めない」とする「反原発」、そればかりか「マスゴミ」によっても、散々脅され、イジメられた。これのどこが「神聖なタブー」なのか?まったく逆だ。自分の妄想が形勢不利になってきたから、「神聖なタブー」という「聖痕レッテル」貼りをして、自分たちが抑圧されているという「被害者面」を始めただけだ。反論されただけで「言論の自由が侵害された」と言い出すのと同じ、「幼児性」の一種にすぎない。ま、11年頃の「反原発なら何を行っても正義である=反原発無罪」の中で増長している内に、すっかり「守りに弱く」なったってわけだ。それだけ「反福島」の勢いが失せて来たってことだろう。だいたい、もし今の日本で「神聖なタブー」があるとすれば、それはいまだに多くの人が面と向かって言わない(言えない)、「原発賛成」だ。

そして例によって「環境省」=国との対立概念として置かれているのは、「福島県の地元住民」「福島県の農業関係者」だ。ここでも雁屋について「哀れな福島人民の味方をして、環境省=国家権力、と戦う正義の味方」という「印象操作」がなされている。しかし先に見たように、「その哀れな福島人民」は、国家権力ではなく、雁屋に対して激怒し、嫌悪している。これが事実だ。

この本が「遊幻舎」という雁屋自身の出版社から出たことは面白い。要するに自費出版みたいなものだ。雁屋は「出版社は、「遊幻舎」 小学館とは、全く無縁の会社なので・・・」と書いている(ブログhttp://kariyatetsu.com/blog/1717.php) 。しかしここまで書いて、なぜ「自分の会社だ」と書かないのかが、非常に不自然だ。「無縁の会社」などと回りくどい書き方をする理由は何か?マスゴミ各社も二回も宣伝しておきながら、これには全く触れていない。ところが、この「ストーカー本」の中身では、雁屋は5月の騒動で、小学館に抗議電話が殺到したのが原因で、小学館ではなく「自社」で出すハメになった、そしてその抗議は「プロ」によるものだ、としているらしい。中身にこんな「言い訳」を書いていること自体、どこぞの市民団体のアジビラ並みの低レベル廃棄物だが、しかし小学館なんて、儲かれば矛盾も何も気にせず出版するのが当然で(http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-169.html参照)、要するにもう「売れない」「賞味期限切れ」と見たのだろう。それに小学館としては、前回の騒動の時に「賛否両派の見解」を集めて特集ページを付け、「決着」をはかったいきさつがある。この部分は12月に出た「美味しんぼ」修正版単行本では省かれたので、このままで、雁屋の言い分だけを載せた本など出すわけがない。「プロ」による電凸攻撃なんて、そもそも「がれき忌避事件」の頃は「反原発」の得意技だったのだから、笑うしかないが、どんなに自分への攻撃が「プロ」からのものだと言い張っても、「アマチュア」の福島人が雁屋に怒り、嫌悪していることは事実だ。

(追記 2/18)
そして本日、またしても朝日の「雁屋ちょうちん記事」が出た。
(表現のまわりで)「鼻血問題」への思い 「美味しんぼ」原作者・雁屋哲さん 2015年2月18日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11606973.htmlこの記事でも、「印象操作」が行われている。(「無料会員」以外読めないところがあります。太字は記事からの引用)
ここではこの記事で、雁屋に対して抗議したり、賛同した人は誰なのか、についての「印象」を見るのだにゃ。

① 「抗議の電話がなりやまない」「雁屋さんがブログで反論するとさらに抗議が殺到した」「インターネットには信じがたい言葉で私を批判する言葉があふれましたが、福島の人を傷つけた、と言われたのはすごくショックでした」
という表現には、誰が抗議したのかが書いていない。「福島の人を」という表現は、他人を指す表現で、「福島県民ではない、外部の人間がそう言っている」という「印象」を示唆する。しかし抗議した者の中には「福島県民」が多数含まれていた。

② 「自身のブログには福島県民から「誰も言えないことを言ってくれた」「勇気がある」といった投稿が寄せられているという」という表現では、「福島県民」が登場し、雁屋に賛同、感謝していることが書いてある。しかし全国の「反原発」「放射脳」の方が多数賛同、感謝したはずである。

③ 「この問題では、安倍内閣の閣僚などからも、「根拠のない差別や偏見を助長する」「風評被害を招く」といった批判が続出した」
ここでは「国」が批判したことだけが書かれている。だが何より地元自治体が強く批判、抗議した。自治体は国と同じ権力だって?前にも書いたが、人口2500あまりの川内村の「権力」と、社員4640人で日本社会に大きな影響力と発信力を持つ朝日と、どっちが「権力」なのか?

結局この記事の中で「福島県民」は雁屋に「賛同、感謝した」ことしか書かれていない。①+②+③=雁屋を批判した人々は福島県民ではなく、外部の人間と安倍内閣である。福島県民は雁屋に賛同、感謝した、という「印象」になる。

オレラはいない。いつもだ。
あ~、記事の最後で雁屋は「議論しましょう」と、いかにも「冷静なインテリ」のようにほざいているが、誰に向かって言っているのか?議論なら専門家が喜んで受けるだろう。反論されたら「言論の自由の侵害」と叫ぶ輩が、どうやって議論するのかさっぱりわからんが、朝日の言う「人体に与える影響について持論」とやらで、たっぷりやるがいい。福島県民は雁屋によって、「福島の人は本当の事が発言できない」などと決めつけられて、挙句の果てには「次号を見たら発狂する」とまで言われた。論拠を欠いた「反原発感情」で福島を貶める雁屋が、追い詰められたら「議論しましょう」とは、鼻から「酪王カフェオレ」だ。

(追記2/18 ②)
ginco_silver さんの「まとめ」
朝日新聞 大西元博記者が書いた『雁屋哲氏の「鼻血問題」への思い』に対する反応
http://togetter.com/li/784718
ちなみに大西元博記者は、上杉隆に寄付している。
http://ameblo.jp/uesugitakashi/entry-11740294308.html


今、AMAZONで紛争が起こっている。
http://www.amazon.co.jp/%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%BC%E3%80%8C%E9%BC%BB%E8%A1%80%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%8D%E3%81%AB%E7%AD%94%E3%81%88%E3%82%8B-%E9%9B%81%E5%B1%8B-%E5%93%B2/dp/4990301986/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1423542139&sr=1-1&keywords=%E9%9B%81%E5%B1%8B%E5%93%B2
での「カスタマーレビュー」だ。「親福島有志連合」が「星1」のレビューを書き、これに対抗して「反原発正義軍」は、「星4」または「星5」のレビューを書く、という事態になっている。双方とも「読んだ 読まない」は争点にはなっておらず、レビューの中身は本の中身には全く触れていないものもある。まあ「有志連合」にとっては、こんな本買ったら雁屋のフトコロに金を投げ込むようなものなので、ほとんど買わずに書いたものだろう(何と「立ち読み」した、という強力な人もいる)。

しかし非常に面白いのは、「反原発」側も確実に買って読んだと思えるレビュー(具体的にどの部分が面白かった、感動した、ってな話)は少なく、読まなくても書けるような、相手を「原発推進派」と決めつける単純な政治的主張が目立つことだ。実際現時点(2/16 23:11)の33レビュー中、「AMAZONで購入を確認」が付いているものは、3しかない。この全てが「星5」だが、「星5または4」の雁屋に味方したレビューは15もあるのに、この状態なのである。もちろん他の本でも「AMAZONで購入を確認」が全部についているわけはないが、こんなに少ないのは珍しいのではないか。「アマゾンではなく、他の本屋で買った」というケースはあると思うが、この本は反原発にすら売れていない、ってことが推測できる。確認したわけではないが、一般論として、「AMAZONで購入を確認」がついていないレビューが多い本は、評価が低いものが多いのではないか。小学館はうまく逃げたものだ。

この紛争はHideta Fukushimaさんが、本の発売前に「星1」を書いたら、何故か掲載されたことから始まった。本来AMAZONのレビューは、発売前には載らないはずだが(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/07/news102.html 参照)、見事な奇襲攻撃、「電撃作戦」で、早野先生もツイートした程の鮮やかさだった。

そしてこの「戦場」の現況だが、現在(2/16 23:11)「有志連合」は優勢である。単純にはレビューの数で、「星1」=18 vs. 「星4+星5」=15 、平均評価2.7(均衡状態は3になる)だが、レビューは個人で一つ書けて、レビューの総数が現状の33では、一つのレビューの星が平均評価に大きく影響するので、集団(≒世の中、もちろんAMAZONカスタマーという条件は付くが)の「支持率」はそれ程は表せないだろう。より表しているのは、「参考になったか?」の「はい」vs.「いいえ」だ。

現在「星1」のレビューに対する、参考になりましたか?の答えの合計は
「はい」=2108 「いいえ」=1044
「星4」と「星5」に対しては
「はい」=780 「いいえ」=996
すなわち、我々「親福島有志連合」は、2108+996 vs. 1044+780 ≒ 63 vs. 37 で戦局を完全に優勢に進めている。
また全ての「星4」「星5」で、「参考になりましたか?はい」は50%を切っているが、「星1」では60%以上だ。

何よりも確実なことは、オレラ「福島人とその友人」は「多数派」になったということだ。これまで福島に散々風評加害してきた「反原発」と「放射脳」は、遂に「少数派」に転落した。数字で確認できたのは、これが初めてではないだろうか?

オレラはこれまで、朝日をはじめとするマスゴミには、「存在しないモノ」として扱われてきた。しかし今や完全に「主流派」、「大きな存在」である。

Hideta Fukushimaさんは実際にこの「ストーカー本」を買って、その中身を伝えてくれている。福島を思う気持ちがヒシヒシと伝わり、自分も頑張らなくては、という気にさせていただいた。ありがとうございます!以下はレビューからの引用。

著者は福島県の鼻血が統計学的に多いという学説があるかのように記述している。
その根拠として4点列挙している。

1)「双葉町民の健康状態について。2011年11月に、岡山大学、熊本学園大学、広島大学の研究者による合同プロジェクト班が疫学調査を行い」「双葉町、宮城県丸森町筆甫地区、滋賀県長浜市木之本町」「鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した」記述。

2)伊達市保原小学校の「健康だより」の「この一学期間に、保健室で気になったことが二つあります。一つ目は鼻血を出す子どもが多かったこと」という記述

3)デイズジャパン広河隆一のチェルノブイリ調査

4)2011年12月2日の参院震災復興特別委の参考人招致。”福島の住民が「自分の娘をはじめとして、周囲に鼻血症状訴える子供が非常に多かった」と証言”

(1)の調査は最終報告書が平成25年9月付けで出ている。「双葉町・丸森町ともに特に多かったのは鼻血」と結論づけているが、木之本町を対照群とした根拠は明示されていない。木之本町が特に全国平均に比して鼻血の極端に少ない地域である可能性があり、鼻血の論拠としては適さない。

(2)の「健康だより」本書にはブログへのリンクが2つ記載されているが現在リンクは切れていて確認できない。

(3)チェルノ調査を福島県で発生した、または現在発生している事象の根拠に使うのはおかしい。

(4)宍戸隆子さんの国会証言は国会会議録検索システムに公開されていて確認できる。
彼女が訴えているのは震災直後国の情報管理が失敗し、パニック状態で逃げ惑う福島県民の苦難と窮状である。
鼻血についての証言は、宍戸氏が避難した後、他の避難者に聞き取りをした内容についての言及だ。
宍戸氏の娘が震災前に比べて異常な鼻血を出したわけではないことが、原文から読める。
この国会証言では「鼻血」は避難者の身に発生した客観的事象ではなく、人々を避難に駆り立てた多くの主観的な不安要素の一つでしかない。

以上4点とも鼻血が客観的に増加している根拠としては適さない内容である。


ということで、雁屋の「被ばく鼻血」の根拠らしきものはこんな程度だが、補足しておくと、

(1)についてはhttp://togetter.com/li/669241 も参考になる。また前々回コメ欄に書いたが、 「信頼区間」が1を跨がないとは言え、随分と広い。「オッズ比 信頼区間が広い」でググった結果、
plaza.umin.ac.jp/phnet/shokyu3.ppt
http://sites.google.com/site/coffeetambe/coffeescience/medicalscience/epidemiology
での「にわか勉強」だが、要するに「精度が低い」。 結局つっこみ所が多すぎて、論文にできない。こんなもので「避難する勇気」って・・・確かに勇気が要りますな。逆にこんな調査結果もあった。
福岡の子供、福島の8倍も鼻血を出す? 小児科医が調査、理由は「わからない」
http://www.j-cast.com/2014/05/13204626.html
また、Hideta Fukusimaさんのツイ http://twitter.com/HidetaFukushima/status/381860534636654592 も参照。
仮説、前提部分を無視して比較すれば、「テロの増加によって人間の寿命が延びている」てな話も、数字で裏付けできそうだ。

(2)は http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/870.html に残っているが、モチロン被ばくが原因だという論拠はない。鼻血が多かったとしても、あの11年夏に窓を閉め切って授業をやっていたらば、鼻血が増えてもフシギではない。何より「被ばく鼻血デマ」には、常に被ばく線量の話が全く欠けているのである・・・

・・・こんなストーカー本のヘリクツは、これ以上マトモにとりあう気がしない。「被ばく鼻血」が実在するならば、なぜ福島第一原発が血の海にならないのか?原発廃止のために福島を利用しているだけだ。財を成しオーストラリアに住んで、自分の子どもにはよい教育を受けさせて、おめでたい限りだが、少しは福島の人のココロの傷を想像できないのかね~?

AMAZONでのこの本の「説明」は次のようになっている。
内容(「BOOK」データベースより)
福島を取材した主人公・山岡の鼻血の描写が国民的議論を巻き起こした漫画『美味しんぼ』。マスコミのみならず、自治体、はては首相まで乗り出して「風評被害」と責め立てたこの問題に、今こそ答えを出そう。


随分エラそうだが、ここにもモチロン朝日と同じ「印象操作」がある。「マスコミのみならず、自治体、はては首相まで」と書いて、雁屋はいかにも「権力と戦う」エライ人だが、雁屋に対して怒っているフツーの人のことが書いてない。例によってオレラは存在しないのだ。だが今やオレラは「多数」だ。

何が一番怒りを呼び起こすのかって?それは「第七章 福島の人たちよ、逃げる勇気を」だ。もうコンナノにエラそうに呼びかけられただけで、ムシズが走るにゃ。福島に住むオレラをバカにしている。おんつぁ、福島に関わるな!!!

だんだん言葉が荒れてきた。ここは一つ冷静な「放射線被曝の理科・社会」から引用だにゃ。

「美味しんぼ」最大の問題は「福島には住めない」の扇動(p70~)
 「美味しんぼ」には、科学的な根拠を示さずに上から目線で「福島県民はだまされている。真実を知らない」とあおる。傲岸不遜な態度が随所に見られます。最も問題なのは「福島には住めない」と声高に主張し、「危ないところから逃げる勇気を持て」と煽っていることです。このことが作者がもっとも言いたかったことであり、「放射線被曝で鼻血」は「福島には住めない」と言いたてるための手段にすぎません。放射性物質による汚染で長期間にわたって住民が帰還できない地域があることは事実ですが、福島県全域が「住めない」とレッテルを貼るのは、差別や風評を煽って被災者を苦しめる「加害」以外の何物でもありません。
 私も福島第一原発事故の後、調査などで何回か福島県を訪れましたし、福島に住み続けている方々の声を聞き本も読みました。そこでわかったことは、原発事故で放出された放射性物質と共存しながら暮らしていかざるを得ないというやっかいな状況に置かれてしまった福島県民の皆さんたちこそが、放射線や放射能について福島県外の人たちよりも学習し、科学的な判断にもとづいて住み続けるという選択をされている方が多いということです。福島の知人は「福島県民の中で自由民権運動の時、第二次大戦後に大きな自主学習運動があった。いま、福島県民は三度目の自主的な大学習運動に立ち上がっている」と話していました。私は「美味しんぼ」こそが、福島をまともに取材もせず、県民の声もきかず、科学的な根拠もないまま思い込みによって書き散らしていて、「真実をしらない」のだと考えています。
 福島原発事故がもたらした深刻な被害の中に、いわゆる震災関連死の問題があります。被災県の中で福島県が突出して多く、2014年2月末現在で1664人、5月には1700人を超えたということです。これほど多くの人々が避難途中、あるいは避難生活で命を落としており、今も犠牲者の数が増え続けています。このことは、避難にはきわめて多くのリスクが伴うということを示しています。しかし、「美味しんぼ」はこの重い事実を一顧だにしていません。根拠のない言説で不安をあおることは、そのこと自体が人びとに大きなストレスを与えます。私は「美味しんぼ」そのものが、福島県民に多大なストレスとリスクを与えていると思います。(児玉一八)

 
 児玉一八先生、清水修二先生、野口邦和先生、ありがとうございます。この本は、「美味しんぼ」の非道さを専門家たちが真っ向から批判した唯一の本だ。専門家が「たかがマンガ」とあなどってはいけないのだ。

本県、2211人の転出超 転入者は1288人増で全国トップ
http://www.minyu-net.com/news/news/0206/news10.html
 総務省が5日公表した2014年の人口移動報告によると、本県は、東京圏や宮城県などに引っ越す人が目立ち、2211人の転出超過だった。ただ、超過数は前年より2989人縮小。東日本大震災前の10年と比べても3541人減っている。
 本県からの転出者数は2万9267人。転出先は東京都が5710人で最も多く、次いで宮城県が4723人だった。東京圏の合計は1万3208人に上り、全体の45%を占めた。大学進学や就職が主な要因と見込まれ、県による人口減少対策では改善に向けた取り組みが課題となる。
 一方、本県への転入者は前年を1288人上回る2万7056人で、増加数は全国トップとなった。県外避難者が県内に戻る動きや復興需要の高まりを背景に働き手の流入が進んでいるためとみられる。
(2015年2月6日 福島民友ニュース)


福島人は学んでいる。

テロを肯定する気は全くない。しかし今、「マンガ」が世界で「不快感」「激怒」「憎悪」を招いている事は事実だ。いくら「言論の自由」「表現の自由」だのをエラソウに声高に叫んでも、相手の「不快感」「激怒」「憎悪」は消えない。福島も例外ではない。

73歳にもなって、残りの人生が「不快感」「激怒」「憎悪」の対象になった、哀れな老人の「ストーカー本」の巻、これにて終了。
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雁屋哲=ストーカー?&福島医大がNHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」に抗議 !

まんず「呪いテンプレート」やっどぐが。
朝日新聞「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」の「主婦 有馬理恵」は「俳優座の社会派女優&市民活動家」である これは「芝居」だ こんな臭い芝居に「日本新聞協会賞」を与えていいのか?これこそ「民主主義」とやらの危機ではないのか?

雁屋哲が「福島を愛している」だそうだ。

菊池誠
‏@kikumaco 雁屋哲が「福島を愛している」などと寝ぼけたことを言ってるみたいだけど、彼がやったのは福島の人たちへの差別でしょう。愛ではなく 4:46 - 2014年12月27日

石井孝明
‏@ishiitakaaki ↓なんで、美味しんぼの雁屋に共同は発言の機会を与えるのだ。批判的視点もなく。「誤解を受けるから修正した」と詭弁を許して。記者なら「うそつくんじゃない」と質問で突っ込め 4:12 - 2014年12月27日

http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014122501001237.html
この「修正」、何でマスゴミは「言論弾圧のせいだっ!」とか騒がないのかね~。

(追記だよ~)
http://twitter.com/rokugatsuyu/status/549526641047638016
roku1.jpg
さすが鋭い!雁屋は12年6月の新聞折り込み怪文書「福島が好き」と全く同じだ!この連中の同類だ。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-95.html 参照
http://web2.nazca.co.jp/hukusima1/hukusima3.pdf 「福島が好き、あなたが好きだから知ってほしい、だから伝えたいこと」 オエッ

失せろにゃ。
IMG_12772.jpg


前回エントリーで予感したように、26日放送のNHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」は呪い番組だった。これについて福島医大が抗議したので、とにかく「拡散」をはかっておくのだにゃ。 

http://fukushima-mimamori.jp/news/2014/12/000152.html
NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」について 2014年12月27日

2014年12月26日に放送されましたNHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」において、福島県立医科大学の甲状腺検査体制、取組みについて報道がありました。報道内容に県民の皆様の誤解を招きかねない点がございましたので、以下にご説明いたします。

甲状腺検査一次検査において、保護者の方が検査に立ち会うことが出来ない、との点について
 現在、甲状腺検査は小・中・高等学校に通われている皆様につきましては、学校を会場に実施しております。また、未就学児の方、高校を卒業された方については公共施設等の会場や本学と協定を結んだ医療機関にお越しいただいて実施しております。
 このうち、公共施設等や本学と協定を結んだ医療機関で行う検査では、未就学児の方が多いこともあり、保護者の方も一緒に検査ブースに入って検査を受けていただいております。学校で実施する検査については、担任の先生や養護教員の方が学年単位、クラス単位で引率、受診いただくことが多く、原則として保護者の方の立ち合いはございません。

結果通知の書式について
 番組の中でも触れられましたが、結果通知の書式については県民の皆さまのご意見、ご要望を伺い、これまで大きく3度変更しております。現在の書式では、のう胞や結節が一つか複数かと、それぞれの大まかなサイズをお知らせしています。また結果通知と併せて、のう胞や結節の特性やこれまでの検査結果等を判定別に解説したパンフレットを同封しております(A判定用、B及びC判定用)
なお超音波検査画像の取得については、手続きを簡素化しております。(超音波画像等の取得について) 

福島県外での受診について
 番組で、福島県外にお住まいの浪江町の方に福島県外の医療機関で検査が受けられることをご案内している場面がありますが、甲状腺検査対象者の方はどなたでも福島県外の医療機関(2014年12月26日現在92機関)で検査を受診いただけます。県外検査説明ページ

検査時間が3分ということについて
 検査時間を3分間にするという表現がありましたが、これは、「1回目の検査を2年半で終わらせるために割り出した時間」ではありません。あくまで検査に最低限必要な時間を検討した上で目安として挙げられたものです。検査時間に制限はありません。
 実際の検査時間は一人ひとり異なり、のう胞・結節(しこり)などの所見があるかないかによっても違ってきます。

地元医師会との連携について
 福島県医師会との連携および医師会に所属する開業医の方々を対象とした技術講習会は、福島県の協力要請を医師会がお受けいただいたことにより実現しているものです。講習を受講いただき、認定試験を経て、合格された医師の方を、福島県が認定しております。

福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センターでは、今後も皆さまのお声に耳を傾け、至らぬ点は改善しながら県民の皆さまと共にこの事業を推進し、長期にわたる健康の見守りを継続してまいります。


http://twitter.com/junkonakanishi1/status/548999446113951744
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中西準子
‏@junkonakanishi1 26日のNスペ「甲状腺不安」は、多くの人が不安を抱いている現状は理解できるが、その原因が福島県立医科大学の対応のまずさにあり、国がやるべきみたいな筋書きでできていることに驚き。医大から意見。http://fukushima-mimamori.jp/news/2014/12/000152.html …

https://twitter.com/hayano/status/548777768645705728
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ryugo hayano
‏@hayano 【福島県立医大:NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」について】 http://bit.ly/1465f7Y 「報道内容に県民の皆様の誤解を招きかねない点がございましたので、ご説明いたします。」保護者の立会い,結果通知の書式,検査時間3分,等
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ryugo hayanoさんがリツイート
Jem(ジェム) @Jem0211
· 12月27日
@hayano NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~ 被 ば く の 不 安 と ど う 向 き 合 う の か 」って、タイトルからしてミスリード誘ってると思う。良く理解してればA2判定なんて「な~んだ。普通か。」で受け流せます。(@PKAnzug 先生感謝です。)

NHKは不安の原因が福島医大の対応のまずさとしている?・・・一体次の事実をどう見るのか?

清水修二教授の「寄稿」~「県民健康管理調査」目的から「県民の不安の解消」を削除させたマスゴミ・「市民」等の罪
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-151.html

「県民健康調査」の目的には、最初は「県民の不安の解消」が含まれていた。しかしこれが「市民」「マスゴミ」デマゾノ、ヒノらの攻撃目標になり、結局13年4月に取り消すことになってしまった。「県民健康調査」は、不安の解消を目的に掲げれば「被ばくの影響なしという結論ありき」ではないかと攻撃され、今度は「不安の原因はオマエの対応のまずさだ」と言われる・・・バカも安見安見言え。全部マスゴミのマッチポンプじゃないか。

「県民健康調査」は、県民の不安を解消したらイケナイんだよ、あんたらマスゴミと「市民」が決めたことじゃないか。忘れたか、おんつぁ。

口汚くなっちゃったので、前回エントリーコメ欄より、清水修二先生のコメ引用(これは24日放送の「報捨て」についてですが)で終わります。

まるで県民健康調査を「権力の悪業」のようにとらえているかのようです。私が(今度出した本のなかで)「政治主義的な偏向」と呼んだ現象がここでも顕著に表れています。
 あるいはもしかしたらこれは単純な商業主義的動機から出た行動なのかもしれません。もしそうだとしたら、「福島を食い物にするのはもういい加減にしてくれ」と言いたいですね。
2014-12-26(15:45) : shimizu


参考図書
原発事故と放射線のリスク学 単行本 – 2014/3/14  中西準子 (著) 「福島で今、住民の健康に直接関係ある放射線リスクで残っている問題は、除染と甲状腺問題です。このリスクが高いのではありません。混乱して、皆が高いと思うようになっているのです。」

知ろうとすること。 (新潮文庫) 文庫 – 2014/9/27  早野 龍五 (著), 糸井 重里 (著) (「原子力・放射線」輝く一位!)

放射線被曝の理科・社会 単行本(ソフトカバー) – 2014/12/20
児玉 一八 (著), 清水 修二 (著), 野口 邦和 (著)  (8位上昇中!→一時間で6位に上がった!)


いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話 (単行本) 単行本 – 2014/3/15
菊池 誠 (著), 小峰 公子 (著), おかざき 真里 (イラスト) (9位、「防災」で5位!)

美味しんぼ事件:自分の故郷で他人の故郷を貶める准教授より 長距離走者に知性と心があった

しばらく忙しくて離れていたけど、あの鼻血バカマンガ騒ぎ、まだ続いているね~。問題はいろいろ拡散していったようだが、信夫山の生き物としては、バカバカしい「鼻血」以上に「福島はもう住めない」に怒りを感じたし、加害は深刻だと思ったのだにゃ。

その発言の主、福島大学荒木田岳准教授は、今回の美味しんぼが完結するまでは「コメントを控える」と言って、勿体つけていたが、結局は単に世の中の動向を見ようとしただけじゃね?

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140521-OYT1T50002.html
美味しんぼ登場の准教授「現状に心痛めている」 2014年05月21日 11時40分 読売新聞
 小学館の週刊漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味おいしんぼ」に実名で登場した福島大の荒木田岳准教授は20日、「世間の対立を激化させている現状に心を痛めている」とするコメントを発表した。
 荒木田准教授は「福島で仕事をし、暮らす中で、放射能問題について自分なりに考え、その問題解決のための活動に取り組んできた」とし、「数多くの貴重なご意見、ご批判についても真摯しんしに受け止め、引き続き福島の抱える課題に誠実に取り組んでいきたい」としている。
 荒木田准教授は作中で、「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」「福島はもう住めない、安全には暮らせない」などと語っている。


この具体的内容に乏しい、「通り一遍の挨拶」風コメント、連載完結後にしか言えないことではないと思うが・・・、結局福島人のあまりの怒りに対して、とりあえず「心を痛めている」なんぞと、「言ってみただけ」かね~。そして、

http://www.asahi.com/articles/DA3S11146623.html
福島には住めない発言、准教授「使わないで」 「美味しんぼ」編集部が拒否(朝日新聞)

 週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味しんぼ」(小学館)に登場する荒木田岳(たける)・福島大准教授が「除染しても福島には住めない」という自らの発言を作品で使わないよう求めたにもかかわらず、編集部が「作品は作者のもの」と応じずに発行したことがわかった。編集部が取材に事実関係を認めた。
 荒木田氏は12日発売号に載った「美味しんぼ」に実名で登場。「福島はもう住めない、安全には暮らせない」「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」などと述べた場面が描かれている。
 編集部によると、荒木田氏は2年前に原作者の雁屋哲氏らと出会い、取材を受けるようになった。体験や持論を伝えるなかで、こうした発言もした。
 だが、荒木田氏の関係者によると、昨年末に筋書きを知った荒木田氏は、福島全体が住めないと読者に受け取られるおそれから、「自分もここで暮らしており、使わないでほしい」と編集部側に要望。福島で暮らさざるを得ない県民感情に配慮した表現を求めた。
 これに対し、編集部は「作品は作者のもので登場人物のものではない」と説明。荒木田氏は「作品の中身の是非まで言う立場にない」と最終的に伝えたという。
 取材に対し、編集部は一連の事実関係を認め、「同じ土地に住んでいても個々人によって判断が異なり、それぞれが被曝(ひばく)について考えることがある。広く『福島』とする表現を作者が採用したことには意味があると考えた」としている。
 荒木田氏は20日、こうした経緯には触れず、「美味しんぼをめぐる議論が世間の対立を激化させている現状に心を痛めている」とする見解を公表した。(本田雅和)


「福島はもう住めない」断言から、随分腰が引けた「日和見」に見えるが、こんなことは連載第一回の時に本人が言うべきジャマイカ? そもそも「荒木田氏の関係者」って何?「言論の自由」を信奉する本人が、堂々主張するべきではないだろうか?「南相馬支局長」の本田記者が、なぜかこんな「管轄外」と思える記事を書いているのもフシギ(ってことは、「関係者」=「市民団体関係者」かいな?これなら管轄内だにゃ)。しかし、

http://www.j-cast.com/2014/05/21205350.html
「美味しんぼ」編集部、准教授の「発言載せないで」拒否報道で見解 2014/5/21 17:19
週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)の漫画「美味しんぼ」に登場する荒木田岳・福島大准教授が「除染しても福島は住めない」などとする自身の発言を作中で使わないよう求めたが、編集部がそれに応じずに発行したと2014年5月21日付の朝日新聞が報じた。
荒木田氏は5月12日発売号の「美味しんぼ」に実名で登場し、「福島はもう住めない、安全には暮らせない」「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」などと話す様子が描かれていた。この描写については福島県などが抗議していた。
朝日新聞の記事では、荒木田氏の関係者の話として、荒木田氏が、福島全体が住めないと読者に受け取られるおそれから、「自分もここで暮らしており、使わないでほしい」と編集部側に要望していたと伝えた。これに対し、編集部は「作品は作者のもので登場人物のものではない」と説明、荒木田氏も「作品の中身の是非まで言う立場にないい」と最終的に伝えたという。
この報道について問い合わせたところ、スピリッツ編集部は次のようにコメントした。
「原作をご覧いただいた時点で、荒木田先生が表現方法に懸念を示されたことは事実ですが、編集部の責任において掲載することについてはご了承いただきました。朝日新聞の記事にあるような、発言を使わないでほしいという先生からのご要望を編集部が拒否したという事実はございません。しかしながら、作品掲載の結果として先生にご迷惑をおかけしたことにつきましては誠に遺憾に存じております」


結局自ら承諾したのに、編集部に責任を押し付けようとした?デマ捏造だったってこと?得意の「内ゲバ」?ま、これが「表現の自由」だにゃ。とにかく編集部の見解は反対だ。こうなったら増々「関係者」なんぞではなく、本人が表に出て発言しなくてはならない。そして、

http://www.yomiuri.co.jp/local/ishikawa/news/20140528-OYTNT50447.html
「美味しんぼ」に登場 荒木田准教授が講演 2014年05月29日 読売新聞
 放射性物質による健康被害の描写を巡り、物議を醸した漫画「美味おいしんぼ」に実名で登場した福島大の荒木田岳准教授(44)(地方行政論)が28日、出身地の金沢市で講演し、「多様な考え方を抑圧する復興論が現地にはある」と強調した。
 荒木田准教授は「不安を表に出せないし、大丈夫かという懐疑的な発言は、表に出ない」とも語った。
 世間で除染が必要だと言われる前から除染を始めていたとし、「危ないのを知っているから除染はやりたくないが、みんなが安全だと言い、除染する人がいないのでやった」と語り、除染を試みると、周囲からは風評被害が起きるのでやめるよう言われたと振り返った。
 年間被曝ひばく線量については「震災前の基準で安全を判断すべき。被曝し続ける環境を変えていきたい」と述べた。
 荒木田准教授は、漫画中で「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと思います」などと発言していた。ただ、この日の講演では、漫画中の発言について「ノーコメント」とした。


やれやれ、マスゴミが「鼻血」「福島はもう住めない」を「言論の自由」問題にすり替えてきたが、今度はそれに乗るのだろうか。「多様な考え方を抑圧」って、どこの福島にそんな事実があるのか?氏の発言に怒ったら、それは「抑圧」なのか?氏の「抑圧」の定義は何か?全国で40万部も売れる漫画雑誌で、「福島はもう住めない」と発言できる状態で、どこが「抑圧されている」なのか?福島では「言論弾圧」がある?福島は遅れた独裁国家なのか?2011年後半に、よく中手聖一氏が叫んでいたヤツだが(8月10日=ZDFのクズ番組「フロンタール21」ドイツ国内放送日の翌日、中手聖一氏がドイツ・フライブルグ市で語ったこと 中手氏の「プロフィール」
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-41.html 参照)、よくもここまで福島をバカにできるものだ。しかも「この日の講演では、漫画中の発言について「ノーコメント」」ということだが、ここが肝心な問題だ。すべてがここから始まっている。避けることはできないはずだ。

一つ思ったことがある。

「現状に心痛め」「数多くの貴重なご意見、ご批判についても真摯に受け止め、引き続き福島の抱える課題に誠実に取り組んでいきたい」荒木田氏だが、残念ながら氏は今回の事件後、福島で人前に出てしゃべることはしていない。その代り氏は自分の「故郷」金沢に現れ、故郷の人の前で思いを語った。

このことから、人間にとって「故郷」とはいかに大切なものか、よくわかる。心が傷ついたら、帰る場所は「故郷」しかないのだ。

その「故郷」を荒木田氏の発言によって貶められ続ける、私たち福島残留者の気持ち、「最早帰る故郷は無い、そこには人間は住めない」と言われた避難者の気持ち・・・氏には想像できないのだろうか?故郷は荒木田氏だけにあるのではない。


「言論の自由」「表現の自由」は確かにある。しかし氏の発言によって福島人が怒り、傷ついた。この事実は「言論の自由」「表現の自由」があってもなくても変わらない。関係ない。シンプルな、しかし不変の「事実」として、人類滅亡の日まで語り継がれるだろう。

(福島大学側の悩みも深刻なのだろうか)
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あ~あ、地元の大学がこの状態では大変だ~(もちろん一部だろう。大部分の人々は福島復興のために頑張っていると思う)。

しかしちょっといい話を見つけたよ。「ぷんぷんモード」から脱出だにゃ。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140527/oth14052711210002-n1.htm
【思ふことあり】
風評被害に負けず走りたい スポーツジャーナリスト・増田明美
2014.5.27 11:21
 「シンサイも怖いものですが、ホンサイはもっと怖いです」に始まり「浜通りが元通りになるよう、皆で努力します」と締めくくったコメディアンで俳優、ケーシー高峰さんの代表スピーチに引き込まれた。

 5月中旬、東京都内のホテルで福島県いわき市の「いわき応援大使」の委嘱状交付式が催されたときのことである。大使は40人と1団体。いわきが故郷の人や、いわきと縁がある人たちばかりだ。私は毎年2月に開催される、いわきサンシャインマラソンにゲストランナーとして参加していることがご縁だった。

 この日、市長の清水敏男さんからは、より元気な“いわき”を作ろうと、各界の人の意見を聞く情熱が伝わってきた。思えば、地震、津波、原発事故と三重苦に見舞われている福島だが、それだけではない。最大の被害は風評被害だという。これほど人の心を傷つけるものはないのだ。
                 
 漫画「美味(おい)しんぼ」が話題になっている。私も読んでみたが、不安をあおる大げさな表現が目立つように思えた。例えば、「(圧力容器内の蒸気を抜くためのベントを行ったせいで)双葉町では爆発以前に毎時1590マイクロシーベルトを計測している。(中略)そうとは知らず避難最中、我々はその放射線を浴び続けた」「それはひどい」「むごすぎる」…と会話が続く。

  この表現を放射線の知識がない人が読むと、とんでもない被曝(ひばく)をしたと勘違いするだろう。避難する間ずっと1590マイクロシーベルトだったわけではないし、外を歩いて避難し続けたわけでもない。表記の仕方も1・59ミリシーベルトと書けばいいのに、数値が高い印象を植え付けようと1590マイクロシーベルトと書いたように感じた。

 参考までに、胸部CTの検査を1回受ければ、約7000マイクロシーベルトを被曝する。皆が慣れ親しんだ漫画内のキャラクターを使って自分の考え方を流布しようとしていることに怒りを覚える。

 福島では毎年11月に東日本女子駅伝が行われる。私は震災後も変わらず、秋になると、この駅伝に出向き、福島県内の中高生を取材しているが、選手や関係者から鼻血のことなど聞いたことがない。

 郡山市や福島市の小中学校でもときどき、子供たちと一緒に校庭で走る。どの学校にも放射線量を測るモニタリングポストが設置されているが、昨年10月に郡山の学校を訪れたときの数値は毎時0・136マイクロシーベルトで、パリのシャンゼリゼ通りと同じぐらいだった。ローマの市内では0・3~0・4マイクロシーベルトと聞く。

 なのにいまだに、「福島では子供たちが校庭で遊べずに運動不足でいる」などの言葉が躍っている。福島のテレビ局の友人が怒っていた。「運動会の映像を送ったら、東京のニュース担当が『マスクして競技している映像はないか』と言ってきた」と。

 不安をあおる一部のメディアの責任も大きい。自分の目で確かめてほしい。怖いと思ったら噂などをうのみにするのではなく、ちゃんと確かめてほしい。怖がるにしても「正しく怖がる」ことが大切だ。

 いわき応援大使の会、乾杯のあいさつで、テレビプロデューサーの石井ふく子さんは「先日、築地市場に出始めたメヒカリをいただいて涙が出ました」と。これからも私は子供たちと一緒に走る時間を増やしたい。風評被害なんかに負けずに「前に進もう」という思いを込めて走りたい。


増田明美さん、ありがとう。

風評加害が無くなるまで、福島は長距離走者なのかもしれないが、「孤独」じゃない。素晴らしい伴走者がいる。

美味しんぼ事件:山下俊一氏への「言論封殺」は容認した朝日・毎日が エラそうに「言論の自由」を説くフシギ

いや~、流れが早いにゃ、この「鼻血マンガ事件」。

明日の「発売日」を前に、もう最新号の中身は出ているし、事件の経緯はもうあちこちに出ているが、「不破雷蔵」さんの
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20140514-00035307/ が便利だね。

さて、「反原発=正義」バイアス、ドグマから逃れられない「愚者」、朝日新聞と毎日新聞が、己を顧みない「言論の自由」を楯にした、「これを議論の機会にしよう」的、バカ記事を掲げているにゃ~。ま、予想通りだが、どうして「被ばくで鼻血」「福島に人間は住めない」を、今頃議論しなければならないのか?

これにかこつけて、「被災した福島の事が、最近は取り上げられなくて忘れられている、今回のマンガはいい機会だ」などということが、まことしやかに言われるが、こんなバカみたいなハナシは、取り上げられなくて結構。忘れてもらった方がヨロシ。一見「中立」に見えるこういう言説の裏には、「フクシマが潰れかけていた3年前に時計の針を戻したい」といった、「反原発」の回帰志向があるに違いない。何しろ連中の「わが世の春」は2011年。あの時「反原発正義軍」には、その悪魔の願望=「福島人が被曝でがん死すれば、原発全廃が実現できる!」が、もう少しで成就するかに見えていたのだ。あの時連中はさぞかし「ワクワク」して、幸せだったに違いない。今回の「鼻血マンガ」事件は、その「回帰志向」が表面化したってことだ。

「反原発」とそれに味方するマスゴミは、この3年間「福島人には被ばくによる重大な健康被害がある」「福島は放射能で住めない、避難せよ」等と、ヒステリックに叫び続けている。原発事故当初は「鼻血」、「秋には原爆ぶらぶら病があふれる」、それが実現しないと「来年は発がん、白血病多発、奇形誕生」「福島の水面下で中絶増加」「3年後」「10年後に40万人ガン死」「子孫に遺伝」・・・挙句の果てに「低線量被ばくの影響はわからない」「わからないから予防原則で福島から避難せよ」「不安の解消をしてはならない、不安には寄り添うべきだ」(そしてまた「美味しんぼ」で「鼻血」から繰り返し)・・・・なぜこんな狂気じみた行為を続けるのか?それは連中の「福島を亡きものにすることによって、原発全廃が実現できる!」という「願望」のせいだ。「原発は悪だから、無くすにはどんな手段を使っても許される」という「正義」。連中は福島人が被ばく原因で死なないと原発廃止が実現しないので、困るのだ。この「願望」に異を唱える者には「国・東電の手先」「原発推進派」「御用学者」等とレッテル貼りし、「反原発」による風評被害を非難すると、「本当の敵=国・東電を攻撃しないのは工作員だ」などと言いだす。また「福島の人は抑圧されていて本当の事が言えない」と言いだす。プロ市民と自主避難者ばかりを「福島の人」にして広める。科学も論理も事実もへったくれもない、こんな「反原発ファシズム」が、「民主主義国」の「市民社会」で堂々と行われている。知性と教養あるはずの言論機関や「知識人」が、これを後押ししている。現代日本史上、最悪、最凶の事件であることは間違いない。

http://mainichi.jp/opinion/news/20140515k0000m070146000c.html
社説:美味しんぼ 「鼻血」に疑問はあるが 毎日新聞 2014年05月15日 02時32分
 「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に連載中の漫画「美味(おい)しんぼ」が物議を醸している。その中身には疑問があり、福島の人たちから怒りの声が上がっていることは理解できる。風評被害も心配だ。
 しかし、これに便乗して、原子力発電や放射線被害についての言論まで封じようとする動きが起きかねないことを危惧する。今後、どのように福島の人々の健康不安を払拭(ふっしょく)し、被災地の復興を進めていけばいいか、議論を冷静に深めたい。
 前号掲載では「美味しんぼ」の主人公が福島第1原発を訪れた後、鼻血を出す場面が描かれて議論を呼んだ。12日発売の今号では、実名で登場する福島県の前双葉町長が「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と発言。やはり実名で登場する福島大准教授は除染の経験を踏まえて「福島はもう住めない、安全には暮らせない」と話す。また、岩手県のがれきを受け入れて処理した大阪市内で、住民が健康被害を訴えたとする話も紹介されている。
 これに対して、福島県や環境省、岩手県、大阪府・市などは強く抗議した。風評被害を広げることや除染の効果は上がっていること、がれきの放射線量は基準値を大幅に下回るものであることを主張している。
 国連科学委員会の調査は、福島でがんや遺伝性疾患の増加は予想されないとしている。福島第1原発を取材で見学しただけで、放射線のために鼻血が出ることは考えがたい。しかし、長期間にわたる低線量被ばくが健康にどんな影響を及ぼすかについては十分には解明されていない。専門家の中には、心理的ストレスが免疫機能に影響を与えて、鼻血や倦怠(けんたい)感につながる可能性があると指摘する人もいる。
 この問題をきっかけにして、原発の安全性や放射線による健康被害を自由に議論すること自体をためらう風潮が起きることを懸念する。
 もともと、根拠のない「安全神話」のもと、原発政策が進められた結果が今回の事故につながった。「美味しんぼ」の中でも指摘されているが、事故後の放射性物質放出についての政府の情報公開のあり方は、厳しく批判されるべきだろう。また、汚染水はコントロール下にあるといった政府の姿勢が人々の不信感を招き、不安感につながっているのも確かだ。そして、低線量被ばくによる健康への影響については、これから長期にわたる追跡調査が必要だ。
 求められている論点は多くある。いずれも、感情的になったり、理性を失ったりしては議論が深まらない。絶えず冷静さを失わず、福島の人々とともに考えていきたい。

(だれがオマエなんかと共に考えるかよ 震災後福島で40%減の毎日新聞さんよ)

「これに便乗して、原子力発電や放射線被害についての言論まで封じようとする動きが起きかねないことを危惧する。」「原発の安全性や放射線による健康被害を自由に議論すること自体をためらう風潮が起きることを懸念する。」だって、へ?これで思い出したことがある。


山下俊一氏の「表現の自由」をマスゴミは護らず、リンチ黙認だった。

2011年には山下俊一氏が「健康被害を隠した」「これから被ばくで人が死ぬから殺人者」等として、広瀬隆から「告発」、原発告訴団から「告訴」を喰らっている。まだ誰も放射線障害で死んでいないのに、業務上過失致死で訴えられるという、明らかな「言いがかり」「言論封じ」で訴えられたのだ。

氏は学者であり、学問の自由、表現の自由、言論の自由がある。自分の専門家としての見方を述べたわけだが、これが「反原発」によって袋叩きにされたのだ。しかし氏の「笑っている人には放射線の害は来ない」は、免疫学から考えると正しい「可能性が十分ある」。「被ばくで鼻血」よりも遥かに可能性は高い。そして氏は「福島に住める」と言ったのであり、福島大学准教授荒木田氏の「福島に人間は住めない」とは、せいぜい「五分五分」だ。そして今、事実福島に人が住んでいる。山下氏は正しかった。

この「袋叩き」について、毎日新聞は「言論封殺」と指摘したのか?全くしていない。山下氏がリンチされている時、マスゴミは誰も味方せず、黙殺した。

この「社説」は、「感情的になったり、理性を失ったりしては議論が深まらない」と言うが、福島人の感情はどうでもいいらしい。雁屋は福島人が「発狂する」ということを想定して煽っているわけだが、なぜ我々だけが感情的になってはいけないのか?

もちろん朝日新聞も同じご都合主義、二枚舌ぶりを露呈した。

http://www.asahi.com/articles/ASG5D4W9FG5DUGTB00C.html?iref=comtop_6_06
「美味しんぼ」の描写に波紋 被曝で鼻血…抗議相次ぐ  2014年5月12日23時25分 朝日新聞
 週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味(おい)しんぼ」の東京電力福島第一原発事故をめぐる描写に対し、福島県や地元政界などが12日、発行元の小学館に相次いで抗議した。問題視するのは登場人物が放射線被曝(ひばく)と鼻血の因果関係を指摘したり、「福島に住んではいけない」と述べたりする場面。県内には風評被害への懸念が根強い一方、強まる抗議に「被曝への不安が口にしにくくなる」と心配する声もある。
 「福島県民の心情を全く顧みず深く傷つけ、農林水産業や観光業へ深刻な損失を与えかねない」「断固容認できず、極めて遺憾だ」
 福島県は12日、ホームページに載せた見解で、鼻血の描写などについて、小学館に対し強く抗議。「原発事故で放出された放射性物質に起因する直接的な健康被害が確認された例はない」とも指摘した。
 同日には政府のスポークスマンである菅義偉官房長官も会見で「住民の放射線被曝と鼻血に因果関係はないと、専門家の評価で明らかになっている」と断じた。自民党県連や民主党県議らでつくる会派も相次いで抗議声明を出した。
 騒ぎは大学にも飛び火。福島大准教授が12日発売号で除染の効果を否定したことに対し、中井勝己学長は「多方面に
迷惑と心配をおかけして大変遺憾。教職員には立場をよく理解して行動と発言をするよう注意喚起する」と談話を出した。
 一方、鼻血をめぐる発言をした福島県双葉町の井戸川克隆・前町長は9日の会見で「本当のことをしゃべっただけだ。県が慌てるのはおかしい」と語った。
 最新号の描写について、スピリッツ編集部は12日付のホームページで「行政や報道のあり方について議論を深める一助としたい」とコメント。また、19日発売の次号の特集ページで複数の識者の意見や抗議に対する見解を示すとしている。漫画の内容や表現を変える予定はないという。
 原作者の雁屋哲氏は、自らのブログで福島に関する作品が続くことを明らかにし、「取材などはそれから後にお考えになった方がよいと思います。書いた内容の責任はすべて私にあります」とコメントしている。(高橋尚之、根岸拓朗)
■「事実と思えない」「実情知る契機に」
 福島県民の受け止めは様々だ。
 福島市の学童保育指導員佐藤秀樹さん(47)は「放射線への不安は当然ある。それでも多くの人が県内で懸命に子育てをしている事実をどうみているのか」と首をかしげる。内部被曝検査や食品の放射線量をチェックすることで、被曝への不安は少しずつ和らいだ。「事実を積み重ねた表現とは思えない」という。
 これに対し、原発事故の刑事責任を問う原発告訴団長の武藤類子さんは「私も事故後、鼻血が出るとの訴えを耳にする。放射性物質の存在も事実だし、因果関係がないとは断定できないはず。鼻血の表現にこぞって大抗議をすることに違和感を覚える」と話した。
 ツイッターで批判の口火を切り、つぶやきが1万回以上リツイートされた郡山市の塾講師「順一」さん(32)は「主張を封じるのではなく、問題点を検証し、より多くの人に福島の実情を知ってもらうきっかけになれば」と話す。


「強まる抗議に「被曝への不安が口にしにくくなる」と心配する声もある。」
「原発告訴団長の武藤類子:鼻血の表現にこぞって大抗議をすることに違和感を覚える」だって?

へ?原発告訴団こそ、山下俊一氏を告訴して、「言論封殺」を図った張本人だ。朝日新聞も山下氏が「言論封殺」を喰らった時には何も言わず、よりによって封殺を図った「告訴団」に、「言論封殺」への危惧を言わせているという、メチャクチャぶりだ。

「福島原発告訴団」
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_10.html 参照。
ここに告訴された人々の名前が載っているが
山下 俊一 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長、日本甲状腺学会理事長)
神谷 研二 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長、広島大学原爆放射線医科学研究所長)
高村 昇 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)


となっていて、リンチされた学者は山下氏だけではない。朝日はどうして荒木田准教授についての学長の談話は、「言論への圧力」と印象操作し、こんな根も葉もない脅迫的「訴訟」については、何も言わないのか?

どうなっているのか?朝日新聞にも「学問の自由」「表現の自由」「言論の自由」を説く資格はない。皆無だ。

「反原発」には「言論の自由」「表現の自由」があり、「反原発」の意に沿わない人間には「言論の自由」「表現の自由」がない。これが「反原発正義」で思考停止した、惨めで危険な日本のマスゴミと「市民社会」だ。

そして朝日の「社説」。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11133529.html
(社説)美味しんぼ 「是非」争うより学ぼう 2014年5月14日05時00分
 週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)で30年以上連載されている「美味(おい)しんぼ」が、波紋を広げている。
 福島第一原発事故をテーマにした最近の2回分で、主人公が鼻血を出し放射線被曝(ひばく)と結びつけられたり、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと思う」との見解が述べられたりしている。
 実在の人物を絡めて表現されており、福島県や双葉町などが事実と異なるとして抗議や意見を表明した。
 私たちは社説で、低線量被曝の影響を軽視しないよう指摘する一方、できるだけ科学的な根拠や実測値、具体的な対策とともに議論すべきだとの立場をとってきた。漫画での描き方には疑問が残る。
 ただ、低線量被曝には未解明の部分が多い。今回のような健康被害に関する主張は事故後あちこちで見られてきた。それが広く関心を集める背景には、巨大な被害を招いた原発政策への怒りも反映していよう。
 ひとつの作品を取り上げて過剰に反応したり、大学の学長が教職員の言動を制限するような発言をしたりすることには、賛成できない。
 忘れてならないのは、福島の人こそ事故被害に苦しみ、無理解に怒り、不安と闘いながら日々暮らしていることだ。
 私たち一人ひとりが、「うそだ」「本当だ」と振り回されるのではなく、巷(ちまた)にあふれる情報から自分自身で納得できるものを選びとる力を養っていくことが大切だろう。
 福島県内ではこの3年で、十分とは言えないまでも外部被曝や内部被曝を検査する体制が整いつつあるが、受診率は高いとはいえない。現地で活動を続ける医者たちは「心配なら検査しよう」と呼びかけている。
 数値をどう見たらいいか、どうしたら無駄な被曝を避けられるか、勉強会や相談会、研修も開かれている。食べ物や水の検査も継続的に実施されてきており、健康への影響と関連づけられるほどに実際のデータも積み上がってきた。
 こうした経験知は人々が不安の根源に向き合い、どう対処すればいいかを考える手がかりになる。これらを福島から全国へと共有していきたい。
 小学館は19日発売の次号とホームページで、これまでの反響や複数の専門家の意見を特集するという。
 影響力の大きい人気漫画だけに、全国の読者に考える素材を提供し、議論を深める場になることを期待する。


「ひとつの作品を取り上げて過剰に反応したり、大学の学長が教職員の言動を制限するような発言をしたりすることには、賛成できない」だってさ。

ここでも「言論の自由」「表現の自由」の擁護者になりきっているが、こんなことをホザく朝日新聞は、山下氏の「言論封殺」は黙殺した。お見事な「ダブルスタンダード」だ。

「(私たちは)できるだけ科学的な根拠や実測値、具体的な対策とともに議論すべきだとの立場をとってきた。

まったく笑わせるフレーズだ。エラそうなことを言っているが、そもそも2012年にプロメテウスの罠で「放射能鼻血」騒ぎを煽ったのは朝日だ。これは前々回のエントリーに「週刊ポスト」の記事として取り上げたが、今回は池田信夫氏(のぶお、だよ。しのぶじゃないよ)のブログから引用しておく。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34244
メディアの大騒ぎが作り出す原発の「危険神話」
過剰報道が風評被害と2次災害を拡大する 2012.01.04(水) 池田 信夫
 たぶん誰かが勘違いしているのだろう。放射能による死者は1人も出ていないのに、その報道は2万人近い死者・行方不明を出した東日本大震災に劣らず大きい。
 特に過激な報道を続けているのは、朝日新聞である。10月から続いている「プロメテウスの罠」という連載は、毎日こんな記事が続く。

 東京都町田市の主婦、有馬理恵(39)のケース。6歳になる男の子が原発事故後、様子がおかしい。4カ月の間に鼻血が10回以上出た。30分近くも止まらず、シーツが真っ赤になった。近くの医師は「ただの鼻血です」と薬をくれた。 [中略]
 しかし、子どもにこんなことが起きるのは初めてのことだ。気持ちはすっきりしなかった。心配になって7月、知人から聞いてさいたま市の医師の肥田舜太郎(94)に電話した。肥田とは、JR北浦和駅近くの喫茶店で会った。
 「お母さん、落ち着いて」
 席に着くと、まずそういわれた。肥田は、広島原爆でも同じような症状が起きていたことを話した。放射能の影響あったのなら、これからは放射能の対策をとればいい。有馬はそう考え、やっと落ち着いた。

 原発から約250キロ離れた町田市で子供が鼻血を出した原因が放射能であることは、現代の科学では考えられない。事実この記事も、後の方で申し訳のように「こうした症状が原発事故と関係があるかどうかは不明だ」と書いているが、全体としては「本当は関係があるのだが証明できない」と匂わせる印象操作だ。


毎日の社説については、元毎日新聞福島支局長の斗ヶ沢さんが鋭い指摘をしていた。

斗ヶ沢秀俊 ‏@hidetoga · 5月16日
「低線量被ばくの影響が十分には解明されていない」の後に、「低線量被ばくで鼻血が起こりうると主張する人もいる」とでも書くならともかく、「心理的ストレスが免疫機能に影響を与えて」なら、低線量被ばくの影響ではないということです。論理になっていません。


これは「ゲラゲラ」だにゃ。社説が○カ丸出し。

斗ヶ沢秀俊 ‏@hidetoga · 5月16日
「絶えず冷静さを失わず、福島の人々とともに考えていきたい」とまとめていますが、社説は「美味しんぼへの批判はあまりしないほうがよい」と主張していると受け止められても仕方がないでしょう。科学的根拠の欠如、福島県の方々の被った迷惑、不快感こそを重視しなければならないと私は考えます。

斗ヶ沢秀俊 ‏@hidetoga · 5月16日
官庁・公共機関:事実上の圧力 意に沿わぬ報道に「見解」や「反論」http://mainichi.jp/shimen/news/20140512ddm004040077000c.html … この毎日新聞記事にも、同様の問題があると私は考えます。テレ朝「報道ステーション」番組について、福島県立医大や環境省が反論したことを「事実上の圧力」と問題視しています。

これは「日野記事」の事だね~。しかし「言論の自由」を楯に、何の規制も無しでやりたい放題のマスゴミこそ圧力だ。大体「行政の圧力」と言うが、川内村なんて人口僅か2577。それがこうして切実な声をあげている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140515-00000010-fminpo-l07
川内村が小学館に抗議文 美味しんぼ問題 福島民報 5月15日(木)9時42分配信
 小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味(おい)しんぼ」に、除染の効果などを疑問視し「福島に住んではいけない」などとする描写があったことを受け、福島県川内村は14日、小学館に抗議文を送った。
 東京電力福島第一原発事故により、同村の村民の多くが避難したが、村は平成24年1月に帰村宣言をしている。抗議文では「(村全体の)約半数の村民が戻って生活を再開している中、根拠もなく福島には住めないとは不適切な表現」と訴えた。
 その上で「(福島には住めないとした)健康被害については科学的・医学的検証に基づき表現すべき」と指摘した。今回、問題となった描写全体について「風評被害を広げ、被災者同士の分断を招く極めて不適切かつ不愉快な表現」とした。


一方毎日新聞社は2900人超、グループ連結では6600人超だ。どっちが「権力」だよ?
毎日新聞は震災後の福島で40%減、福島で総スカンだよ(しつこいか~)。

そして
中西準子 ‏@junkonakanishi1 · 5月16日
@hidetoga 私もそう思います。役所も企業も、どんどん反論していいと思います。どうして、それを圧力と言うのか、よく分からない。役所に対して、言いたい放題言っているではありませんか。


「福島民報」論説
http://www.minpo.jp/news/detail/2014051415643
【風評との闘い】応援団はずっといる(5月14日)
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被害からの復興を目指す本県への支援が続く。キャロライン・ケネディ駐日米大使は14、15の両日、復興状況視察のため来県する。埼玉県は福島応援キャンペーンを展開する。漫画「美味[おい]しんぼ」による風評被害助長が懸念される中、福島を支える動きは力強さを増している。県民と思いをともにする全国の支援者との一体感を強め、前進していきたい。
 ケネディ大使の来県は就任後初となる。福島第一原発を訪れ、楢葉町の沖合に設置されている浮体式洋上風力発電所を見学する。廃炉、再生可能エネルギー産業育成に向けて米国の協力を得る上で、大使の両施設視察は極めて意義がある。国内外で知名度のある大使の本県訪問自体が、福島の安全性発信に大きな力となってくれるはずだ。
 埼玉県の応援キャンペーンは、これまでの福島支援の取り組みをさらに拡大する。上田清司知事が音頭を取って福島への旅行を呼び掛け、埼玉県庁職員食堂での福島県産食材メニューの提供、福島産品販売などを行う。「福島県を助けることが埼玉県民の心意気」との上田知事の言葉は、福島県に注がれる温かな視線を実感させてくれる。
 一方で、小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味しんぼ」の問題は残念であり、腹立たしい。4月28日発売号で主人公らが第一原発を訪れた後に鼻血を出す場面が描かれ、元双葉町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と発言している。原発事故と鼻血にあたかも関係があるかのような印象を与える。双葉町は「大勢いる事実はない」と元町長の言葉を否定、小学館に抗議文を送った。
 5月12日発売号では元町長が鼻血の原因を「被ばくしたからですよ」とし、福島大准教授は「除染をしても汚染は取れない」と話している。
 個人的見解を取り上げたことで、本県の実情が誤って伝わる恐れが生じている。復興への努力を台無しにしかねない。風評という暗黒の海に投げ出され、光の見える海面近くまで懸命に浮き上がってきたところを金づちでたたかれたようなものだ。12日に県が科学的な根拠を示して反証し、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れたのは当然だ。
 そもそも作品の意図が分からない。編集部は議論を深めるためと説明する。県民と支援者の心を傷つけ、復興に使うべき貴重な時間と労力を抗議や反論のために浪費させて何が議論か。(佐藤 研一)
( 2014/05/14 08:35 カテゴリー:論説 )


そう、応援団はいる。

ダニエル・カール ‏@DanielKahl · 5月3日
オラ、東北(特に岩手や福島の被災地)を回ってみて来た結論か。放射線の騒ぎは「急須の中の台風」だと本気で思っている。今までこれほどのマスコミの作り話見た事ない。54才になってもだよ。やっぱデマで儲かろうとしているというのか、騒ぐのが楽しいなのか、どっちも多過ぎ。

Shoko Egawa ‏@amneris84 · 5月13日
福島の人たちは、東電と国によって十分ひどい目に遭っているのに、さらにデマ情報と「あなたの言葉」によって苦しみの追い打ちをするのか、ということを、少し考えた方がいいと思うよ。

吉村作治 @SakujiYoshimura · 5月15日
『美味しんぼ』の表現が問題になっています。私も読んでみて「ひどいなあ」「福島の人はどう思うだろう」と心を痛めました。しかも、それらが全く科学的根拠もなく事実でもないと知った時、悲しさが怒りに変わりました。表現の自由を超えたものです。人が人を思いやれず思ったままを描いてはダメです。

糸井 重里 ‏@itoi_shigesato · 5月13日
また言わなくてはならなくなった。ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。

糸井 重里 ‏@itoi_shigesato · 5月13日
三年間も、安全を証明するためにデータを集めたのではない。事実を事実として確かめて、どうするのがいいのかを指し示そうとデータを集めてきた人がいるのだ。その積み重ねを無いことにして騒ぎ立てる人たちがいる。ぼくには、そう見える。


http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/05/18/0006969909.shtml
テリー伊藤「美味しんぼ」を痛烈批判 2014年5月18日
「決定的に、福島に住んではならないという言葉。この言葉は、今現在福島で、汚染には関係ない方もいるわけで、そこに関しての配慮がないなと」と、批判の言葉を続けた。


さてと、酪王カフェオレ飲んで少しずつ前進だにゃ。野犬に全速で体当たりした、ベイカーズフィールドのネコさんのようにはいかないけどね。必ず歴史が裁くよ。

5/12 福島県が「風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾」と表明 小学館の「質問」は福島をバカにしているにゃ

遂に県も声をあげたね~。「風評加害」に対して初めてって感じがするけど、とりあえずココに貼りつけておくのだにゃ。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01010d/20140512.html
週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について

平成26年5月12日
福島県       

 週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。

 「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

 県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。

 また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

 このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

 「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

 また、これまでの経過を次のとおり併せてご報告させていただきます。

 4月30日に出版社より本県に対して、「[5月19日発売号]において、漫画の誌面では掲載しきれなかった様々な意見を紹介する検証記事を掲載する」として、次の3点に関する取材又は文書回答を求める依頼があり、さらに、5月1日には[5月12日発売号]に掲載する「美味しんぼ」原稿の送付がありました。

(出版社から取材依頼のあった事項)
・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
・「美味しんぼ」の内容についての意見

 本県においては、上記に対して5月7日に出版社あて以下のとおり県の見解を示し、申し入れしております。

■出版社へ申し入れした内容
「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号における 「美味しんぼ」について

(以下PDFファイル)
「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」において表現されている主な内容について本県の見解をお示しします。まず、登場人物が放射線の影響により鼻血が出るとありますが、高線量の被ばくがあった場合、血小板減少により、日常的に刺激を受けやすい歯茎や腸管からの出血や皮下出血とともに鼻血が起こりますが、県内外に避難されている方も含め一般住民は、このような急性放射線症が出るような被ばくはしておりません。また、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書(4 月2 日公表)においても、今回の事故による被ばくは、こうした影響が現れる線量からははるかに低いとされております。

また、「除染をしても汚染は取れない」との表現がありますが、本県では、安全・安心な暮らしを取り戻すため、国、市町村、県が連携して、除染の推進による環境回復に最優先で取り組んでおります。その結果、平成23年8月末から平成25年8月末までの2年間で除染を実施した施設等において、除染や物理的減衰などにより、60%以上の着実な空間線量率の低減が見られています。除染の進捗やインフラの整備などにより、避難区域の一部解除もなされています。

 さらに、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんてできない」との表現がありますが、世界保健機構(WHO)の公表では「被ばく線量が最も高かった地域の外側では、福島県においても、がんの罹患のリスクの増加は小さく、がん発生の自然のばらつきを越える発生は予測されない」としており、また、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書においても、福島第一原発事故の放射線被ばくによる急性の健康影響はなく、また一般住民や大多数の原発従事者において、将来にも被ばくによる健康影響の増加は予想されない、との影響評価が示されています。「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とされますよう、強く申し入れます。

今後も本県の正確な情報の発信に努めながら、復興に向けて全力で取り組んでまいります。


というわけだ。お役所的「冷静」が漂うけど、この状況ではそれもヨシだにゃ(「言論・表現の自由ガー」を警戒すべし)。今気が付いたことを少々。

①小学館の県に対する「取材依頼」が超ワラだね~。
1:「「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか」
って質問だが、「同様の症状」ってナニ?鼻血と疲労感ならゴマンといる。自分で探せ。問題はそれが事故後福島(在住、滞在等)で多発か、ってことじゃないの?こんなズサンな質問が「取材」なのか?「他に」って、井戸川と雁屋の他にってことか?「他に知っている」と答えたら、「美味しんぼは正しい」とでも言うつもりか?とにかく編集部が「やっている」とホザいた「綿密な取材」でないことは明らか。このバカバカしい「取材」に、さすがに県も答えていない。

2:「鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。」
小学館は、福島に原爆が落ちたと思っていたらしい。これが文章で食っている会社のレベルか?オソマツ。

とにかく小学館に「危機意識」が全く見えない。真剣になっていない。福島県民をバカにしているとしか思えない。

と書いたら更に奇妙ことに気づいた。スピリッツHPからの「言い訳」へのリンクが消えている。
「言い訳」はこれ
http://spi-net.jp/spi20140428.html 「綿密な取材」の証拠を消すな。

と思ったら新「言い訳」登場
http://spi-net.jp/spi20140512.html
また先送りして、炎上商法を続ける気か?結局福島を利用して儲けるつもりだな。

恐らく最終回は見せかけの「両論併記」でゴマカスつもりだろうが、最後の中身がどうであろうと(もう完成しているはずだ)、このストリップティーズのようなやり方は、道義的に許されるものではない。苦しんでいる被災地・被災者を利用した、汚い金儲けでしかない。

菊池誠 ‏@kikumaco · 1時間
@kaliuki @spiritsofficial なんか「いろんな意見があります」で逃げ切るつもりなのかなあと思いますが、さすがに今回のはそうはいかないのではないかな。それぞれの論点について、編集部の見解を出さないと収まらないと思う。


kikumacoさんのおっしゃる通り、「両論併記」と言っても、社会的影響力がある大出版社が、こんなトンデモ説を取り上げるからには、それなりの論拠が問われる。既に極論を大きく取り上げていて、本当の「併記」にはならず、「被ばくで鼻血」「福島は汚染されていて住めない」という印象が拡大されて広がった。そして双葉町への電凸に見られるように、すでに具体的な被害が出ている。ここまでに抗議するために、被災地の町職員、県庁職員が費やした労力は莫大なものだ。

新たな「言い訳」では、盛んに「断定していない」というが、この「断定していない=わからない→非常に危険な可能性がゼロではないという印象で脅される」が、前エントリーのコメ欄でSHIMIZUさんが書いていたように、「風評加害」そのもの、本質である。そもそも厳密・完全な断定など、稀有な存在だ。福島の問題を、宇宙人やネス湖の恐竜と同じにしたいのか?ここはそんなエンターテインメントを外から見て楽しむ場ではない。

何よりこの「福島の真実」連載開始以来4週間、福島人の心につけられた傷は、例え最後になって「どちらかわからないので議論しましょう」などと言っても、消えるものではない。この間に新たに「福島に人間が住めない可能性がある」という印象が広がり、差別を助長した。このまま「両論併記」「議論しましょう」に持ち込んだところで、断定しないのだからその印象は消えず、むしろ拡大する可能性がある。そもそも「被ばく鼻血デマ」は、その多くの不合理性によって、フェイドアウトしかけていたものだ。「福島に人間が住めない」も、荒木田氏は11年秋のアタマの中身で言い続けているが、今や空間線量が下がり、内部被曝データも出て、「自主避難者」が帰ってくるような状況なのだ。それを「現地の様々な声を伝える機会が減っている」などという「免罪符」を付けて、「復活」させる理由は何か?「断定していない」では済まない。「危険だという印象を拡大した」のである。被災者がただただ翻弄され、愚弄され、儲かったのは小学館だけということだ。その責任は極めて重大であることを、次号を前に予測混じりで今から指摘しておく。


②県の「申し入れ」
「除染をしても汚染は取れない」との表現、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんてできない」との表現、ってのは、このマンガの中で福島大学行政社会学部准教授 荒木田岳氏が

荒木田 「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された。と私は判断しています。」
       「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います。」
海原 「これが福島の真実なのだ。」

と言った部分か。http://onecall2ch.com/archives/7248867.html 参照

結果的に双葉町は対「イドガー」、県は対「荒木田」になったようだ。どちらも福島県民ってのがトホホで哀しいが、モチロン彼らは「福島県民の代表」ではない。

なお荒木田氏の所属するFGF=福島大学原発災害支援フォーラム関係は、このブログでも過去にいくつか取り上げていた。荒木田氏は『週刊朝日』(2011年11月4日号)から、同じことを言い続けているようだが、そろそろ「更新」はできないのだろうか。「福島大学准教授」のこういう発言で、ガックリした福島県人は多いと思うのだが。

米国から福島に「トモダチ作戦」 しかし福島大学では「反原発」の「オルグ」 それを取り上げた毎日新聞って?
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-89.html
「山下俊一氏解任署名」の結果はたったの6607 解任は不可能
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-38.html
「経済学史学会大会」 福島大学での開催中止ってバッカじゃなかろか?頑張れ福島大学!http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-67.html
「頑張れ」と書いたが、「福島大学放射線副読本研究会」は頑張らなくていいにゃ
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-74.html

「北九州市瓦礫持ち込み反対運動」で「中核派」が「犯行声明」
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-91.html
「福島人権宣言」がボコボコだから「福島ネコ権宣言」に変えてみたよ
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-118.html


大阪も声をあげたね~。
http://www.pref.osaka.lg.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/comic.html
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=16432


本日の福島民報「対イドガー作戦」がステキだにゃ。
http://twitter.com/pinwheel007/status/465644640545161216
あふらん
‏@pinwheel007 【福島民報5月12日】中年以上の方に多いのですが、・・・圧迫しても止まらないことがあります。耳鼻科医の専門的な処置が必要なことも。(鼻血は)ティッシュを丸めて入れるのは思いの外硬くなるのため、かえって鼻を傷つける可能性があります。


参考:「ぬまゆ」化しつつある?井戸川氏
http://www.yukawanet.com/archives/4674351.html
自撮りじゃないけど、カメラマンと同居中なのだろ~か?
プロフィール

shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 2011年3月の原発事故以後、ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れました。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民もネコも「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしていました。(←しばらくすると連中の嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきましたが。)
 この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう「喜びの」心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段に利用することに断固反対です。もし根拠がない数字や説の拡散による自殺とかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ。そんな日の為にも、今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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