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「サンチャイルド事件」の「闇」(3) その後の奇妙な報道&「黒幕」赤坂憲雄氏の「秋の太陽祭り」 

(固定された呼びかけ)
Ⅰ:朝日新聞2011年12月2日朝刊「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」(前田基行)の主人公「町田市の主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&日本共産党系活動家」です。TVにも出ています。完全に「フェイクニュース」です。動かぬ証拠があります(リンク先エントリーの②を読んでください)。
有馬理恵主演CM「ハインツ・パスタ 牛肉とイベリコ豚の粗挽きボロネーゼ fitness class編」
https://www.youtube.com/watch?v=ARRA7cxE8jw 朝日新聞よ、どうしてこの人が「主婦」なのか?

Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無い(=被ばく量と関係ない)ことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)

Ⅲ:カタカナの「フクシマ」が「福島はヒロシマと同じ核による惨禍の土地」という誤ったイメージを植え付け、差別につながるレッテルであると、脚本家の倉本聰さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらも指摘しています。山梨学院大学の小菅信子教授は、著書「放射能とナショナリズム」で、「フクシマ」は「福島をエネルギー植民地から反原発の聖地として再植民地化して支配するための名づけ直しだった」と指摘しています。「フクシマ」使用に反対します。

Ⅳ:立憲民主党が、これまで散々デマで福島を苦しめてきた「おしどりマコ」を来年の参議院選候補に擁立しました。この事件の経緯は「ポストさんてん日記 立憲民主党公認、おしどりマコ問題のまとめ」をご覧ください。「おしどり」の国会議員にふさわしくない「デマ発信」等の一部は、本ブログの以下のエントリーにもあります。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-73.html
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-79.html
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-216.htm
菊池誠さんはこの問題について、毎日立憲民主党に質問していますが、党は無視、沈黙したままです。
https://twitter.com/kikumaco/status/1067210655831220224
#おしどりマコ擁立問題
公党の「福島をデマで苦しめる候補の擁立」に反対します。なお、6月の「新潟知事選挙」の池田ちかこ候補(野党統一)応援で、「フクシマで子どもに被ばく鼻血が出たので自主避難した」という「デマ」を公言していた自主避難者の演説は、未だに立憲民主党公式チャンネルに残され、デマを広めています。

いやはや、11月に入っても、サンチャイルド事件報道は終わらない。死したサンチャイルドが報道走らせる、だにゃ。「撤去後」は正確には「ニュース」はないが、「論評」が増えている。ゲージツ的な意味(マスゴミには「被ばく鼻血」と同じ陳腐な「表現のジユー」しかなかったのが、ようやく「公共芸術」問題に到達)から、社会・政治的意味を問う段階にシフトしてきたのか?最初からオレが言っていること以外に事実も議題も無いがね。「ジャーナリスト」なら「闇」まで到達しなきゃ失格よん。

前回エントリー以後の報道
11/10毎日新聞 「論点」サンチャイルド
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ここでは右側にある東北大教授の五十嵐太郎氏のコメントがアレ関連だった。「必ずしも多くの人眼に触れる場所ではなかった」、「本気で人々に勇気を与えようとした彼の作品」、と庇っているが、五十嵐氏も(渡邊晃一氏と同じく)、アレを「あいちトリエンナーレ2013」に招へいした「インサイダー」であるから、当然の自己弁護コメントだ。これはもはや、「賛否両論」すらやらなくなった新聞紙のなれの果てだ。「抽象的な作風でないため(市長は「抽象的」と言ってましたぜ)、(中略)原発容認派からは「非科学的なプロパガンダ」、反原発派からは「脱原発の象徴」とみなされた。」は、全く粗雑な二分法で、「歴史修正」を狙った悪質な言説に見える。何よりも、「非科学的なプロパガンダ」とみなした人々が「原発容認派」ならば、誰よりも早く最良の撤去決議を敢行した「日本共産党福島市議団」は、「原発容認派」になってしまうではないか。バカバカしい。多数を占めた「気持ち悪い」から撤去してくれ」って人は「原発容認」なのか?全くインチキでイイカゲンな「チシキジン」様だ。
「特に市長が設置に関わったことで政治あるいは原発を巡るイデオロギー闘争に巻き込まれたように思われる」と言うが、一体市長が関わらないで、福島市のパブリック・アートになる方法があるのか?アレがイデオロギー闘争になった部分は、市長ではなく、「基金」とのかかわり、すなわち、その「黒幕」赤坂氏の「脱原発ユートピア思想」との関わりである。そして何よりも、五十嵐氏のこれらの「誤解」あるいは「恣意的理解」こそ、サンチャイルドがいかに「決めつけ」と「風評被害」を生み出す「反原発ファースト」の象徴であるかを、よく表していた。
https://twitter.com/loufock/status/1061572690228633600
loufock‏ @loufock
毎日新聞で、五十嵐太郎が、サン・チャイルド反対派=原発容認派としていますが、私がサン・チャイルドの設置に反対なのは、「原発容認派」だからではなく、あれは間違ったステレオタイプの押し付けであるという理由からです。
2:53 - 2018年11月11日


11/14 NHK福島「はまなかあいづ」(18時台「サンチャイルド問題の今」)
https://www.youtube.com/watch?v=FZulJ6mXT3E
https://twitter.com/endo_noah/status/1061984389473529856 
これは6分半という異例の長さの「ニュース」だった。内容は酷いモノで、ほとんどフェイクニュースに近い。

前半の3分以上は12日に「ビエンナーレ」に参加した「現代美術」の、「後頭部顔面生サンチャイルド」が、旧国道四号線を走っていた。ブキミだったというのが、偽らざる感想。パフォーマーの若木くるみ氏は、「あったものがなくなる」サンチャイルド撤去に、憤りを感じたと言う。しかしあれは「もともとあったもの」ではない、「市長が赤坂氏らの思想に乗せられて、無かったものを独断で置いた」のである。ここを未だに理解できていない人の「誤解」をそのままNHKが放送することには問題がある。これもまた「サンチャイルド」がいかに「誤解」や「風評被害」を生み出す危険に満ちたモノかを表していた。

http://wakakidorikeikaku.blogspot.com/2018/11/nhk.html
には若木氏の「ビエンナーレ参加」のいきさつが出ている。「『自分がサンチャイルドになる』という凶行を思いつくに至りました。」ということで、やはり「凶行」なのだ。また、これによると若木氏は当日まで、取材があることは知らなかった。ヤノベ氏らがマスゴミを呼んで、「ニュース」を「プロデュース」したのだろう。「市民と話し合い」だけではTVニュースにならないので、「生サンチャイルド」を「テレビ向け演出」に使ったのと思われる。現実にこうでもしなければ、ヤノベ氏の約束「市民との話し合い」実行の証拠は無くなってしまうわけだが、それにしてもコレは、彼らの「マスゴミ受け狙い」体質をよく表現している。この「カフェ」ですら、ヤノベ氏→福島大学某→「カフェ主催者」という経路で、急遽「ヤノベ氏が市民と話をしたい」と頼まれ、カフェは予定を変更して実現にこぎつけたのである。「やらせ」だらけの「ニュース」だった。ちなみにこの「アリバイ作り」を報じたのは、NHK福島と福島民報だった。

後半は同日に行われた「てつがくカフェ」にヤノベ氏や渡邊晃一氏が参加して、「ヤノベ氏が約束通り市民と話し合いをした」だった。NHKの「カフェ」参加者インタビューがスゴかった
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この人は映像・画像から判断できるが、前回エントリーでとりあげた「はまなかあいづ」のインタビューで2番目に登場した人だ。「公共放送NHK」として、こんなに同じ人ばかりに偏った人選、内容でいいのか?他にしゃべる人がいなかったというのか?この人(佐藤氏)のブログはhttp://fullchin.jp/diary/d.html で、サンチャイルドについて一大記録を作るつもりのようだ。そして、「カフェ」では確かにしゃべりまくったらしい。http://fullchin.jp/diary/d.html#06 によれば、「サンチャイルド事件に関して、こむこむ館へアンケート110通の情報公開請求を提出」とのこと。また、「サンチャイルド再建立」を目指しているらしい。どうせなら「闇」まで到達されんことを期待する。なお、このブログによれば、カフェ会場は市民どころかマスゴミだらけで、中でも「はまなか~」のキャスター吾妻謙氏が、「サンチャイルド報道」に力をいれているそうだ。これまでもよくあったが、大マスゴミであっても、所詮はそこに働く個人のポリティックス、思想、嗜好、偏見、人脈等が、報道内容を左右する。所詮は「個人商店」の集合体のような側面がある。
https://www.imgrumweb.com/post/BqBKwIPA1-E
昨日、こむこむの前で変なものを目撃しました。 例の気持ち悪い人形のコスプレのようです。 人形以上に気持ち悪かったです。 どこの誰かは知りませんが、福島市民に喧嘩を売りに来たヤノベ氏のファンでしょうか。 相手をしているのは、NHK福島放送局の吾妻謙アナウンサー。夕方のニュースでは放送してませんでしたので、明日のはまなかあいづTodayで紹介するのでしょうか。

こちらの人は、
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http://www.fukkou.net/publications/letter/files/fukkou_023.pdf のP.2の写真によれば、「ジャーナリスト 小林茂」氏である。この人の「論文」は、「《報告》3年目の3.11福島発から : 何が復興を阻んでいるのか」。また、https://ameblo.jp/611nonukes/entry-12159185445.html にも登場している。2000年ごろには、「読売新聞福島支局長」だったらしい。

というわけで、ヤノベ氏が望んだ「市民の聞き取れなかった声」を聞くことは、全くかなわなかったように見えるのだが・・・佐藤氏のブログによると、「撤去派」は参加しなかった。つまり「普通の市民」はもう「ウンザリ」なのだ。撤去という最大目的は達成した。もう、マスゴミとアレ関係者の「事後自己弁護」、「歴史修正」、「免罪符」に付き合っている場合じゃない。
http://syaosu.blog40.fc2.com/
声にこそ出さないものの、あの像をどこか「場違い」と感じる福島市民がほとんどだったのではないでしょうか(あくまで主観ですけれど、撤去に反対する運動も特になく、「せっかく設置したのに残念だけど、撤去するなら仕方ない」程度の反応が主だったことからも、福島市民にはあまり受け容れられてはいなかったように思います)。

先の五十嵐氏の「粗雑な二分法」もそうだが、「サンチャイルドは本当に復興、希望の象徴として、私に力を与えてくれるから、撤去に反対」とか、「かわいいから撤去しないで」という人が皆無だ。確かこれまでの報道でも、地元紙の「読者欄」に「希望を与えてくれる」が一つあった程度だと思う。メディアに現れた撤去反対派は、自分の意見であろうと無かろうと、圧倒的に「原発事故の記憶を風化させないために撤去するべきでない」を理由にしている。このことはヤノベ氏、あるいは市長がいくら「アレは希望・復興の象徴、勇気を与えてくれる」と言っても、像が現実に伝えるものは「誇張された負の記憶、福島への罪の押し付け」になる可能性が高いことを証明している。

ちょっと古いが、10/16 プレジデント記事は、サンチャイルドを設置しようが撤去しようが、アレが結局は「風評加害」することをよく表していた。
10/16 なぜ"防護服姿の子供像"は撤去されたのか「銅像撤去の歴史」から考える 北大准教授 岡本亮輔
https://president.jp/articles/-/26448
今回は、原発事故を風化させないように市が設置したサン・チャイルド像が、事故を忘却したい、忘れてほしいという市民からの要望で撤去された。
ほ~らね、こうして早くもアレによって、「社会学者」がデマ屋に変身しちゃったのである。アレは「バカ発見器兼デマ製造器」です。便利なお人形ですね。
https://twitter.com/JPN_LISA/status/1052691439564480512
井上リサ 🦀若狭原電紀行‏ @JPN_LISA
プレジデントの「なぜ"防護服姿の子供像"は撤去されたのか」(岡本亮輔)という評論には《事故を忘却したい、忘れてほしいという市民からの要望で撤去された》という事実誤認があり、周回遅れの話題に雑に飛びついただけという、社会学の今日的な病理を体現している。
#クソ記事にリンクを張らない
15:42 - 2018年10月17日

https://twitter.com/endo_noah/status/1062302677109899264
遠藤乃亜‏ @endo_noah
10月16日のプレジデントオンラインの記事「なぜ"防護服姿の子供像"は撤去されたのか」( https://president.jp/articles/-/26448?page=4 … )に関して、事実誤認があると考えられるので、サイトのフォームを通じて同誌に訂正を求めました。

やっかいな「ダークツーリズム」 ~言葉のひとり歩きが“遺産の価値”を曖昧にする
フクシマ、チェルノブイリ、オキナワ… 岡本 亮輔 北海道大学准教授 現代ビジネス 2016 3/22

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48224(リンク張らない)
岡本氏のこれは、こんな無神経なタイトルで、しかも中身が福島に全く関係ないと言う記事。要するにこの著者は福島について何も知らないし、全く不勉強だ。

一方、コチラはかなりマシな記事だった
11/15「議論始めるとき 福島のサン・チャイルド撤去」共同通信文化部(山陽新聞掲載)
http://www.sanyonews.jp/article/822913/1/
 木幡浩福島市長は、この作品を「復興に立ち向かう姿をアピールする象徴として設置した」と説明した。だが、「原子力災害がない世界」というシンボリックな意味が込められ、空間線量計を模した胸のカウンターに「000」と表示されていたことが「科学的にあり得ない」とされた。巨大な問題に立ち向かう甲冑をイメージしたという防護服も「風評被害を増幅する」と批判された。
 9月、福島県内での芸術祭の記者会見に出席したヤノベさんは作品撤去について、「設置を急ぎ、市民の声を置き去りにしてしまった。(市民や県民と)直接対話する機会を持ち、じっくり考えたい」と語った。作品の意図を市民に伝え、合意形成の過程を経なかったことを謝罪した。
 今回の出来事を複雑にしたのは、作品が再生可能エネルギーを推進する基金を通じ、福島市に寄贈されたことだった。そのことで、作品が政治性をまとい、反原発のモニュメントという意味だけで解釈され、インターネットを中心に大きな反発を招いた一因となった。
 実際は作品には、廃炉作業に従事している人への応援や人類が向き合うべき核の問題への提起の意味も込められていたというが、ヤノベさんは「(特定の基金を通じた福島市への寄贈が)一つの思想に軸足を置いているように見えてしまった。どこにも属さない形で、自分の表現を伝えることができていたら良かった」と振り返った。

 ▽薄れゆく記憶
 公共空間でのモニュメントをめぐり、似たような出来事が約20年前に長崎市で起きていたことを、明治期以降の彫刻をめぐる問題を論じた「彫刻」(小田原のどか編著、トポフィル)で知った。
 共同通信の記事によれば、長崎市では1996年、爆心地公園の「原子爆弾落下中心地」の碑を、母子像のモニュメントに立て替える計画が明らかになり、平和団体や被爆者団体が「事前に被爆者の意見を十分に聞かなかった」などと反発。市には、約11万人分の反対署名が提出される事態となったという。
 その後、母子像は同じ公園の別の場所に設置されたが、この作品が宗教的偶像の押しつけで憲法違反だとして、撤去などを求める訴訟に発展。最高裁まで争われ、市民側の敗訴が確定した。
 福島市と長崎市の背景は異なっているが、モニュメントの設置をめぐり、話し合いの場を持つ必要があるという点では、一つの教訓であり、福島市ではそれが生かされることはなかった。というよりも、そもそもそのこと自体が忘れられている。
 記憶は時間とともに薄れ、いずれ東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を経験し、目の当たりにした人はいずれいなくなる。その時、歴史や記憶を伝えていく一つの方法として、アート作品が果たす役割があるはずだ。
 けれども、それは作品としてできあがったものを、ただ街の中に置くだけではだめで、人々と一緒に歩むことでしか、なしえないことを福島市での出来事は示している。
 どのように記憶を後世に伝えていくのか。サン・チャイルドが街からいなくなってしまった今こそ、議論を始めるときではないか。(前山千尋・共同通信文化部記者)
(2018年11月15日 07時01分 更新)


この記事で優れた点は、これまで信夫山ネコが発信してきた「基金」とその「思想」について、恐らくマスゴミで初めて書いたところだ。事件の真相に近づいたと言える。そして、ヤノベ氏の「(特定の基金を通じた福島市への寄贈が)一つの思想に軸足を置いているように見えてしまった」は、サンチャイルドが結局は「コンテクスト依存」でしかなく、作品そのものの訴える力がいかに弱かったかを示している。芸術家がこの点に気がつかなくては、今後も変わらない。パチンコ屋にまで置いたプラ製のお人形を、福島に「希望の象徴」と言って押し付けるのは、最初からムリなのだ。

しかし結論の、「どのように記憶を後世に伝えていくのか。サン・チャイルドが街からいなくなってしまった今こそ、議論を始めるときではないか」には、違和感がある。今はまだ「原発事故」は終わらず、特に風評加害はひどい。継承すべき「記憶」の中に「反原発」による「デマ」、「風評加害」、「福島差別」等が含まれる覚悟が無くては、「議論を始めるとき」にはならない。しかし一歩前進した報道だった。

「黒幕」赤坂憲雄氏の「秋の太陽祭り」
一歩ではまだ足りないので、「基金・思想」の「黒幕」情報をさらにあげておこう。
https://image.forum-movie.net/media/cfecc1d7-ff4c-44e6-801f-a9e61d9bc312.pdf
10/21に赤坂憲雄氏は「福島フォーラム」に来て、映画「太陽の塔」公開(11/2)に先立つ「オープン・ディスカッション」を行った。この映画は「影のプロデュース&影の主演:赤坂憲雄」だったらしい。

【佐々木俊尚コラム:ドキュメンタリーの時代】「太陽の塔」2018年10月7日 09:30
https://eiga.com/news/20181007/2/
(前略)
本作で描かれる岡本太郎の精神的背景は非常に面白い。ところが後半に入るとこの映画は、なぜかイデオロギー的な話へと傾斜していく。

太郎は、縄文を体感するために東北や沖縄を歩く。ここで本作では民俗学者の赤坂憲雄氏が出てきて、こんなことを話す。
「虐げられた人々に対する共感は強烈にある。でも同時に太郎は、虐げられた人々が長い歳月の中で『去勢されていった精神性』みたいなものを認めたくないんですよ。それを真っ向から批判しますね」

東北人は去勢されているのだという。そして去勢された東北人を太郎が批判するのは「愛だと思う」と赤坂氏は述べる。
「愛と共感が強いがゆえに、いまも去勢されているようなあり方を認めたくない。いま我々の時代では『自発的な隷従』という言葉がキーワードになりつつありますが、まさにそれだと思います。太郎は怒りを持って挑発したかったのは、たとえば東北は僕は千年の植民地だと思っているが、千年かけて植民地にされ、そのことも忘却してやられっぱなしでいる人たちは自発的な隷従」

このあたりから映画は「自発的隷従」の話になっていく。フランス哲学者研究者の西谷修氏が出てきてエティエンヌ・ド・ラ・ボエシの自発的隷従論を引きながら、「日本の戦後も、アメリカに対する自発的隷従だった。こういうことが日本のいたるところに当てはまる」と語る。「もし岡本太郎が(自発的隷従論を)読んだら、『おお~これだよ』と言ったと思う」と話す。
もちろん、岡本太郎は「自発的隷従」などという言葉は使っていない。赤坂氏も西谷氏も、岡本太郎を勝手に代弁し、そして東北や沖縄の人々を勝手に代弁し、「二重の勝手な代弁」を展開している。

しばらく前にベラルーシのノーベル文学賞受賞作家が福島を訪問し、「福島で目にしたのは、日本社会に人々が団結する形での『抵抗』という文化がないことだ」と発言して物議をかもしたことがことがあった。彼らの言説は、これに酷似している。縄文というテクノロジーや市場経済以前の世界への憧憬が強いのは自由だが、その言説を補強するために縄文を体現する(と自分たちが思っている)東北や沖縄にその立場を強要してしまっているのではないか。
マイノリティの視点はとても大事だが、マイノリティの視点を勝手に乗っ取ることには私たちはもっと慎重にならなければならない。

そして映画では赤坂憲雄氏が再び登場し、反経済成長を朗々と語る。「これまでは右肩上がりの成長を演出してきたけれど、若い人はほしいものなんてなくなっちゃってる。あらゆる欲望が大衆化しているんです。それらは社会資本をぶち壊しつつある」
そしてこう訴えるのだ。「どこかでストップをかけて、成長ではなく、成熟した社会を作っていかないと、君たち若い人たちが老人になるころにはとんでもない社会になってしまう。それは止めなければならない」

典型的な「経済成長は要らない」論で、正直言って私は「大きなお世話」と思った。本作はこのあとは福島第一原発事故とそれにともなう反原発イデオロギーの話へと突っ走っていくのだが、なぜ古い知識人が反テクノロジー・反経済成長を言い募り、江戸や縄文など昔への回帰を語るのか。その精神的源流みたいなものが解き明かされているという点では、本作(の後半)はきわめて興味深く、面白く観ることができた。


佐々木氏の視点は鋭い。論拠を欠く妄想を論拠にした「代弁者」はもうたくさん、まったく「大きなお世話」だ。

サンチャイルド事件の「黒幕」と目される赤坂氏が大活躍の、映画「太陽の塔」だが、ここで言われる氏の「精神的源流」は「学生運動」か?これは前エントリーの最後に書いたが、赤坂氏は「遅れてきた全共闘」のようだ。
http://www.asakyu.com/column/?id=1040
高校生の頃は学生運動の末期にあたり、ハンストのまね事をして校長室を占拠するようなやんちゃをやりました。懐に忍ばせていたのは、ランボーの詩集『地獄の季節』でした。それが高校2年の冬に挫折し、仲間たちはみな退学処分になり、私は残って期末テストを受けました。それが17歳の踏み絵だったのです。でもそのため逆に、私は重いものを背負ってしまったのかもしれません。

ただし、https://blog.goo.ne.jp/matembezi/e/fb4414e66f9b09463e8e3dc20170a181 を見ると、この都立国立(くにたち)高校の1969年12月「学園紛争」は、授業をしばらく停止したものの、「話し合い」をやって生徒の要望はかなり入れられた。退学者が出たとは書いていないし、思えない。そんなわけでこれも「妄想」かもしれないが、とにかく赤坂氏は「全共闘」的なものにシンパシーと負い目を持っている。氏の経歴はどこを見ても「東大文学部卒」だけで、「○○学科(講座)卒業」が無く、また4年で卒業していないようなので、もしかしたら大学でも「運動」を続けていたのかもしれない。

前々エントリーに書いたが、赤坂氏は震災後はひたすら、「福島は脱原発によって『始まりの地』にならなくてはいけない」という「思想(妄想?)」の実現に向かっているようだ。「メガソーラー」で脱原発を実現するために「基金」を作り、「会津電力」等の設立に繋がっていった。氏の考えるこの「復興」にはシンボル・アートが不可欠で、今回のサンチャイルド建立に至ったようだ。まさか「メット」と(股間の)「ゲバ棒」に魅かれたとは思わないが。

結局「サンチャイルド」は、「黒幕」赤坂氏の「太陽の塔」だったのだろう。ご存知のとおり、ヤノベ氏は「幼少のときに体験した大阪万博の跡地を創作活動の原点と位置づけ」ているし、実際サンチャイルドは「太陽の塔」の隣に建立されたこともある。

2014年の対談(それにしてもこの人「対談」好きだにゃ。「グーグル・スカラー」で見ると、論文はほとんど見つからず、雑誌記事、対談だらけだ) https://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/082/talk_index.html でも、
「縄文」 「岡本太郎」 「若者は反乱を起こしたほうがいいと思いますね」 「福島だけは変わらざるを得ないんですよ。変わらなきゃ生き延びられない土地になってしまった」
ってなことを言っていた。

赤坂氏の「思想」によれば、「福島は自然に調和した原始生活をしながら、自前のメガソーラーで自分らの電気を賄うユートピアになり、世界の先駆けとならなくてはいけない」らしい。しかし、そもそも福島の原発は東電の施設で、その電気は東京への「輸出専用」だったのである。何で東京でなく、福島だけが「脱原発」して「電力自立」しなきゃならんのか?現状でも会津の水力や広野火力による電力の東京への輸出」を止めれば、メガソーラー建設による自然破壊をしなくても、福島の電力自立は十分可能なんじゃないの?自立していないのは東京じゃないの?そして何でオレラが「未開だが素朴な心優しい土着民」にならなくちゃならんのか?サンチャイルドを囲んで裸踊りでもすれば満足なのか?これこそオリエンタリズムの極致だ。60年代後半の「ヒッピー」や「フラワー・チルドレン」のコミューンもどきは、東京西部の郊外あたりでやればよいのでは?

映画「太陽の塔」の福島上映は、「ライフミュージアムネットワーク」の主催によるものだが、この団体は、このFBを見ると、ほとんど=赤坂氏である。
https://www.facebook.com/ライフミュージアムネットワーク-1168991509906999/posts/

「第三回講座(?)『ふるさと奄美に返る』をめぐって」のポスターには、「震災の記憶の継承が求められる福島の指針となるはずです」とある。「震災の記憶の継承」って、「過ちは二度と繰り返しません」か?「過ち」の責任を福島にだけ押し付けるのだろうか?プラ人形で?

この「ネットワーク」の文化庁の補助金は下記にある。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shien/bunkacluster/pdf/r1402010_02.pdf
今年度:福島ライフミュージアムネットワーク実行委員会 14,580(千円)=1458万円 である。かなりの高額だ。しかし活動は、FB開設時期から見ると年度前半ではなく、秋から始まったようだ。また、この秋には、「基金」代表佐藤弥右衛門氏らが主演の映画「おだやかな革命」が、トークショーごと全国を回っている。 そう言えば10月には、飯田哲也氏のNHK「あさイチ」登場もあった。もっとも飯田氏は3月、6月にも出演していて、要するにNHKの中にシンパがいるのだろう。そのうちに「あさイチ」で「福島では被ばくによる子どもの甲状腺がんが多発している」なんて言い出すのではないか?この「ネットワーク」にはカネがある。まだ何か企んでいるに違いない。

つまりこの秋は、「黒幕」赤坂氏プロデュースの「太陽祭り」が、進行している。この人はどこかで「自分は学者よりも編集者」とか言っていたし、確かに某美術展の「アート・プロデュサー」もやっていた。こういう「暗躍」が好きなんでしょうかね。そうでなきゃ、8/26福島民報「日曜論壇」で、第三者のふりをした偽装コラムを平然と書けたわけがない(このコラム、今見るとヤケに各種サンチャイルドについて詳しくて笑えます)。しかしね~、赤坂氏はもう「隠れてコソコソ」はやめて表に出るべきだ。哀れなサンチャイルドは赤坂氏の代わりに解体・撤去されたのではないか?「弁慶の立往生」のように。

この「祭り」は「サンチャイルド建立」で大々的に「マルチメディア展開」で行われるはずだったが、福島人の「サンチャイルド打倒」が計算違いで、今や大破しながらヨロヨロと進んでいる状況だ。そして若木氏のグロテスクな、二つの顔を持つ「生きたサンチャイルド」が突然「こむこむ」前にショッキングに登場、記録係のカメラウーマンと共に旧4号を走ってヨロヨロと二本松駅前に到着、誰も拍手で迎えないという「凶行」の映像を見て、この「アート・ラン」は、実は「凶行」だった「サンチャイルド事件」そのものを、一番よく表現しているのだと気づいた。これは確かに本質を表現した「現代芸術」だった。気持ち悪かった。いつまでも「反原発」によってこんな目に合わされる福島を、不憫に思うしかなかった。
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「サンチャイルド事件」の「闇」(2) 福島市民は日本史上初めて「権力の巨像」を打倒した これはマスゴミや左翼、ブンカジンにまで邪魔されながら果たした「革命」だった (追記)露わになってきた「黒幕」赤坂憲雄氏の正体

(固定された呼びかけ)
Ⅰ:朝日新聞2011年12月2日朝刊「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」(前田基行)の主人公「町田市の主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&日本共産党系活動家」です。TVにも出ています。完全に「フェイクニュース」です。動かぬ証拠があります(リンク先エントリーの②を読んでください)。
有馬理恵主演CM「ハインツ・パスタ 牛肉とイベリコ豚の粗挽きボロネーゼ fitness class編」
https://www.youtube.com/watch?v=ARRA7cxE8jw 朝日新聞よ、どうしてこの人が「主婦」なのか?

Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無い(=被ばく量と関係ない)ことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)

Ⅲ:カタカナの「フクシマ」が「福島はヒロシマと同じ核による惨禍の土地」という誤ったイメージを植え付け、差別につながるレッテルであると、脚本家の倉本聰さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらも指摘しています。山梨学院大学の小菅信子教授は、著書「放射能とナショナリズム」で、「フクシマ」は「福島をエネルギー植民地から反原発の聖地として再植民地化して支配するための名づけ直しだった」と指摘しています。「フクシマ」使用に反対します。

サンチャイルド設置からもう3か月、解体撤去決定からも2か月経ってしまったにゃ。

この辺で「サンチャイルド事件」は終わりにしたいところだが、報道は案外長引いた。特に事件が世界中で報道されても無視していた地元紙の福島民報と福島民友が、撤去後には一転してズルズルと「読者欄」を使ってシノゴノ言っていたのには、「失笑」するしかなかった(10月に入ってからもあったと思う)。「読者欄」は本当は新聞社の主張だったり、逆に「言い訳」なのに、責任を読者に転嫁できるという、便利な「装置」である。新聞の意向をくみ取って投書、採用されることが自慢の、高齢の「常連」が多数いて、全てに編集、リライトがなされる、なんていうのはカワイイ方だ。マスゴミは「騒ぎ」でメシを喰っているだけで、良心なんかないことは、一連の「フクシマ」報道で明らか。「読者欄」は今や「やらせ」、内部の者の「捏造」が普通と考えられる。絶対にバレないのだから、やらないわけはない。「読者欄」の個々の記事がどうこうよりも、総体として撤去後も地元2紙が「読者欄」で血道をあげていること自体が、この事件についての初期報道を失敗したと自覚していることを表している。

ま、とにかく撤去までの新聞報道は、遠藤乃亜さんのツイッターによく保存されている。
https://twitter.com/endo_noah/status/1034607244057268224
また、こちらの1~20まである大部の「まとめ」も、ツイートされた報道の軌跡がよくわかります。全部見るのは困難ですが。
https://togetter.com/li/1264021

ツイッター上でのサンチャイルドへの批判は、上記「まとめ」を始め、あちこちで腐るほど見られるが、サンチャイルドと市長への批判がお手軽に見られるのは、やはり事件当初のコレか。
https://twitter.com/hatabohk/status/1026588109897531392

この中で今見ても@kamesann1959さんのツイが興味深い
https://twitter.com/kamesan1959/status/1028825207035686912
市長はサンチャイルドへの強烈な反発に加え、カネの問題にまで火が回ることにも脅えたのかもしれない。確かに今でも、「ふくしま未来研究会」が「ニセ寄贈者」を引き受けた理由は不明だ。

もう一つ比較的最近の報道として、河北新報10/21にあった、小さな記事を「記録」しておこう。
kahoku1021.jpg
河北新報が「サンチャイルド」に対していち早く批判的報道を展開した(8/12に報道機関で一番早く大きな記事を載せ、菊池誠阪大教授の批判も載せた。「アンケート」の途中経過も伝えた等)のは、この人(福島総局 関川洋平記者)の尽力によるものだった。結局報道各社における報道担当個人がどうなのか、これが福島の「風評被害」を左右する。

撤去後の「秀逸な記事」
撤去後で秀逸だったのは10/4「讀賣新聞」文化面「福島『少年像』撤去の教訓」だった。
https://twitter.com/fukusima88/status/1047815212638777344
この記事には多くの市民が同意したのではないか。デジタル化されていないのが残念だが、 興味深いところを抜粋。

①「皆の目に触れる公共空間のアート設置について、市民の声を反映する必要性など、教訓が浮かび上がる。」

②「ヤノベさんは12年から継続的に、福島県での芸術祭や展覧会に参加してきた。ヤノベさんによると、その際に関係が出来た団体「ふくしま自然エネルギー基金」に像を寄贈することになり、同基金が受け入れ先を探していたところ、今年になって福島市が手を挙げた。」

③「計画は当初から子どもにこそ像を見せたいとする木幡浩市長のトップダウンで進んだ。」

④-1「寺内勝宣(こむこむ)館長によると、被災地の市民を刺激しかねない造形について、内部で設置を問題視したり、慎重な手続きを求めたりする声はなかったという。12年の芸術祭で像が福島空港に展示されて好評だったことが念頭にあり・・・」

④-2「実際に大きな像が立つと苦情などが殺到。同館が行ったアンケート調査では、回答110件のうち「怖い」「子どもの施設に相応しくない」などの反対が75件。賛成22件の中には「可愛いと思う人が多いと思う」「未来に希望を込めて『000』でもいい」などの意見もあったが・・・」

④-3「可愛い姿だと思っていたので、これほど生理的な激しい拒否反応が寄せられるとは思ってもみなかった。住民の声を聴く場を設けるなどの考えが足りず・・・」

⑤「彫刻家の小田原のどかさんは、『一般的に、美術空間と嫌でも作品が目に入る公共の場とでは、性格が大きく異なるコトが認識されず、設置までに住民に向けた議論が全く行われていないのが問題』と指摘する。」

⑤-2「長崎市では1990年代、市が原爆投下中心碑を移設して設置しようとした「母子像」が被爆者らの反対を受け、違う場所に建てられた。このため「公共彫刻の永久設置は、コンペ形式で有識者の審議を経て、設置前に市民の声を反映する場を設けるほか、その過程を透明にすべきだ」と話す。」


他の報道に比べて優れている点
地元紙民友、民報のようなサンチャイルド擁護の立場は取らず、また、書き手の立場をゴマカス原因になる、「賛否両論」もやっていない。問題は市長のトップダウンで決まった「設置プロセスの不透明さ」であるとしている。他の報道が「芸術論」としては陳腐な「表現の自由」しか思いつかないのに比べ、次元が高かった(陳腐な例は「毎日新聞社説」9/24 「しかし、ヤノベさんも危惧するように今後、表現者が過度に萎縮するようなことがあってはならない」。誰も作るなとは言っていない。公然わいせつを問われる場所では「露出」はダメ、というのと同じ) 。①③

また、「7/6 記者会見」のフェイク会見発表「ふくしま未来研究所が寄贈」を使わず、「元々『ふくしま自然エネルギー基金』がヤノベ氏から寄贈され、それを福島市に寄贈した」という事実が書かれている。もちろん「プロセスの不透明さ」には、前エントリーに書いたように、赤坂憲雄氏の「脱原発メガソーラー・ユートピア思想」押し付け、「ゼネコンを寄贈者とした偽装工作」等の複雑な「闇」があり、それらは欠けているが、「文化部」記事の守備範囲としてはおかしくない。②

「アンケート」について、詳しく伝えていた。特に「撤去派」について具体的に伝えており、これは他では「擁護派」の意見が多く報道された中では、大変貴重だ。④-2

サンチャイルドは「市が欲しがった」と強調する言説、報道もあったが(例えばヤノベ氏の「この度市長の強い思いで」、「2018年、 木幡さんがその話を聞かれて、それを市の方にぜひ展示したいという話になって 」)、そもそも「基金」はあんなデカいアレを維持できない(16年11月のヤノベ氏による「基金」への「突然の寄贈」は、実態としてはその後2年間ヤノベ氏の大学の倉庫に保管されたままであった)、よって(当たり前だが)「同基金が受け入れ先を探していた」、という事実が書かれている。(従って「突然の寄贈」は、「いずれは市で展示する」という前提があったとしか思えない。この部分の「告白」が必要)。②

NHKや福島民報、あるいはサンチャイルドに批判的だった河北新報等も、アレを2012ビエンナーレに持ち込んだ「張本人」渡邊晃一氏(http://www.jafra.or.jp/j/library/letter/209/report.php には、「実行委員長の渡邊さんからこの作品を(渦中の)福島で見せたいと言われて、正直ためらいました。」とある)を中立の「識者」として起用した、という「インチキ」、或いは騙されぶりだったが、この記事は小田原氏という、新しい「識者」を起用した。公共空間における彫刻の問題を指摘している。⑤
(もっとも河北8/30「1:『作品への賛否は今回の問題の本質ではない』。いわき市出身の開沼博立命館大准教授(社会学)は『ポイントは不透明性にある』とみる。2:内山登紀夫大正大教授(児童精神医学)は『巨大で視覚的な刺激が強く、子どもに限らず原発事故のトラウマ(心的外傷)を思い出す引き金になる。公共の場所から撤去する判断は妥当』と話す。3:芸術祭に携わる渡辺晃一福島大教授(絵画・現代美術)は『撤去の際も丁寧な手続きが必要だった。設置施設の来場者に対するアンケートだけで十分だったのか』と疑問を呈する。」と、妥当な扱いにしていた。)

こうなるとやはり、16年11月に「基金」にアレを寄贈したヤノベ氏は、7/6の報道発表の「『研究会』が寄贈」について、なぜ「ダンマリ」なのか、どう納得していたのか、という疑問がわく。「アーチスト無罪」とは言えない。第一、上記の「2012ビエンナーレ」でも、7/6記者会見もそうだが、ヤノベ氏はサンチャイルドを福島で見せる時に、必ず「ためらって」いる。積極的に見せたいのではない。つまり、どこかにヤマシイところがあると想像できる。それは何なのか?サンチャイルドはそもそも福島に置くことを考えておらず、むしろ福島の外から「福島に原発の罪を押し付ける」意図があったのではないか?今回は「もう7年経ったのだからOKだろう」という、福島をナメた見方をしていたのではないか?

「サンチャイルドは2012年福島空港では好評だった 子どもにはウケた」という虚構
「無罪」と言えば、「美術手帳」9/5にも出ている「《サン・チャイルド》は福島空港で展示され、子供を中心に人気を呼んだ。その光景も今回の設置を後押しした」が、しばしば今回のサンチャイルド設置の「免罪符」とされているが、これは作者・主催者がそう言っているだけで、そんな証拠は一つもない。この空港は元々ウルトラマン像だらけだから、アレもそう違和感はないし、そもそも遠足か何かで来た子どもが、「像の意味を察して批判・反対」するわけはない。この「美術手帳」には渡邊晃一氏の、「前回の福島空港の展示で、ほとんどの子供は作品の黄色い衣服=防護服として見ていませんでした。なぜならそこには、白い防護服を着る人々という現実があったからです」も出ているが、本当に子どもが防護服の色で判断していたのか?それにもし子供たちが黄色い服を「防護服」として見ていなければ、作品は誤解されている。ヤノベ氏は「防護服」として作り、自ら「黄色い防護服」を着てチェルノブイリの村に行き、地元のお年寄りを愚弄していたではないか。渡邊氏の言うことは「歴史修正」の可能性があり、全く信用できない。

そして福島空港は、福島市から80km以上離れていて直行バスがない(便もANAとアシアナしかない)。福島市民は直線距離でより近く、直行バスも鉄道もある仙台空港を利用する。「福島空港で子どもにウケた」=「福島市民にウケた」には全くならないことなど、福大の渡邊氏ならよくご存知ではないか?増して11年夏はまだまだ福島をコケにし、差別する「放射能デマ」が大量に飛び交っていた(今もだが)。福島の大人の大部分は、現代美術どころではなかったのだ。
「信夫山ネコの憂鬱 12年8月」
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-date-201207.html
「信夫山ネコの憂鬱 12年9月」
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-date-201208.html

なお、福島空港での展示については、「2012年の空港の実績も集計記録は存在せず」と言うツイもある。
https://twitter.com/kamesan1959/status/1030446080809295873

逆にこれだけ「子どもにウケた」を免罪符にしまくっているのを見ると、16年11月のヤノベ氏から「基金」への「突然のサンチャイルド寄贈」の時点で、「サンチャイルドは子供向けに好適」というお題目で、小林前市長との間で子ども用施設である「こむこむ」への設置が密約されていたのでは、とも思える。

ここまでの報道では、「撤去派」は無視され、「擁護派」ばかりが取り上げられた
サンチャイルド8/22以降の「偏向報道」は、https://twitter.com/kazooooya/status/1032119044030193671 にもまとまっている。

特に地元テレビの「通行人インタビュー」が酷かった。例えばNHKは、8/28の「撤去決定」時では夕方ローカル・ニュース「はまなかあいづ」で、「こむこむ」前での3人の「市民」のインタビューを出していたが、2人が「撤去は拙速、惜しい」、一人は「わからない」というニュアンスだった。また、そもそもサンチャイルドを2012年に「(渦中の)福島で見せたい」と言って持ち込んだ「張本人」の渡邊晃一氏を、中立の美術専門「識者」として、スタジオに招いて、「撤去は拙速」という持論を言わせるという、露骨な偏向ニュースを行っていた。

さらに「はまなか~」は9/19には解体作業を報じていたが、ここに登場した「市民」4人はこうだった。
sc4.jpgsc5.jpgsc6.jpgsc7.jpg
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ここには露骨な「印象操作」があった。一番目の「残念です」という女性の発言は、字幕では「福島の人の~」としているが、音声は「福島の方(かた)の~」と言っていた。つまりこの人は福島市民ではないし、福島県民でもない可能性がある。最初の(右側縦書き)「まちの人は」というタイトルは「=福島市民」と思ってしまうが、これがインチキ、フェイクなのである。そりゃまあ、どこかの「まちの人」か、「街頭の人」ではあるだろうがねぇ。二番目の人は「擁護派」ぽいが意味不明だし、三番目の人の「しょうがない」は、「撤去派」、「擁護派」どちらともとれる。比較的明確な「擁護派」は4番目の子どもだが、これが、最後に配置され、また一番目の「残念です」との「サンドウィッチ」によって、全体が「撤去は惜しい」という人が多い印象に作られていた。

地元民放もこんなものだったらしい。
https://twitter.com/Row0916/status/1034371950062141440
Row@未臨界が臨界‏ @Row0916
FCTのゴジてれChu!でもサン・チャイルド問題を取り上げていたけど…。
総じて“ネットが悪い”で締めくくられた(´・ω・`)
2:27 - 2018年8月28日

https://twitter.com/puyopuyo1110/status/1034371178058530816
ぷよ@福島県‏ @puyopuyo1110
なんか夕方の民放ニュースは、一部のネットや県外の人が撤去を求めた、今は何でもすぐ批判を受けると撤去するような風潮、とか擁護的だったな。株主と関係あるのかな。
2:24 - 2018年8月28日

ぷよ@福島県‏ @puyopuyo1110 · 8月28日
町の声は賛成派の2人だけ。キャスターも微妙な感じ。まあいいけど。これで終わるなら。移設先が決まったらまた揉めるかな。最低でも県外でお願いしたい。

Row@‏ @Row0916 · 8月28日
返信先: @puyopuyo1110さん
露骨とは言わないまでも、擁護に誘導するような内容で、ある程度は予想していたけど…ガッカリですね。

ぷよ@福島県‏ @puyopuyo1110
返信先: @Row0916さん
なんかお偉いさんとの繋がりとかあるのかなーと見てました。なんだかなーですね。

https://twitter.com/Nonbeekaeru/status/1034378007744471040
林 智裕‏ @Nonbeekaeru · 8月28日
(気になるのは、県内の新聞や今日のテレビ報道。 サン・チャイルド設置に対してのネガティブな声を、どこも頑なに報道しなかった。 街の人の声も、撤去を惜しむ声だけ。 …スポンサーへの配慮、かな。)


確かに、全く不自然だったのは「サンチャイルドは(様々な理由で)よくない、撤去は当然だ」という、今回アンケートで75%もの多数を占めた意見が、一つもないことだった。これはなぜか。

理由①
そもそも、「撤去派」をサンチャイルドの前でつかまえてインタビューすることは、ほぼ不可能である。つまり、10/04讀賣記事にあるように、「撤去派」のサンチャイルド嫌悪は、「生理的な激しい拒否」レベルにまで達していたのであるから、サンチャイルドが目に入る場所になど、気持ち悪くて行く気がしない。これを考慮すると、嫌々ながら何とか「こむこむ」に出かけて書いたアンケートでさえ、「撤去派」が75%だったのだから、実態はもっと多い事になる。また福島市では、JR東北線をはさんだ「こむこむ」の反対側には今でも「中核派診療所」があり、活動中だ。NHKはこれをこれまで散々「ヨイショ」してきた。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-178.html
https://www.youtube.com/watch?v=D4zcep4PLSE&feature=share&list=UU-hw2jpxi9MgDRRv7oVSqnA
これでテレビで「顔出し」して「サンチャイルドは撤去するべき」と言うには、かなりの勇気が要る。まるでパヨクの得意フレーズ「もの言えぬ社会」だ。

理由②
「街頭インタビュー」の類は、専ら地元報道機関(地元紙、地元民放 NHK福島等)がやることだろう。地元紙や地元民放はニセ寄贈者となった「研究会」(=地元公共工事を独占と言われる佐藤工業=地元ゼネコン)に忖度して「サンチャイルド擁護」になった可能性が高く、その上福島民友には「社長が『基金』の賛同者である」という問題もある(前々エントリー参照)。一方NHK福島の内部には、転勤してきた「反原発記者(ディレクター?)」がいて、しばしばトンデモ風評加害報道を行っているようだ(NHK本体もひどい。テロ朝が「フクシマ」から撤退モードのいま、一番アブナイのはNHKで、先日も「モニタリングポスト」、「サイエンスZERO」問題が起こったが、これらはまた別の機会に)。「反原発記者」は福島で「原発の罪を風化させない」目的のサンチャイルドは大歓迎であるから、このような事態になるのだろう。その上NHK福島は、7/6「はまなかあいづ」でヤノべ氏をスタジオに呼んで生放送する等、強い「肩入れ」をしていた。
http://www.nhk.or.jp/fukushima-ana-blog/1400/301211.html
http://www.nhk.or.jp/fukushima-ana-blog/600/302572.html
そもそもNHK福島は「こむこむ」のビルに「同居」しているわけで、これでもう既に「ズブズブ」だが、客観的報道は全く不可能なのである。

なお、サンチャイルドは間違いなく「設置プロセス」が拙速、隠し事だらけだったことが大問題だったが、ここまでにもいくつかあったが、「設置も撤去も拙速」として、この問題だらけの「設置プロセス」をゴマカシ、庇うような言説が、主に渡邊晃一氏から出ているようだ。「拙速に設置したものの迅速な撤去」の、どこがオカシイと言うのか?市長と作者が謝罪までしたのだから、怪我は出来るだけ早く処置するべきではないのか?

例えば「美術手帳」9/5には、福島県立美術館の学芸課長・荒木康子はこう話す。「(いち市民として)作品に対してどういう感想を持ってもいいとは思います。美術とはそういうものではないでしょうか。ただ、設置にも撤去にも、時間がもう少し必要だった。とあるが、

実はこの人は、16年11/17の「サンチャイルド突然の寄贈劇」の「リレートーク」に参加していた、渡邊晃一氏と同じサンチャイルド賛美のインサイダーなのである。あまりにも未練がましい。

またこの「美術手帳」には、「こむこむ館前では撤去の報道を聞き、作品を写真に収めようとする市民の姿も複数見られ、「なぜ(作品に)反対なのかわからない。理由が知りたい」「いつまでも風評被害と言っていてはダメだ。それを超える強さを持たないと」「果たして風評被害そのものもあるのかどうか疑問」といった声も聞かれた。」とも書かれていて、荒木氏の「撤去拙速論」を補強しているが、先にも書いたように、サンチャイルドの前には「撤去派」はいない。ここには「解体撤去前に一目見ておくか」という「惜しむ」人ばかりが、集まったのだ。サンチャイルドは、恐らく「解体撤去」発表後に、皮肉にも最大人数を集めた。

とにかく市長やマスゴミは、「これ以上の分断を避けたいから撤去」とか、「賛否両論」に見せかけようとしていた。
https://twitter.com/16331633/status/1038840075730055168
omion‏ @16331633
「分断疲れたから撤去」って、反対意見が多かったので撤去とは言いたくないってことかな。あくまで反対意見を言う側が分断を起こしていて、自分たちは被害者ポジションというか、そっちに足を置いてる記事だろうなと無料部分だけ読んで思いました。


しかし、この事件で唯一賛否についての「数字」が出たのは、「こむこむ」での市民アンケートの「撤去派又は嫌悪が75%」である。「分断」どころか、大差である。当初市長もマスゴミも、アンケートにノリ気がしないことが露骨に見えたが、結局これは非常に重い数字となった。

小田原氏の「対談」に見る「記念像」問題
讀賣記事に登場した小田原のどか氏は、その後「美術手帳」10/19 で、「拒絶から公共彫刻への問いをひらく:ヤノベケンジ《サン・チャイルド》撤去をめぐって」 も書いた。「空間線量については知悉していると言ってもいいはずだ」とか、あれこれ「同業者」に「忖度」しているのかなあ、という点があるものの、「そもそも、長崎にも福島にも、巨大彫刻は必要なのだろうか。長崎の《平和祈念像》と《母子像》をめぐるコンフリクトを検証し、そこまで問いを立ち戻らせるべきだ。しかし同時に、過去の事例を参照したうえで、どうしても巨大彫刻を恒久設置したいのだという自治体や作家の強い意志があるならば、それは尊重されるべきであるとも考える。」は正論である。しかし、少なくとも福島市に、この「巨大彫刻は必要」ない。その理由は前エントリーに書いたように、今回の「サンチャイルド建立」は、「自治体や作家の強い意志」ではなく、「黒幕」赤坂憲雄氏が強い意志で自らの「脱原発メガソーラーユートピア思想」の象徴として仕組んだ、と考えられるからである。この事件には美術専門家の「想定外」の「裏事情」、「闇」がある。従って小田原氏がここで言う「16年11月の『リレートーク』メンバーでもう一度議論」は、「黒幕」が司会した「翼賛大会」の再現にしかならず、何も生み出さない。

小田原氏は、そもそも8月15日関連でこんな記事を書いていた。これがたまたま、サンチャイルド設置にも共通する話題だったのだ。

10+1 WEB SITE 記念空間を考える―長崎、広島、ベルリンから
彫刻と建築の問題──記念性をめぐって小田原のどか(彫刻家、彫刻研究)+戸田穣(建築史)
1 長崎・平和公園に見る彫刻の問題
2 「彫刻」と「建築」の歴史、訳語として輸入された概念
3 建築の表象性──塔と軸線
4 アメリカ・ドイツをめぐる記念碑の議論
5 議論と参加の契機


大部の対談だが、これを読むと「サンチャイルド」が目指した公共空間における「記念像」の「モニュメント」的性格そのものが、単なるアートではなく、国家、権力、宗教、犠牲者、祭祀といった大きな問題を含まざるを得ないことがわかる。そして何より、過去長崎、ニューヨーク、ベルリンなどで、公共空間における「記念像」は表現、解釈、背景文化、価値観等の、「血みどろの」と言いたくなるような激しい紛争を引き起こし、それが今だに尾を引いていることに、驚かされた。つまり、アレに嫌悪し、怒り、悲しむのは自然なことだった。

こういった歴史が物語る「重さ」に比べて、今回の「サンチャイルド建立」のプロセスは、あまりにも軽く浅かった。原発事故は終わっていない。今「記念像」なんか作れる、いやどこかから勝手に持ち込んで立てるなんて、そんな薄っぺらい愚行はできるわけがない。サンチャイルド撤去後だって、「立憲民主のおしどりデマコ公認」だの、「国連人権何とかのデマ勧告」だの、「風評加害」が続いているのだ。

「サンチャイルド」そのものにも、例え「テーマ」、「表現」を別にしても問題がある。アレは全く同じモノが阪急南茨木駅前にあり、銀色のモノが名古屋のパチンコ屋にある。こんな福島の為に作ったものですらない、あちこちにあるモノが、「福島の希望、復興の象徴」のわけがないじょー、木幡(ハタ坊)市長クン。それが「こむこむ」に「記念像」としていつの間にか立っていて、「聖地化」が図られていたのだ。こんなのが立った「聖地」ってのは、随分笑わせてくれる。パチンコ屋でも拝むのかな?このパチンコ屋のモノは「ウルトラ・サンチャイルド」だから、福島のよりも「上位機種」だ。もしかしたら「解体保管中」のサンチャイルドは、「ニラク」とか「ダイナム」あたりが欲しいかもしれない。本当は子ども向けらしいけど、そんな事どうでもいいらしいし・・・いや、やっぱりメイワクか、アレじゃ○ンコ屋だなんて言われそうだ・・・

こんな軽いモノで「原発事故の罪を風化させない」だの、「希望の象徴」だのと押し付けられる・・・例え仮に我々が風化させてはいけない「原発の罪人」だったとしても、こんなプラ製の、せんべい焼きで大量生産したような「お人形」が「記念碑」だなんて、あまりにも田舎をバカにしすぎではないか。自らの「脱原発メガソーラーユートピア思想」の象徴としてサンチャイルドを持ち込んだ、この事件の「黒幕」と目される赤坂憲雄氏は、あまりにも浅薄ではないか?「記念像」とは何か、その重みを全く考えていない。恐らく知らないし、何より感じないのだ。単なる「ディレッタント」なんてこんなレベルなのか?ま、これが彼の「思想」の程度を表しているのだろう。たまたま「移動式巨大アート」がタダ同然で利用できそうだから・・・作者はグッズが売れるので好都合だ・・・「記念像」の本当の目的は隠して「子ども用」に見せかけ、どさくさに紛れて建立、自分もいつまでもコソコソ隠れて、裏から自分の「思想」を自分の故郷でも生活地でもない「田舎」に押し付けて表現しよう・・・

福島人の気持ちは全く視野に入っていない。「宗主国」の「植民地」における自己実現願望だけがある。東京の価値観で自分の都合のいいフクシマを作る、オリエンタリズムだ。

日本史上初の市民による「権力の巨像の打倒」
上記「対談」の5にこんなことが書いてある。
「日本では、廃仏毀釈や、伊藤博文の銅像や本郷新が制作したいくつかの具象彫刻に対して破壊工作が行なわれてはいますが、基本的に、前体制の象徴としてのモニュメントや銅像、彫刻を自分たちの手で引き倒すことがなかったと言えます。」

「前体制の」ではないが、今回福島人は、全国のサポーターと共に「権力側の象徴としてのモニュメントを自分たちの手で引き倒」した。これは日本史上初めての「革命的事件」だったのだ。しかも、マスゴミの援護は少なく、河北新報のような例外はあったものの、多くは「権力・反革命」側についた。そして「革命党」であるはずの共産党は、せっかく福島市議団がいち早く「サンチャイルド撤去要求」を出したにもかかわらず、党中央が「中央の見解ではない」ということで「赤旗」への掲載をせず、以後何の音沙汰も無くなってしまった(これも参考https://twitter.com/itallmatuzaki/status/1061904810956345344)。東浩紀氏や津田大介氏(この「ゲンロン界隈」はサンチャイルドで「ダークツアー」をやるつもりだったか?)や、茂木健一郎氏のような愚かな「ブンカジン」も、サンチャイルドを擁護した。ノーベル文学賞のアレクシェビッチ氏はたったの2日間福島に来て、「市民団体」にウソを吹き込まれ「福島には抵抗の文化がない」と我々をバカにしたが、その我々が「権力の巨像」を打倒した。これは痛快な大事件だ。

先日、地元ゼネコン「佐藤工業」が戸田建設に「身売り」し、地元マスゴミの必死の「忖度」も今や恥ずかしい記憶となって「風化」を待つだけだ。市長減給、「ニセ寄贈者」のゼネコン身売りと、まさに周りを巻き込む「呪い人形」のようだったサンチャイルド自体も、もう「風化」しつつある。あと一か月もすればサンチャイルドは完全に忘れられるだろう。その代りにまた新しい「デマ」が登場し、我々のココロを傷つけるのだ。

ヤノベ氏はこれでもまだ、「しがみついてでも福島に向き合っていきます。私が取りこぼしてしまってしまった声を聞き、何ができるか考え、議論を続けていきたい」(「美術手帳」9/5)のか?「サンチャイルド」は「気持ち悪い」ので拒否された、というのは結構大きかった・・・「しがみついてでも」なんてねえ、気持ち悪い。あなたも「風化」が一番。「風化」でしか救われない。

(11/7 追記)
露わになってきた「黒幕」赤坂憲雄氏の正体
サンチャイルド事件の「黒幕」が赤坂憲雄氏だろうと考える根拠、彼が自らの「脱原発メガソーラーユートピア思想」を福島に押し付けようとしていること、サンチャイルドはそのための「聖地」における象徴、あるいは「巨大偶像」であったことなどは、前エントリーをご覧ください。

「黒幕」についての最新情報は笹団子さんがコメ欄に書いてくれましたが、naoさんのコレです。 
https://twitter.com/parasite2006/status/1060003493069516800
nao‏ @parasite2006
返信先: @halsan2014さん、@Nonbeekaeruさん、@tokophotokoさん
『阿賀に生きる』で思い出しましたが、こちらの対談http://satoyamasha.com/series/fuzai-taiwa/fukushima-zenpen-01/2 … でこの映画を礼賛している赤坂憲雄氏が、「福島で甲状腺癌がこれだけ出ているのに、「因果関係はない」と医者はまだ言い張るわけでしょ」と原発事故の放射線被曝が原因と決めつけているのを先日みつけて愕然としました。


https://twitter.com/aizujin_k/status/1059356542971998208
T.K. fukushimaタグ付けよう‏ @aizujin_k
こういう認識なのか→赤坂憲雄:「だって福島で甲状腺癌がこれだけ出ているのに、『因果関係はない』と医者はまだ言い張るわけでしょ。そして病院の院長が、その状況に精神的に耐えきれずに辞めていったりしている」


おいおい、これは完全に福島を貶めるホーシャノーだぜ。
赤坂氏は2016年11月、デマズ・ジャパンの沖縄ホヨ~施設「球美の里」でもやらかしてましたな~。
【御礼とご報告】球美の里4周年記念イベント 「球美ぬ里にめんそうれ」展 November 7, 2016
学習院大学教授で民俗学者そして福島県立博物館の館長でもある赤坂憲雄さんをゲストにお招きして、「いかにして私たちの社会で福島の子どもたちを守っていけばいいのか?というテーマでトークセッションを開催しました。赤坂さんからの、

「私たちは逃げられない社会に置かれている。もっと逃げていいんだよ、と言えるようにならないと」
「したたかにやるしかない」
「厳しい状況でもなんとか前向きに新しい社会をつくる」

などの言葉が印象的でした。


なるほど、「したたかに」県立博物館長を続けながら、福島はキケンだ、「逃げていいんだ」、福島は脱原発・メガソーラーで「新しい社会をつくる」ってな「活動家」をやろうってわけですかね。なお、赤坂氏の「思想」は、岩浪書店「世界」の2012年11月号にドカンと出ていたらしい。

芝浦工大全学闘blog
【反原発】なんとたくさんの分断、対立の網の目が張り巡らされていることか!赤坂さん、井戸川町長を支えてほしい。
 
http://blog.livedoor.jp/shibakodai_zengakuto/archives/51703213.html
「やがて、福島がはじまりの土地となる」と題された赤坂憲雄氏の15章にわたる文章がある。

福島の3・11以後の状況は、予想されたこととはいえ、いよいよ厳しさの度合いを加えている。とりわけ、原発事故をめぐっては、「難民」から「棄民」へとテーマそのものが深まりつつある。水俣や沖縄がより身近なものとなろうとしているのは、むろん、そのためだ。原発事故がもたらした災禍ゆえに、いまだにその輪郭すらつかみがたいが、そこに生まれつつあるのがまさに構造としての棄民状況であることは明らかで、その意味ではすでに水俣や沖縄で体験されてきたことと相似的だともいえる。

あの日から、福島ではたくさんの出会いと議論があった。そこから実践へと足を踏み出す人の群れが見えてきた。数も知れぬ草の根の活動がはじまっている。あらたな自由民権運動への可能性が見出されようとしている。

子どもたちの未来のために、未来の子どもたちのために、原子力に依存しない生活スタイルを、地産地消型のエネルギーを拠りどころとして創ってゆく。この傷ついた福島こそが、そうした自然エネルギー社会への転換の先進地とならねばならない。


えっ、自由民権運動?あ~あ。この人「遅れてきた全共闘」ですかね(コメ欄の笹団子さんが正しいですね。掲載サイトもそんな感じ)。福島を勝手にシソー実験場にするなよ。こんな反福島活動で暗躍する「県立博物館長」は、速やかに解任が妥当だ(他にもいろいろ「暗躍」やってるんじゃないか?)。オレラの税金返せ。

そう言えば近々ハリウッドが、写真集「ミナマタ」のユージン・スミスの映画作るとか・・・こうなるとイヤな予感しかしないにゃ(スミスの元妻、アイリーン・美緒子・スミスが日本の緑豆のボスじゃなかったっけ)、きっと「フクシマ」を引き合いに出して褒めまくるヤツとかが、沢山出てくるだろう。警戒警報だ。

「サンチャイルド事件」終わらないにゃ~。オレは早く「キクマコ軍団」に入らなきゃならないのにな、チクショー。

今はとにかくicchouさんのコレを挙げておきます。必読です。それから「おしどりデマ」ハッシュタグか何かが必要だと思うのですが。←できました! #おしどりマコ擁立問題 

ポストさんてん日記 立憲民主党公認、おしどりマコ問題のまとめ
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-887.html

(11/10追記)
ついに「極左集団」が擁護しだしたサンチャイルド

「民主主義的社会主義運動」(MDS)がサンチャイルド支持の立場を宣言した。
http://www.mdsweb.jp/doc/1550/1550_07c.html
この程度の表現の自由すら風評被害を理由に圧殺する福島の「風評ファシズム」はとどまるところを知らない。福島民報、福島民友の地元2紙も同様で、「復興」にマイナスになることは徹底無視して菊池や開沼に加担している。
 各地の原発訴訟を支援する原発被災者弁護団。その引用記事に河北新報(宮城県紙)が多く、地元2紙が少ないことに気付いた地元月刊誌「政経東北」は2紙が原発事故から目を背けていると批判した。足元からも厳しい批判を受ける福島の地元紙は報道姿勢を改めるべきだ。


何だか変だけどにゃ(菊池、開沼両氏がコメントしたのは河北ですが・・・えっ、「政経東北」ってあの郡山の・・・(目が点))。ま、とにかくサンチャイルドは極左が支持、ってことはよくわかった。極左は「風評被害を増殖させなければならない」そうだからね。お眼鏡にかなったのだろう。しかし、こんな事したら、ますますサンチャイルドの正体がバレて、作者や黒幕は(涙)ではないか?

(11/13 追記)
赤坂氏は本当に「遅れてきた全共闘」だった
ヒロイックな「メッセージ」がそれ臭かったので、半分フザけて書いたが、赤坂氏は本当に「遅れてきた全共闘」だった。
http://www.asakyu.com/column/?id=1040 参照
高校(都立国立?)で紛争(職員室占拠・封鎖)やって、仲間は退学。自分は進学・・・

「サンチャイルド事件」の「闇」(1) 本当の目的は「福島ビエンナーレ」の「反原発聖地巡礼」 裏にある「黒幕」赤坂憲雄氏の「ユートピア神話」

(固定された呼びかけ)
Ⅰ:朝日新聞2011年12月2日朝刊「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」(前田基行)の主人公「町田市の主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&日本共産党系活動家」です。TVにも出ています。完全に「フェイクニュース」です。動かぬ証拠があります(リンク先エントリーの②を読んでください)。
有馬理恵主演CM「ハインツ・パスタ 牛肉とイベリコ豚の粗挽きボロネーゼ fitness class編」
https://www.youtube.com/watch?v=ARRA7cxE8jw 朝日新聞よ、どうしてこの人が「主婦」なのか?

Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無い(=被ばく量と関係ない)ことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)

Ⅲ:カタカナの「フクシマ」が「福島はヒロシマと同じ核による惨禍の土地」という誤ったイメージを植え付け、差別につながるレッテルであると、脚本家の倉本聰さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらも指摘しています。山梨学院大学の小菅信子教授は、著書「放射能とナショナリズム」で、「フクシマ」は「福島をエネルギー植民地から反原発の聖地として再植民地化して支配するための名づけ直しだった」と指摘しています。「フクシマ」使用に反対します。

「黄色いアレ」は、8/28に撤去が決定、9/19~9/20の作業で撤去されたにゃ。めでたし、めでたし。
今回は「闇」に迫るのだにゃ。あちこち憶測交じりではありますが、かなり「論拠」があります。非常に長くなってしまったので、概観したい人は、最後の「簡単なまとめ」をどうぞ。

隠蔽されていた「8月サンチャイルド建立」の本当の目的は「反原発聖地巡礼」
なぜ今「サンチャイルド建立」なのか?これは市から全く説明がなく、「市長は拙速」批判の原因のひとつでもあった。このブログでは、事件は「反原発政治家」飯田哲也氏絡みということから、10月県知事選狙いか、と憶測していた。しかし思わぬところに本当の狙いがあった。

ヤノベケンジが「福島ビエンナーレ」記者会見に参加。撤去が決まった《サン・チャイルド》を語る 美術手帳9/5
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/18406
今回撤去の決まった《サン・チャイルド》は、今年の福島ビエンナーレでは二本松、南相馬間をつなぐ「アートバス」によってツアー形式での鑑賞が予定されていた。

なるほど、「建立」前の7/31の 美術手帳にも書いてあった
中通りから浜通りまでエリアを拡大した福島ビエンナーレ2018。失われゆく文化に触れて生まれる芸術とは
https://bijutsutecho.com/magazine/series/s15/18081
ほかにも福島市でヤノベケンジによる希望のモニュメント《サンチャイルド》が再展示されるなど、福島の様々な場所で、多様なメディアを使った作品が展開される。

「アートバス」の客は、最後に「サンチャイルド」を「巡礼」して、福島駅で解散の予定だったそうだ。実はこれがサンチャイルド8月建立の目的だったのである。「ビエンナーレ」は9/9開始だから、何としても8月に「拙速に」設置するしかなかったのだ。この「ダークツアー」の「サンチャイルド巡礼」は、「ビエンナーレ」の一部として予め、恐らく前回「ビエンナーレ」後の2年前あたりから計画されていた。福島市も「ビエンナーレ」会場にいつの間にか取り込まれることになっていた。更なる2年後2020年には、もっと大々的に、この「福島市会場」が喧伝される予定だったのかもしれない。「恒久展示」だったのだから、今後「ビエンナーレ」の主会場が県内どこになろうと、2年毎に福島駅前から「アートバス」を運行して、最後に「サンチャイルド巡礼」をさせればよいのだ。その度に「巡礼者」は、「福島は防護服が要るほど酷かったんだ!」と印象付けられ、「福島の原発事故の惨禍を風化させない、過ちは二度起こしません」と誓う、まるで原爆ドームのような「反原発聖地化」が狙いだ。これには長期にわたる、「周到な」計画が必要であり、市長やヤノベ氏、「ふくしま自然エネルギー基金」(寄贈者)らは、この目的もずっと「隠蔽」していたのである。今撤去も「拙速だ」と批判するビエンナーレ主催者の渡邉晃一福大教授らは、「せめてビエンナーレが終わる11/25までは撤去しないでくれ」と言いたいのだろう。「拙速に設置されたものの迅速な撤去」が拙速だ、なんて論理崩壊のイチャモンではなく、本音でしゃべってほしいものだ。こんなに「ウソ・隠蔽」だらけのサンチャイルドを「子どもの教育施設」に設置するとは呆れ果てた。やはり撤去が相応しいとしか言いようがない。

結局「サンチャイルド」は多くの人が直感したように、「福島の反原発聖地化」モニュメントだったのである。

最大問題は「公共施設に設置された経緯が不明」なこと
この事件については「アート」の内容に問題だらけなことは、世の中でかなり語られた。作者ヤノベケンジ氏や木幡浩市長らが「作品の意図」をいくら「希望」だと説明しようと、鑑賞者の受け取り方には、「科学的ではない」、「誤解を生む」、「風評加害する」等があり、更に問題なのは、「これが目に入ると、事故後の様々な嫌な事、不条理が思い出される」等の、現実の精神的被害があることだ。詳しくは前エントリーを見てほしい。しかし「ダークツアー」としてはそれが本来の「目的」になる。「希望」ではなく、「原発事故の負の記憶を風化させない」、「福島に原発と言う過ちを記憶させる」が目的なのだから。そして、このブログで問題にしたのは、「サンチャイルドはヤノベ氏、市長、「ふくしま自然エネルギー基金」(本当の寄贈者)は、「復興」、「希望」の象徴と主張するが、本当は「反原発とメガソーラーによる復興」の象徴である」こと、つまり、一民間団体でしかない「基金」の思想、政策、経済活動の象徴を公共施設に置くことが問題だと見た。(http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-244.html  参照)

しかし内容の如何にかかわらず、最大の問題は、「こむこむ」設置という「公共化=鑑賞強制」に至った、「手続きの不透明さ」である。どうして市民が鑑賞を強要されてしまう、「街頭」である「こむこむ」の前面に、サンチャイルド設置が決まったのか、そのプロセスは全く公開されず、市議会でもどこでも、議論された痕跡はない。市長が独断で決めたように見える。これは「こむこむ」が市の公共施設、すなわち市民の税金によって支えられている以上、全く許されない。「民主国家」だの「言論の自由」が保障された社会では、本来あり得ない「権力の市民に対する鑑賞押し付け」である。その上奇妙なことに、本当の寄贈者である「基金」は隠蔽され、「ふくしま未来研究会」が寄贈者となっている。これは公式発表であり、マスゴミは全てがそう報じている。また「ビエンナーレ」参加も全く隠蔽されていた。こうして経緯不明なまま、旧ソ連圏の「レーニン像」のようにいつの間にかサンチャイルドは街中で「公共化」した。中身云々より前に、この「不透明な手続き」が議論されるべきだったが、その論点は僅かに河北新報8/28が取り上げたものの、「反原発ファースト病」や「表現の自由病」、さらには「利権忖度」(地元マスゴミだけですが)にかかったブンカ人、チシキ人、マスゴミらによって、今でも全く霞んでいる。

市長、ヤノベ、佐藤、赤坂、渡邊各氏のウソと隠蔽
前エントリーの繰り返しになるが、
16年11月17日(木)19時頃、福島市荒町4-7「ギャラリー・オフグリッド」での「ふくしま自然エネルギー基金賛同者リレートーク」中に、ヤノベケンジ氏は突然、「ふくしま自然エネルギー基金」の佐藤彌右衛門氏に、(あの巨大な)サンチャイルドを寄贈した。これはしっかり記録がある「事実」だ。

証拠は前エントリー冒頭にあります。氏の「公式アーカイヴス」にそう書いてある。ところが、この単純な事実の発表がどこにもない。「サンチャイルド寄贈」の当事者たちの「発表」は以下のとおりだ。

ヤノベ氏の7/6「記者会見記録」
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/happyo/h3001/documents/4300706rinjikisyakaikenhatsugenroku.pdf 
このサン・チャイルド、2011 年に作った作品に対して、福島の方々が非常に、ある種の愛情をもって思い寄せていただいて、僕自身も当初はやっぱり今の状況を変えたい、無我夢中で作った作品だったんですけど、もちろん福島の方々ことを思いながら作ってきた作品だということで、そういう風な思いをいただけるならば、ぜひ寄贈させていただきたいということを、 2年ほど前から伝えていたのですが、この度市長の強い思いで、 こむこむという本当に子どもの施設、未来から来た子どもの像のこの作品が受け入れられる、招かれることになって、とても感動しております。
(中略)
ふくしま自然エネルギー基金の方々がちょうど、赤坂憲雄さんという方が運営しているオフグリッドというギャラリーで、エネルギー問題に関して作品を展開している作家を招きたいというときに、福島で僕がやってる活動を展示させていただいて、それがきっかけで、それ以前からサン・チャイルドについては非常に興味を持たれている方がたくさんいたのですが、寄贈していただきたいというきっかけで始まって 、寄贈しますと。そして2018年、 木幡さんがその話を聞かれて、それを市の方にぜひ展示したいという話になって 、実際展示するにあたっては未来研究会の方の協力によって運ばれるという、そういう様々な方の前向きな、ぜひぜひというようなものに後押しされて、それならば作品も幸せだ・・・

(赤坂氏が「エネルギー問題に関して作品を展開している作家」を必要とした。運搬・設置係は「研究会」ということになっているが・・・)

同ファイルから市長の「記者会見記録」
我々はこれからどんどん希望を持って前に進んでいかなければいけないですけれども、でもやっぱり原子力災害を受けたというこの事実、あるいはその我々のつらい思いを風化させてはいけないと思うんです。そういったことを風化させることなく、希望を持って前に進むという選択を、本当に私は福島のシンボルになる作品だと思います。それが本来、福島県で本当に設置していいかという議論もあるかと思うのですが 、そこは福島という名前が付いたわが街で、展示をするのが、私は 1番いいのではないかと思って、今回ぜひ福島市に寄贈いただきたいということでお願いしました。
(「希望」を表すだけでなく、「原子力災害を受けた事実」と「つらい思い」を「風化させない」のが目的になっている。)

ヤノベ氏8/10コメント
http://www.yanobe.com/20180810_KenjiYanobe_Statement.pdf
2014年、そんな中で出会ったのが福島の佐藤彌右衛門さんでした。福島で再生可能エネルギーによる電力会社を立ち上げ、福島から自主自立のエネルギー生み出し状況を変えたい 熱い想いをお持ちでした。そこで私は、自分にできることで協力をしたいと申し出ました。 佐藤さんが困難に立ち向かい実践される姿が、自分の中で《サン・チャイルド》に重なりました。福島市内の地域発電会社ビルにあるギャラリー・オフグリットで、展覧会をさせていただいた際に、《サン・チャイルド》の1/10模型を請われたことをきっかけに、もしお役に立てるのならという想いから、1 体目の作品も寄贈することにいたしました。(中略)
どこに設置するかは寄贈先のふくしま自然エネルギー基金にお任せしていましたところ、この度木幡浩福島市長が岡山県副知事時代に「サンチャイルド」などの作品を見ていただいていたご縁もあり、今回、ふくしま未来研究会を経て、福島市に寄贈させていただくことになりました。

(サンチャイルドは佐藤氏=メガソーラーで脱原発する人、を表していた。)

市長の8/13公式発表
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/hisyoka-hisyo/shise/goannai/shichonoheya/mayor20180813.html
「こむこむ館前に設置したサン・チャイルドは、精力的に復興への活動をされているかたから作者ヤノベケンジ氏の寄贈の意向を聞き受け、福島市において受入れを決め、最終的には一般社団法人ふくしま未来研究会様からご寄贈いただきました。」
(誰だ?いずれにせよ、「基金」の人のはずだが、「基金」の名前が隠蔽されている。)

8/13 佐藤氏 「このたび福島市にヤノベケンジさんのサンチャイルドが寄贈されました。」
http://www.fukushimafund.or.jp/770
私たち、一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金の活動理念に賛同し、再生可能エネルギーによる福島の再生に共感してくださったヤノベケンジさんから、10分の1サンチャイルド模型を当基金にご寄贈いただいたことがきっかけとなりました。
(中略)
私達が忘れてならないのは、二度と起こしては行けない原発事故です。福島と広島、長崎とは異なりますが、原爆ドームを残し戦後70年日本から世界に向けて核兵器の廃絶を訴えて来た広島、その事が広島の市民の自立と復興に繋がっています。福島も目に見えない放射線を受けた街です。大人達が止められなかった原発。その反省を忘れることはできません。

(この人はサンチャイルドを「福島の原爆ドーム」にするつもりだったのだ。何で福島だけが反省するのか?「国、東電」はどうした?)

7/6 記者会見を受けた報道の例 (河北新報 7/7)
現代美術作家ヤノベケンジさん、福島市に作品寄贈 原発事故からの再生願う
https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180707_63004.html
現代美術作家ヤノベケンジさんは6日、東京電力福島第1原発事故に着想を得たモニュメント「サン・チャイルド」を福島市に寄贈したと発表した。市は8月上旬から、JR福島駅近くの教育文化複合施設「こむこむ」に恒久展示する。
 作品は高さ6.2メートルの子どもの像。黄色い防護服姿でヘルメットを外して空を見上げ、放射線の不安のない世界を表している。
  現在ある3体のうち、2011年10月に初公開された最初の1体を、ヤノベさんが一般財団法人ふくしま未来研究会を通じて市に寄贈した。
 市役所で記者会見したヤノベさんは「原発事故からの再生を今こそ福島から発信すべきだ」と強調。一方で「どう受け止められるかとも思った」と語り、作品展示が被災者感情に与える影響を気に掛けた。
 これに対し同席した木幡浩市長は「原子力災害を受けた事実を風化させず、希望を持って前進するシンボルになる」と感謝した。


各社とも巧みにごまかされて、こんな内容だった。なぜ、この当事者たちは、「今回のサンチャイルドは、ヤノベ氏が二年前に「基金」に寄贈したものです」と明確に言わなかったのか?そして、9月から始まる「福島ビエンナーレ2018」の展示作品となります、と言わなかったのか?

16年11/17の突然の「寄贈劇」の不自然さ
16年11/17の「寄贈劇」が「表面的には」、今回の「サンチャイルド事件」の全ての始まりである。こんな事がなければ、こんな福島人をバカにした事件は無かった。しかし、本当に「突然」だったのかは「?」である。「公式アーカイヴス」なんてものは、「歴史上の偉人物語デッチアゲ装置」であるから、インチキな「美談」が腐るほど混ざっている。またここには「報道機関」が招待されていたので、観客+報道向けの「パフォーマンス」だったことは十二分に考えらえれる。もっとも実際は民友が伝えただけで、しかも「突然の寄贈」は入っていなかったようだ。これも不思議なことではあるが、こんなの「マニア」にしかニュース価値が無かったのだろう。
美術家・ヤノベケンジさんが人型模型を寄贈 自然エネ基金に マネプニュース 16年11/18
http://manebu.net/list1/?det_id=601843

この「トーク」出席者は、ヤノベケンジ(現代美術家、京都造形芸術大学教授) 渡邊晃一(福島大学 絵画・現代美術教授) 荒木康子(福島県立博物館学芸員) 赤坂憲雄(福島県立博物館館長、学習院大学教授) 佐藤彌右衛門(一般財団法人ふくしま自然エネルギー 基金代表 会津電力社長 大和川酒造社長)が予定されていたが、渡邊氏は何かの都合で実際には出席しなかった。とにかくこの面々は、「隠蔽」に加担している。

「サンチャイルド」は、ヤノベ氏は福島市にではなく佐藤彌右衛門氏=「ふくしま自然エネルギー基金」に贈ったが、ヤノベ氏は、「2016年10月現在」、「基金」の「賛同人」だった(http://www.fukushimafund.or.jp/message/support-message 参照)。この事から見ても、サンチャイルドは「基金」の思想、政策に合致している。とは言え、11/11の「寄贈劇」の、あれだけ巨大な「アレ」を、突然「あげます」、「わかりました」で話が済むわけはない。一番の問題は保管場所である。ガキじゃあるまいし、それを抜きにこんな話はない。

https://twitter.com/yanobekenji/status/784536554199015424
福島市のギャラリー・オフグリッドにて本日14時30分より。民俗学者 赤坂憲雄さんとの対談を開催します。東北を深く知る氏と公で言葉を交わすのは初めて。緊張しますが何か起こる予感…。

16年10/7のヤノベ氏のツイートである。少なくともこの時点で、「何かが起こる」=「寄贈劇」が構想されていたのだろう。そして興味深い点は、寄贈された「基金」のHPにすら、「16年11月に1/10サンチャイルドと共にサンチャイルドも「基金」に寄贈されました」とは、全く載っていないことだ。このことは、「突然寄贈されたサンチャイルド」は、しばらく「隠蔽?温存?」され、「2年後のビエンナーレ2018に合わせて福島市に寄贈される」という「路線」が、予め決められていたことを示唆している。で示すが、ヤノベ氏の作品は2012年から、「ビエンナーレ」で毎回展示されている。と言うことは、この「トーク」の時点で、今年のビエンナーレへのヤノベ作品の展示は規定路線で、それがサンチャイルドだった。そうでなければ、ヤノベ氏と渡邉氏はサンチャイルドとは別のヤノベ作品を、「福島ビエンナーレ2018」用に準備しなければならなくなる。そんな不経済なことは絶対にない。サンチャイルドの福島市内展示は16年11/17の時点で、「福島ビエンナーレ2018」の企画として考えられていて、「突然の寄贈」はその第一歩だったのである。哀れなサンチャイルドは、ここからウソ・隠蔽まみれになり、結局解体・撤去になってしまった。これは作者を含めた「当事者」たちのの責任である。

(それなら「トーク中の突然の寄贈」なんて「演出」しなけりゃよかったのにね、という疑問が当然沸きますが・・・作者の「ファン」に対する「ウケ狙い」的な何か、「伝説づくり」みたいなのがあったのでしょうかね?ところが後になってから、「福島市内展示」は簡単には出来ないことに気づいた、とか?)

この「トーク」は、学習院大教授・福島県立博物館長の赤坂氏が司会者だったが、この「突然の寄贈」を隠蔽しながら福島民報に「サンチャイルド擁護」コラムを書いているのは、前エントリーに書いた通りだ。(ちなみに福島県立博物館は、会津若松市にあります)

日曜論壇 不安に怯えるカナリアよ(8月26日)
http://www.minpo.jp/news/detail/2018082654732


この人は、「基金」の評議員でもあり、「基金」の「メッセージ」を起草し、佐藤氏が経営するメガソーラー会社「会津電力」と「飯館電力」の役員でもある(つまり会津コネクションだ)。7/6ヤノベ氏の発表にあるように、そもそも赤坂氏は「エネルギー問題に関して作品を展開している作家」を欲し、その結果が「1/10サンチャイルド&本物サンチャイルド寄贈」であり、その「トーク」の会場は赤坂氏が主催する「ギャラリー・オフグリッド」だった。この突出した関わりぶりは記憶に値する。

そして「トーク」に来る予定だった、渡邊晃一福大教授との関係も注目に値する。この人は「福島大学芸術による地域創造研究所」所長で、2年毎に開催される「福島ビエンナーレ」の実行委員長、責任者である。渡邊氏は撤去決定後のNHK「はまなかあいづ」や朝日で「識者」としてコメントしているが、そもそも2012年に「サンチャイルド」を福島空港での「福島ビエンナーレ」に持ってきた「インサイダー」であるから、中立的「識者」の資格は無い。その上、サンチャイルドの目的が「アートバス」による今年の「ビエンナーレ」参加であることを、全く隠蔽し続けたという腹黒さだ。

赤坂氏、渡邊氏、佐藤氏の関係は、早くも震災前の2010年には始まっている。
福島ビエンナーレ2010のイベントとして行われた「アートトライアングル ディレクターズ・トーク」
http://wa-art.com/bien/bien2010/calender.html 
福島・会津・いわきアートトライアングルを語る
http://iserv.jc.u-aizu.ac.jp/~urushi/artfes/event/detail/id320.php
佐藤氏は元々、会場となった大和川酒造の社長である。「美術愛好者」でもある。
https://ja-jp.facebook.com/yauemon
「最近現代アートにも興味をもち、自社の美術館設立を夢としている」
そしてこのイベントは、赤坂氏が「福島ビエンナーレ2010」で「ディレクター」として参加したことを示している。具体的に何をやったかは知らんが、氏は喜多方での何とかという美術展の総合プロデュースをやっているので、「アート・ディレクター」として、この「トーク」で話をしたのだろう。

8/31市長の「変節」
ところで市長は、撤去決定後の8/31、FBに次のような書き込みをした。なお、これは「誠福丸」さんの「研究所」についての猛チャージに耐え切れなくなって、書いたものと思われる。
kohatafb1.jpgkohatafb2.jpg

ここには「寄贈の話は、メディアにも出ている通り、ヤノベさんから寄贈されたふくしま自然エネルギー基金からお聞きし、同基金と調整を進めておりましたが、寄贈はふくしま未来研究会からにしてほしいとの申し出を受け、未来研究会はこれまでも多大な公的貢献をされている団体なので、了承しました。これらは全て市として組織的に行なっています。この際の基金と未来研の関係は、民間と民間の関係であり、市としても私個人としても関知していません。」と書いてある。この後は「研究会」を褒め称えているが、これは市長としては「基金」については「よく知らないよ」で、「未来研」は「ヨイショしますよ」、という「宣言」に見える。

すなわち、市長はこれまでの発言(「基金」は隠ぺい)を覆し、ヤノベ氏と佐藤氏(「基金」)の「隠蔽」を認めた。ここで言う「メディアにも出ている通り」は、朝日新聞の7/14記事「てんでんこ」と、8/28キャリコネニュース記事を指すものだ。この二つの記事(と当ブログ)しか「基金」が本当の寄贈者であると書いていないのである。従って、朝日とキャリコネの報道が、基本的に事実を伝えていると言える。朝日の記事は「基金」のHPにも掲載されている。
「未来に希望を持てるようなポジティブなエネルギー」。彫刻に思いを込める。
http://www.fukushimafund.or.jp/776
この事実は大きい。ここでこの二つの記事を要約しておくと、

朝日新聞7/14「てんでんこ 自然エネルギー100%  (27) アート」(石井徹)
「サンチャイルドは2年前、佐藤が代表理事を務めるふくしま自然エネルギー基金に贈られた。巨大さゆえに置き場所に困ったが、福島市が名乗りをあげ、寄贈が決まった。」

福島市の「サン・チャイルド」撤去へ 設置時に市は133万円負担「撤去にも同じくらいかかる見込み」2018.8.28 キャリコネ編集部
https://news.careerconnection.jp/?p=58783
像は撤去後に分解され、市で保管する予定
「サン・チャイルド」は東日本大震災をきっかけに、2011年からヤノベ氏が複数制作している。このうちの1体が2016年、同作品の10分の1スケール像と共に、「ふくしま自然エネルギー基金」に寄贈された。
市の担当者によると、同基金から福島市に「寄贈したい」という声があったのは今年に入ってからだという。市へは、像の所有者である「ふくしま自然エネルギー基金」ではなく「ふくしま未来研究会」から寄贈された。別団体からの寄贈になった理由は「詳しい経緯は不明」だと言う。


「民間と民間の関係」
市長の「民間と民間の関係であり、市としても私個人としても関知していません」は、ここまでの経緯からは「ウソをつけ!」と言いたくなるが、案外本当の事ではないか、と思う。つまりこの期に及んでさらにウソを重ねるのは、バレれば政治的死亡は免れない。このFB発言は、「基金」との決別宣言ともとれるが、「関知していません」がウソだとしたら「基金」側からバレていく可能性がある。当選後まだ一年も経たない市長にとって、そこまでキケンなことをする価値は無い。約2年で次々と任地を変えて出世階段を上って来たこの市長の「長所」は、危険察知力と「変わり身の速さ」だろう。そして市長の「減俸」は、「決定までの拙速さ」(と税金のムダ使い)に対してのものだ。これはある種の「けじめ」として重みを持つが、このことに着目した報道、ネット言説はほとんどない。強調しておくが、この「ゲージツ」の意味などよりも、この「ゲージツ」が突然公共の場所に現れて、市民は「鑑賞」を強制され、福島の「象徴」とされかけたことが大問題なのであり、このことについて「減俸」が起こっている。この「ゲージツ」は「基金」の思想を強制する「レーニン像」であったが、この「レーニン像」の撤去を「(拙速ではなく)迅速に」決めた市長は、自分が蒔いた種とは言え、評価されるべき点もある。

「基金」は16年2/4に、反原発政治家飯田哲也氏のISEP(環境エネルギー政策研究所)の思想に基づいて出来た。「ドイツの市民電力会社シェーナウ電力をはじめ国内外からの福島復興支援の受け皿として設立されました。全世界の支援者の皆様からのご寄付を原資に、福島復興未来創造のプロジェクト、福島第一原発事故の記録、記憶をとどめるアーカイブ事業を推進します。」という団体で、遡ると佐藤氏会長、飯田氏理事で13年2/20に出来た「会津自然エネルギー機構」が、母体である。代表理事の佐藤氏は「会津電力」社長、「飯舘電力」副社長でもある。両社は赤坂憲雄氏が役員となっており、飯田氏は前者の役員でもある。一方「研究会」は「代表理事(佐藤勝三氏)の個人資金3,000,000円をもとに発足」した、「30年後を見据え、福島を元気にする活動をおこなう個人・団体の支援、助成」団体で、メガソーラー支援も柱の一つとしており、「信夫山福島電力」と「吾妻高原ウィンドファーム」が傘下にある。

両団体の共通点は(「寄付金集め」と)「メガソーラー」で、「研究会」の佐藤勝三(佐藤工業前会長)氏と、佐藤工業現社長の佐藤勝也氏は、「基金」の賛同人でもある。大違いは「基金」が福島を風評加害で貶める「反原発」という「思想的背景」があることだ。理事飯田氏の他にも、「基金」の「賛同人」は「反原発」の「福島風評加害者」だらけなのだ。また、市長は「飯舘電力」の飯舘村出身であるから、「基金」とは無関係とは言い切れない・・・これ以上は「関係」は不明であるが、少なくとも「基金」から「研究会」に「研究会から寄贈にしてけろ」と頼んだことは間違いない。そこには「基金」にとってのメリットがあったはずだ。駅前再開発に関わる「研究会」に対して、「サンチャイルド」は集客力のある「新名所」になるから、「研究会」にとってもメリットがある、などと言ったのかもしれない。勿論ヤノベ氏の言った「運搬」担当でもあっただろう。これで運搬費がかからなくなった可能性もある。

前市長小林香氏と「基金」の深い関係
サンチャイルド事件の中心は「基金」で、そこには「反原発」という「思想的背景」がある。そして当選後数か月の「拙速な」市長が、長期に渡って巧妙に構想された「基金」の描いた「シナリオ」に乗せられた可能性もある。こう思うのは、前市長小林香氏が16年10月には「基金」の「賛同人」になっていて、現市長よりも遥かに深い関係になっていたからである。

16年11月3、4日の「第1回世界ご当地エネルギー会議」は、前市長が「全面協力」した。1/10サンチャイルドが「基金」のシンボルとして飾られた「公式晩餐会(16年11/3 19:00 場所:福島グリーンパレス)」では、小林市長は「挨拶」をしている。
http://www.wcpc2016.jp/about/
https://aipower.co.jp/archives/tag/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%94%E5%BD%93%E5%9C%B0%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BC%9A%E8%AD%B0

この「会議」で、実行委員会が「主催」、「共催」は福島市と「基金」と書いてあるが、これはインチキな書き方であり、本当は「実行委員会」に含まれる団体全部と、市と「基金」が「共催」したのである。つまり、「福島市」は「第1回世界ご当地エネルギー会議」を「基金」と共に「主催」したのだ。これは相当ヤバいのではないか?「実行委員会方式」は、自治体から出ていく金の問題で「不正の温床」とよく言われる。

この同じ月に、例の「リレートーク」も行われた。従って、「サンチャイルドを2年後のビエンナーレの時には小林市長の手で福島市で展示していただく」という「密約」があったとしても、全く不思議ではない。現市長は(当選してしまったために)小林前市長の「密約=サンチャイルドを市で引き取る」という「負の遺産」を実行するハメになったのかもしれないのだ。とにかく16年秋が、このサンチャイルド事件の始まりだ。

「研究会」から寄贈としたことの「効果」
ではなぜ、「基金」は「研究会」から寄贈、という手の込んだことをしたのか?もちろん、http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-244.html で指摘した、「サンチャイルド」は「反原発+メガソーラー」による未来を表したもの、すなわち「基金」の思想そのものであり、この一民間団体の思想・政策を表したモニュメントを公共施設に置く、という危なさ、インチキを隠すため、という目的はあるだろう。しかし、「研究会」だって一民間団体で、メガソーラー推進である。もちろん「運搬係」もあるが、たったのこれだけで「寄贈者」を変えることはない。全ての理由は、「基金」が白状しない限り「謎」であるが、ここでは「研究会が寄贈」にしたことの「効果」、「基金」にとっての「メリット」は何があったかを見て行こう。

現市長の昨年12月の当選は、「研究会」の元締めである、福島市を中心としたゼネコン=佐藤工業が、前市長側から現市長側に寝返ったため、とも言われた。これが事実ならば、市長は絶対に、「研究会」からの「寄贈」は断るわけにはいかない。「研究会」代表の佐藤勝三氏が会長を務めた佐藤工業は、福島県の公共工事を独占的に請け負うと言われ、福島市はもちろん、県内経済界におけるその影響力は絶大だ。地元新聞、テレビでも手も足も出ない。

8/3のサンチャイルド設置、除幕式は民報、民友とも報じていた。しかし、8/13にはサンチャイルドについて批判が起こったことを、朝日を除いた全国紙、海外のBBC、ガーディアン、デイリー・メール、シカゴ・トリビューン、ニューヨーク・ポスト、フランス通信社、新華社等が報道し、隣県の河北新報は一番詳しく書いていたにも関わらず、地元新聞は沈黙した。地元民報テレビも報じていない。こむこむに同居しているNHK福島も報じていない。河北の詳報ぶりが、逆に福島県内報道機関の「忖度」を物語っていた。とにかく圧倒的に奇妙な県内報道機関の態度だった。こんなのは見たことない。

8/18のアンケート開始は、NHK福島と時事通信は報じたが、地元紙、地元民放は報じなかった。
そしてその後、地元マスコミがようやく始めた報道は、サンチャイルド擁護だった。民友は8/18社説で「撤去必要なし」を打ち出し、民報は8/26に赤坂氏のコラムを載せた。

これらは「研究会」=地元ゼネコンが寄贈者になったことの効果があったと考えられる。
もっとも、民友は、五阿弥宏安社長が「基金」の賛同人だったので、完全な「当事者」であり、「論外」だった。
前エントリーの最後参照)

朝日の沈黙は、7/14でポロっと事実を書いたが、寄贈者が「研究会」になってから「何かある」と気付いたためだろう。NHK福島がアンケート実施まで沈黙し、その後8/28「はまなかあいづ」で通行人インタビュー3人全員が「擁護」、インサイダーである福大渡邉教授「コメント」という、「擁護寄り路線」を取ったのは、局内に「反原発」がいるからかもしれないし、市営の「こむこむ」に同居しているための「忖度」かもしれない。ま、両方だろう。

撤去決定後の報道も、地元紙とNHK福島はじめ、奇妙なものが多かった。これについては次回。

「黒幕」は誰か?
ここまで巧妙な戦略を考えた「基金」の頭脳には敬服するしかない。これは「基金」佐藤代表理事なのか?しかし、先に上げた8/13の佐藤氏の「このたび福島市にヤノベケンジさんのサンチャイルドが寄贈されました。」における、サンチャイルドを広島の「原爆ドーム」と同等として、福島は核の惨禍を忘れず「反原発運動」で復興しなければならない、長崎はそれをしなかった。とモロに書いてしまうウカツさからは、ちょっと違うように見える。

この事件に関わった「頭脳」候補の「思想家」が二人いる。

「基金」の「メッセージ」は荘厳な「脱原発神話」で、起草したのは赤坂氏である。
http://www.fukushimafund.or.jp/message
「われわれは原発事故によって深く傷付いた福島の地に拠るがゆえに、原子力エネルギーという人智が制御しえぬ荒ぶる神の火を捨てようとしている。そうして、風や陽光や水の流れ、大地の熱や森の間伐材などからエネルギーを贈与していただく自然エネルギーへの転換を進めてゆくことを願う。赤坂憲雄(福島県立博物館長)」

「基金」のルーツは先に書いた「会津自然エネルギー機構」(13年2月発足)だが、もう一つは、14年2月1~2日の「コミュニティパワー国際会議2014 in 福島(一日目福島市&二日目喜多方市で開催)」であった。これは「反原発政治家飯田哲也氏(民主党政権の委員・顧問で、その後日本未来の党の党首代行、12年には、山口知事選と衆院選山口一区に立候補・落選)」のISSP(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所)が主催、ふくしま再生可能エネルギー事業ネット、 会津自然エネルギー機構が共催した。「協力」には「ふくしま会議」が入っていた。赤坂憲雄氏は全体で重要な講演者、パネリストを務めた。喜多方での2日目に参加した佐藤氏よりもプロパガンダの役割は大きかった。
http://www.isep.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/02/e4f2eb3fc4d574efcbc8d5dae5a99a82.pdf
ここにある「福島コミュニティパワー宣言」(2014年2月2日 喜多方)」は、赤坂氏が「まとめた」そうだ。
http://www.fruitbasket.jp/blog/?p=4158 https://aipower.co.jp/archives/254  参照
赤坂氏の得意分野は、荘厳な「神話創造」だけではない。

ときの人 赤坂憲雄さん  12年8月10日 アート・アニュアル・オンライン
http://www.art-annual.jp/column-essay/column/3791/
東日本大震災復興構想会議の委員を務め、復興には文化芸術が不可欠と訴えるも、予算案では明記されなかった。「促進事業費」による対応が可能とされるにとどまったことへ、「文化が復興しなければ、コミュニティの再建などありえない」と強調する。所長をつとめる遠野文化研究センターでは全国に献本をよびかけ、一年で約30万冊が集まった。今後の文化復興支援のモデルともなりうる、信念の実践である」
赤坂氏は「復興には文化芸術が不可欠という信念の実践者」だ。そして「復興構想会議」と言えば、こんな記事もあった。

東北から“50年後の日本”を描く | 対談:赤坂憲雄×後藤正文 ...The future times 2013.10.2
http://www.thefuturetimes.jp/archive/no05/akasaka/
「復興構想会議のなかで福島を自然エネルギー特区にしてほしいっていう提案もしたけれど、政治家でそれに賛成したのは菅直人さんだけだった」
「福島という土地は、そういう発想の転換を避けては通れないんですよ。つまり、ここで新しい社会をデザインするという方向に足を踏み出さなかったら、生きていくことができない土地なんです。だから逆説的に、僕は福島こそが〝はじまりの土地〟になると語ってきました。希望というものを求めて、困難であれここから歩み出さざるを得ない。変わらないという選択肢はあり得ない。戻ることもできない。福島は新しい社会をデザインするための、その〝はじまりの土地〟になることによってしか生きていけないんです。」


もう一人の「思想家」飯田氏は、2000年にISPEを作って民主党政権の委員を歴任、この「コミュニティパワー国際会議」時点まで、出身地山口での「脱原発」実現を狙っていた。しかし12年の選挙で惨敗して、13年からは福島に接近した。「2014年1月21日山口市内のホテルで記者会見を開き、山本繁太郎山口県知事の任期途中での病気辞任に伴う次期山口県知事選挙(2014年2月6日告示、2月23日投票)に立候補せず、在野の立場でのエネルギーシフトと21世紀型の新しい地域社会づくり(新しい地域創造活動)に専念する「『第三の途』への出馬」を表明。まもなく「飯田てつなりサポーターズ(後援会) 」および「みらい山口ネットワーク」は解散」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%AF%E7%94%B0%E5%93%B2%E4%B9%9F_(%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%AD%A6%E8%80%85 より)

飯田氏は14年に山口から福島に「脱原発」の狙いを変更した。これに呼応したのが、赤坂氏、佐藤氏だった。
飯田氏は現在「基金」の理事でもある。繰り返しになるが、福島について何を主張しているかと言うと、
https://www.isep.or.jp/archives/info/10837
ISEP所長メッセージ「フクシマから太陽の時代へ」2018年3月11日
•福島県内で甲状腺がんと診断された160名(事故当時18歳以下)、そのうち手術を受けた患者84人のうち約1割・8人が甲状腺がんを再発しているほか、胃がんや悪性リンパ腫など他のがんや心臓疾患などが有意に増えている現実に向き合わず、原発事故の影響ではないという真逆の結論を先行させ、検査の縮小や放射線の影響そのものを否定する言説がまかり通り、いっそう混迷を深めていること。

二人の「思想家」には「興味」の違いがある。赤坂氏=「芸術」、飯田氏=「政治」である。

「ふくしま会議」の「意見や立場の食い違い」
ところで、赤坂氏が代表幹事で、佐藤氏も参加して14年には存続していた「ふくしま会議」だが、16年2/10にこんなニュースがあった。
「ふくしま会議」昨秋、解散していた 復興策提言 産経16年2/10
https://www.sankei.com/affairs/news/160210/afr1602100005-n1.html
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の福島県の課題について市民や有識者が議論し、復興策を提言してきた「ふくしま会議」が解散していたことが9日、分かった。同会議からはさまざまな団体が派生しており、「一定の役割を終えた」(関係者)としているが、背景には参加者同士の意見や立場の食い違いもあったといい、復興・再生をめぐる意見集約の難しさも浮き彫りとなった格好だ。
 平成23年11月に開催された第1回会議には、会場の福島大学に国内外から約500人の市民が集まり、当時の閣僚も参加。会議の模様はインターネットで生中継された。その後も毎年、さまざまなテーマで議論を積み重ねてきた。
 会議は多くの成果を生んだ。議論をきっかけに、会津地方で再生可能エネルギー事業に取り組む「会津電力」が発足したほか、参加者の中からは女性起業家も誕生。24年7月からは社団法人として活動していたが、昨年10月に解散した。
■ふくしま会議 東京電力福島第1原発事故後、高い放射線量や風評被害などに見舞われた福島の現状や課題について、立場の違いを超えて復興に向けた議論をしたり、出会いの場を作ったりしようと、民俗学者の赤坂憲雄さんや作家の玄侑宗久さんらが共同代表となって設立された。赤坂さんはその後、代表理事を務めていた。平成23年11月11日に第1回会議を開催して以降、年1回開かれ、派生した団体などが県内各地で活動を展開している。
■「ふくしま会議」の活動や成果
◯会議の議論をきっかけに自然エネルギーの積極的な利用を掲げる「会津電力」が発足
◯原発事故をテーマにした演劇を福島の女子高校生らと共同制作、全国各地で上演
◯会議に参加した20代女性たちが「福島でどう生きていくか」について意見交換する団体を設立
◯会議の模様を日英同時通訳でインターネット中継し、世界に発信


期待された「ふくしま会議」だったが、HP「ふくしまの声」は消え、驚くことに今ではその痕跡は
https://ja-jp.facebook.com/FukushimaKaigi/ と、
http://archive.fo/fukushimanokoe.jp しか残っていない。余程の「対立」があったのだろう。上記記事が伝えるような、「いつの間にか解散していた」というのも、異常事態だ。

「ふくしま会議」から「会津電力」が生まれ、「路線対立」が生じて解散。代表理事の赤坂氏と佐藤氏の会津コンビによる、「脱原発メガソーラー路線」に、周りがついていけなくなったのではないか?

会津電力は13年8月1日に出来た。これより前の13年3月には、佐藤氏は「会津自然エネルギー機構」を立ち上げ、会長となった。
これは14年5/23に佐藤氏代表理事、飯田氏理事で設立された、「全国ご当地エネルギー協会」の傘下となる、社団法人である。
http://communitypower.jp/tag/%E4%BC%9A%E6%B4%A5%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%A9%9F%E6%A7%8B
発足式では顧問の飯田哲也氏、福島県博物館長で「ふくしま会議」代表理事の赤坂憲雄氏との鼎談パネルディスカッションも行われた。https://www.advertimes.com/20130226/article103068/ 参照
つまりこの時点で、赤坂氏、佐藤氏は飯田氏と手を組み、「ふくしま会議」をこの方向に持って行こうとしたのだろう。しかし飯田氏のような「反原発政治家」で、福島を風評加害する人と一緒に活動できない人が「ふくしま会議」にいたことは、容易に想像できる。
例えば、常に福島への風評加害を批判しているフリーランス・ライターの林智裕さんは、「ふくしま会議」のメンバーだった。

16年11月3,4日には、福島市にて第1 回世界ご当地エネルギー会議が開催された。先に書いたように「基金」と福島市が共催、小林前市長が「全面協力」し、1/10サンチャイルドが「基金」のシンボルとして公開された。佐藤、赤坂、飯田、小林香氏がこの「会議」の中心にいた。その「宣言」はコレ
https://www.env.go.jp/press/y0618-08/mat07_5.pdf
サンチャイルドの「突然の寄贈」は、一週間後の11/11だった。

時系列の「まとめ」
やっと問題の16年11月に戻ってきたが、ここまでの経緯を時系列で並べると、

10年11/20  福島ビエンナーレ2010 ディレクターズ・トーク (喜多方 大和川酒造)
            赤坂、佐藤、渡邊氏邂逅
11年3/11  東日本大震災
11年4/14   「東日本大震災復興構想会議」発足 委員赤坂氏
11年11/11  「ふくしま会議」発足 代表理事赤坂氏
12年2/10 「復興構想会議」解散 赤坂氏の「復興に文化芸術が不可欠」「福島自然エネ特区」主張挫折
12年7月     飯田氏山口県知事選「脱原発」を掲げ惨敗
12年8月    福島空港で福島ビエンナーレ2012 サンチャイルド展示
12年11/13  飯田氏講演「再生可能エネルギーと会津の役割」(喜多方 大和川酒造)
12年11/27  「日本未来の党」結成 飯田氏代表代行
12年12/3   飯田氏衆院選山口一区で「脱原発」を掲げて立候補 惨敗
12年12/28   「日本未来の党」分裂・解散
13年2/20  「会津自然エネルギー機構」発足 会長佐藤氏 理事飯田氏
13年8/1  会津電力(株)発足 社長佐藤氏 顧問赤坂氏 「会津電力は「ふくしま会議」から生まれた」
14年1/21  飯田氏、山口での政治活動を断念 ターゲットを福島に変更
14年2/1,2  コミュニティパワー国際会議2014 in 福島 主催飯田氏のISEP 赤坂氏が「宣言」 
         基調講演 パネリスト 佐藤氏パネリスト 赤坂・佐藤・飯田連携が始まる
14年5/23  全国ご当地エネルギー協会設立 代表佐藤氏 理事飯田氏 
14年10/1  福島ビエンナーレ2014(喜多方) ヤノベ氏作「サン・シスター」展示 
15年10月    「ふくしま会議」解散
16年2/4   「ふくしま自然エネルギー基金」設立 代表佐藤氏 メッセージ&評議員赤坂氏 理事飯田氏 
         賛同者小林前市長 
16年3/9   「シェーナウ環境賞受賞記念『ふくしま自然エネルギー基金』設立記念シンポジウム」
          小泉純一郎(記念講演)「自然エネルギーが日本を変える」(福島市公会堂)
       (この間のどこかで、小林前市長と佐藤氏ドイツ再エネ組織・施設見学)
16年10月?   赤坂氏「エネルギー問題に関わる作家を招きたい」
16年10/8 ヤノベ・赤坂対談「福島へのメッセージ」 於福島市ギャラリー・オフグリッド
16年11/3 ,4 第1回世界ご当地エネルギー会議(福島) 福島市、「基金」共催 小林前市長全面協力
16年11/17 「基金賛同者リレートーク」 ヤノベ氏 佐藤氏 赤坂氏 渡邉氏(当日不参加) 
        サンチャイルド「基金」へ寄贈 (2年後市でビエンナーレ展示の「密約」?)
16年11月  ヤノベ氏の「フローラ」 二本松菊人形で「福島ビエンナーレ2016」として展示
17年12月  福島市長選 木幡氏当選
18年3/1  木幡市長 ツイッターでサンチャイルド寄贈ほのめかし
18年7/6   サンチャイルドの市への寄贈発表
18年8/3   サンチャイルド設置~批判で炎上
18年8/29    サンチャイルド撤去決定
18年9/9   福島ビエンナーレ2018開始 「アートバス」によるサンチャイルド巡礼計画挫折
18年9/20   サンチャイルド解体・撤去


こうしてみると、「基金」は「ふくしま会議」の、「赤坂・佐藤・飯田」派が独立した「セクト」であることがよくわかる。また、「会津自然エネルギー機構」の福島全県版でもある。そして赤坂氏が一貫して思想的バックボーンとなっている。ヤノベ氏の作品が、12年福島空港→14年喜多方→16年二本松→18年福島(予定)と、ビエンナーレで着実に進んできたことも見える。今回のサンチャイルド「こむこむ」展示がビエンナーレと関係ないはずはなかった。むしろビエンナーレが目的だった。

結論
すなわち、「サンチャイルド事件」の「黒幕」は、赤坂氏だろう。「福島は原発事故で酷い傷を受けたが、このことを風化させず、逆にそこから立ち上がって脱原発、メガソーラーで地域から復興しなくてはいけない。これがやがて世界に広がっていく。この『はじまりの土地』としての復興には、シンボリックな芸術が欠かせない」という赤坂氏の「思想」、「神話」に、サンチャイルドは最適、欠かせなかった。赤坂氏は「芸術的脱原発ユートピア」とでも言いたいような、ロマンチックな「福島の原子力に対する美しい復讐、あるいは浄化の物語」を、実現しようとしていたのだろう。これは一人の「思想家」の壮大だが勝手な「自己実現願望」であり、11年当時のまま更新されていない古びた妄想でもある。

問題は、これが事実ならば、こんな単なる一個人の極端な脳内御花畑「思想」が、全く「隠蔽」されたままで、自己実現のために我々を「実験台にして」、公共空間で「強制鑑賞」が実行されかけたこと、そのことに市民が巻き込まれ、不快感も、怒りも、精神的被害も、身体的症状も、税金の無駄遣いも、「分断」も起こり、それは取返しのつかない傷になってしまったということだ。そもそも赤坂氏の出世作「東北学」の中には、「東北は東京の植民地だ、自立すべき」ということもあったと思うのだが、東京小平市に自宅がありながら十数年も「福島県立博物館」館長を独占すると言われる「チシキ人」が、本当の目的をコソコソと「隠蔽」しながら、福島を勝手に自分の思想、「神話」、「聖地化」の実験場にするということならば、これこそ「植民地化」、「オリエンタリズム」ではないか。宗主国の支配者が、本国で出来なかったユートピアを植民地で実行した、GHQ左派の日本占領政策や、南満州鉄道の先進技術と同じだ。原発植民地が脱原発植民地になるだけじゃないか。

我々は東京のブンカ人チシキ人から見たら、植民地の劣った被支配民族だろうが、「反原発」と「マスゴミ」等による脅し、デマの数々・・・「福島は放射能で人間が住めない」、「廃県にしろ」、「子どもを殺す気か」、「被ばく鼻血」、「美味しんぼ」、「毒米作る福島の農家はオウムと同じ」、「葬列デモ=いずれ被ばくで死ぬ福島の子どもの葬式を先にやっておく」、「お待たせしました奇形誕生」、「福島の女性とは結婚するな」、「福島産のモモをミスピーチの前で吐く」、「殺人駅伝」、「福島に来ないでください、福島の物を食べないでください」、「自主避難しない人は国・東電の手先」、「子どもの甲状腺がんが多発」、「汚染水」、「福島を食べて応援していた人が死んだ」、「プロメテウスの罠」、「こちら特報部」、「武田邦彦」、「クリス・バズビー」、「バンダジェフスキー」、・・・数えきれない酷いデマ、ヘイト、差別、いじめ、フェイクニュース等を喰らい、その度に悲しく悔しい思いをした現実こそが、被支配民族の劣ったアタマの中で嫌でも「風化しない」のである。サンチャイルドを見せることで、これ以上何を「風化させたくない」と押し付けるのか?「過ちは二度と繰り返しません」か?どうせ数字抜きの「被ばくした現実は否定できない」等と称して、福島人を原爆と同じ巨大な「核の悲劇」の犠牲者に仕立てて、「だから原発は悪、原発は廃止しなければいけない」と結論付けるつもりだろう。地球上では常に全員被ばくしてますよ。放っておいてくれませんか?福島が「思想」や「神話」に利用されること、「フクシマはかくあるべし」はもう沢山だ。

(なお、直接は関係ないが、小林前市長の落選の原因の一つは、「毎週末東京の自宅に帰っている」で、周囲ではエラク評判が悪かった。福島市は東京から通勤可能で、極端な話、家族が東京に「自主避難」していても市長はできる。木幡市長は週末のイベントにも出ているから、まさかこのようなことはないと思うが、気を付けてほしい。内堀知事はもう20年ほど福島市に住んでいて、お子さんも福島育ちだ。あの原発事故後の福島人が浴びた「反原発」によるひどいデマ、差別、フェイクニュース等を実際に体験、実感していることは、この地ではとても重要だ。これは「外から」、「高所から」のエラそうな「風化させてはいけない」では、絶対にわからない。)

サンチャイルドの問題点を、世の中に一番強く効果的に訴えたのは、林智裕さんの「防護服を着た子供像「サン・チャイルド」は、なぜ福島で炎上したのか」だった。

林さんが赤坂氏の「ふくしま会議」の活発なメンバーだったことは、この事件の最大の皮肉な「物語」だった。

「簡単なまとめ」 ここまで非常に長くなったので

1:設置の本当の目的は、現在二本松と南相馬で開催されている「福島ビエンナーレ2018」の「アートバス」による、「反原発聖地巡礼」だった。サンチャイルドは「ビエンナーレ」に参加する予定だった。今回の設置~撤去騒動の中で、これに触れた発表は無かったが、撤去決定後9/5の「ビエンナーレ」についての記者発表で判明した。

2:最大の問題は、サンチャイルドが「こむこむ」の前面に設置されて「公共化」し、市民に鑑賞を強制するようになった経緯が、全く不透明なことだ。16年11/17、「ふくしま自然エネルギー基金賛同者リレートーク」で、作者ヤノベケンジ氏は、サンチャイルドを「ふくしま再生エネルギー基金」に寄贈した。しかしここに参加したヤノベ、佐藤弥右衛門(「基金」代表 会津電力社長)、赤坂憲雄(「基金」評議員 学習院大教授 福島県立博物館(会津若松)長)各氏らはこのことを隠蔽していた。今年7/6の木幡浩市長による正式発表は、「今回ヤノベ氏が「ふくしま未来研究所」を通して市に寄贈した」であり、「基金」には全く触れていない。各報道機関はこれをそのまま伝えたが、朝日7/17と、キャリコネニュース8/28だけは、「基金」の事を伝えた。不思議なことに「基金」のHP自体が、16年11/17の「サンチャイルド寄贈」について全く載せていない。恐らく「2年後18年9月のビエンナーレに合わせて、福島市に移管されて展示する」という密約が、当時の小林香市長との間にあり、「基金」はそれまでの「仮の所有者」だったのだろう。なぜならヤノベ作品は「ビエンナーレ」で毎回展示されており、16年に「基金」に寄贈されたサンチャイルドが「ビエンナーレ2018」に展示されないわけはないからである。サンチャイルドの「ビエンナーレ2018」での福島市展示は、この「リレートーク」時から計画されていた。「リレートーク」参加予定で、現在はこの事件の報道で「識者」として起用される「ビエンナーレ実行委員長」渡邉晃一福大教授は、当然このことを知っていたはずである。哀れなサンチャイルドはこの時からウソ、隠蔽まみれになってしまった。

3:撤去決定後の8/31に、木幡現市長はFBで「本当の事」=ヤノベ氏はサンチャイルドを「基金」に寄贈した、を認めた。「基金」と「研究会」の関係は関知しないとした。現市長は小林前市長の「負の遺産」を継いでしまった可能性がある。前市長は佐藤、赤坂氏が16年2月に作った「基金」の「賛同者」であり、福島市は16年11月3,4日の「第一回世界ご当地エネルギー会議」を「基金」と共に主催している。前市長と「基金」は、非常に深い関係があった。なお、「ご当地~」は14年5月に佐藤氏が設立した組織で、「反原発政治家」飯田哲也氏が理事である。その飯田氏は14年2月に「コミュニティパワー国際会議2014in 福島(喜多方)」を開催したが、これが赤坂、佐藤の「会津コンビ」と飯田氏が協力する、最初の機会だった。

4:「基金」と「研究会」はどちらもメガソーラー推進だが、「基金」の裏には「反原発」がいる。理事の飯田氏は著名な旧民主党系「反原発政治家」で、福島では被ばくの影響で子どもの甲状腺がんが多発していると主張し、この他にも「賛同者」の中に、福島への「風評加害者」が多数いる。

5:「基金」ではなく、「研究会が市へ寄贈した」としたことの効果は、地元報道機関がこの事件の報道に消極的になったことである。世界の報道機関が伝えた後でも、地元報道機関は報じなかった。「研究会」が地元の公共事業を独占するゼネコン=「佐藤工業」で、福島のほとんどの経済活動に関与していることから、「忖度」したのだろう。隣県の河北新報が積極的に報じたことが、これを逆に裏付けている。この他、サンチャイルドが「復興」、「希望」を表すのではなく、実は「基金」(および飯田氏ら)の思想=「原発事故の惨禍を風化させず、メガソーラーによって脱原発して復興する」を表すことの、カモフラージュの狙いもあっただろう。また、去年の市長選で、現市長はゼネコンに大きな借りがあり、「研究会」からの「寄贈」は断れないと言われている。

6:事件の「黒幕」はだれか?
事件の中心である「基金」の、神話めいた「メッセージ」を起草した「思想家」は、赤坂氏である。彼は14年2月の「コミュニティパワー国際会議2014in 福島」でも、壮大な「宣言」を書いている。また、震災直後に菅内閣が立ち上げた「東日本大震災復興構想会議」の委員を務め、「復興には芸術が必要」と主張した。さらに、福島の「自然エネルギー特区」を訴え、福島は原発事故の惨禍から立ち上がり、脱原発の「はじまりの土地」にならなくてはいけないという信念を持っている。ディレッタントでもあり、震災前の「福島ビエンナーレ2010」には、「ディレクター」として参加している。

もう一人の「思想家」飯田氏は民主党政権の委員を務め、「日本未来の党」副党首でもあった。12年には故郷山口県の「脱原発」を目指し、知事選、衆院選に立候補して惨敗。14年から「脱原発」のターゲットを福島県にシフトした。二人の「思想家」の違いは、芸術志向と政治志向である。

赤坂氏が代表理事だった「ふくしま会議」は、11年に発足して大きな注目を集めた。佐藤氏の「会津電力」はここから生まれた。しかし15年10月に人知れず解散した。恐らく赤坂、佐藤の「会津コンビ」が、14年に飯田氏と近づいて「反原発メガソーラー」路線を進めようとして、「ふくしま会議」の内部に「路線対立」が生じた。その後16年2月にできたのが「基金」であるから、「基金」は「ふくしま会議」の「赤坂・佐藤・飯田」派セクトと言える。

今回の「サンチャイルド事件」の「黒幕」は、赤坂氏だろう。「福島は原発事故で酷い傷を受けたが、このことを風化させず、逆にそこから立ち上がって脱原発、メガソーラーで地域から復興しなくてはいけない。これがやがて世界に広がっていく。この『はじまりの土地』としての復興には、シンボリックな芸術が欠かせない」という赤坂氏の「思想」、「神話」に、サンチャイルドは最適、欠かせなかった。
(以下は上記「結論」の第二段落に続く)

(次エントリー予定)
2012年にサンチャイルドは本当に福島県民に「ウケた」のか?
撤去後の各社報道では、アンケートでの大多数が「撤去」だったが、「賛否両論」印象操作がされた。
なぜ「通行人インタビュー」は「サンチャイルド擁護」ばかりになるのか?
サンチャイルドの表現したものは、「風化させない過ちの象徴」だ。「擁護派」を含め誰も「希望」なんて言っていない。
「共産党福島市議団」の大勝利が「中央」に黙殺される。
マスゴミも「市民の権力に対する勝利」に沈黙。恐るべき「反原発ファースト」思想。
ヤノベ氏の「市民と懇談」?笑っちゃうね・・・等・・・かな?ま、予定です。

(リンク ここからこの事件について大方の記録 意見等へ行くことが可能な「まとめ」です)
サン・チャイルド(福島市・こむこむ)を巡る意見・感想を時系列で その1
https://togetter.com/li/1255195
福島市・こむこむ館におけるサンチャイルド展示に関するツイートまとめ その1
作品の印象  表現における矛盾 作者の意図 市長に対する意見など

その2→ https://togetter.com/li/1260573
問題があれば可能な範囲で対応します。
今回これまでの催事で展示からパブリックアートの展示になりましたがこの作品がそれに相当するものなのか一連ツイートを参考にして判断材料にしていただければ幸いです。
(個人的には表現されているものに矛盾が大きすぎるのでもしこのまま展示し続けるのであれば、ここに集められた問題点の指摘を参考にして再制作することをお勧めしたいです。期間限定の展示であればこのままでも...)

ヤノベケンジ氏と佐藤彌右衛門氏の大ウソ 赤坂憲雄氏は大ウソ隠蔽 16年11月17日にヤノベ氏が佐藤氏「基金」にサンチャイルドを寄贈したのが事実だ

(固定された呼びかけ)
Ⅰ:朝日新聞2011年12月2日朝刊「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」(前田基行)の主人公「町田市の主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&日本共産党系活動家」です。TVにも出ています。完全に「フェイクニュース」です。確証があります(リンク先エントリーの②を読んでください)。
有馬理恵主演CM「ハインツ・パスタ 牛肉とイベリコ豚の粗挽きボロネーゼ fitness class編」
https://www.youtube.com/watch?v=ARRA7cxE8jw 朝日新聞よ、どうしてこの人が「主婦」なのか?

Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無い(=被ばく量と関係ない)ことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)

Ⅲ:カタカナの「フクシマ」が「福島はヒロシマと同じ核による惨禍の土地」という誤ったイメージを植え付け、差別につながるレッテルであると、脚本家の倉本聰さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらも指摘しています。山梨学院大学の小菅信子教授は、著書「放射能とナショナリズム」で、「フクシマ」は「福島をエネルギー植民地から反原発の聖地として再植民地化して支配するための名づけ直しだった」と指摘しています。「フクシマ」使用に反対します。

サンチャイルドについて、バックに怪しい連中がいることはかなり浸透したが、「アーチスト無罪」、「芸術家の良心が周囲に利用されている」なんて思っている人もいると思う。美しい物語だと思う。しかしこの件については、「アーチスト有罪」の証拠がある。作者ヤノベケンジ氏は、残念ながらウソをつき続けていると思われる。

16年11月17日(木)19時頃、福島市荒町4-7「ギャラリー・オフグリッド」での公開リレートーク中に、ヤノベケンジ氏は突然、「ふくしま自然エネルギー基金」の佐藤彌右衛門氏に、(あの巨大な)サンチャイルドを寄贈した。これはしっかり記録がある「事実」だ。

証拠はココにあります。
KENJI YANOBE Archive Project フクシマ・ワークス ーサンチャイルド寄贈式ー (8)
http://kyap.tumblr.com/post/155530143228/フクシマワークス-ーサンチャイルド寄贈式ー-8
「新しいモニュメント構想に続き、ヤノベは続けて、かつて2012年に福島ビエンナーレに出品した《サン・チャイルド No.1》の寄贈を佐藤氏に申し出た。 会場にいた誰もがまさか!と唖然の表情を浮かべるも、佐藤氏は快く受け入れ、急遽《サン・チャイルド No.1》の寄贈式も執り行われることとなった。2012年の「福島現代美術ビエンナーレ」の展示を改めて振り返り、当初ヤノベは希望の未来像として《サン・チャイルド No.1》を制作したものの、福島の人々に受け入れられるのか、本当に展示をするべきなのか気がかりだった。だが実際に空港ロビーに立ち上がった姿を空港関係者や地元の人々が共に喜んでくれたことで、実は《サン・チャイルド》という作品を福島の人たちに見てもらうためではなく、「この福島の地から福島の皆さんと一緒に世界に向けて発信するために《サン・チャイルド》を運んできた」と気付いたのだという。

それから時を経て、継続的に福島の人々との関係を築き続けて、《サン・チャイルド》は再び福島の地に立ち上がるかもしれない。《サン・チャイルド》は福島の人々と一緒に困難を乗り越えていく仲間だったのだ。いつかそう言える日が来ることになるだろうか。」

http://archive.fo/fnPGX(魚拓)
(「フクシマ」ワークスが不愉快です。そもそもそういう人なのでしょう。何でワタシラが、この人が作った「仲間」を押し付けられるのか?大体空港でウケるって、地元民によってではない。大方は外からの観光客だ。成田空港でウケけたら、それは成田市民によるモノなのか?)

ここで注意したいのは、もう既に「基金」がもらったことが明らかになっている「1/10サンチャイルド(模型)」と、「サン・チャイルド No.1」を混同しないことである。この記事中の「サン・チャイルド No.1」とは、「2012年に福島ビエンナーレに出品した」と形容され、「実際に空港ロビーに立ち上がった姿」と書いてあるように、今「こむこむ」にある、巨大な「黄色いアレ」の事だ。

このサイトは、
KENJI YANOBE Archive Project
現代美術家・ヤノベケンジの公式アーカイブ・プロジェクトとして2005年より発足。初期作品から現在進行中のアートプロジェクトに至るまで、主たる記録写真や映像、ドローイングなどの画像収集・管理、および作家の展覧会制作や研究資料として外部へのデータ提供サポートも行っています。

ということで、ウソ、間違いを2年も放置しているわけはない。事実が書いてある。

なお、http://kyap.tumblr.com/post/155529935308/フクシマワークス-ーサンチャイルド寄贈式ー-1 によれば、
第1回 基金賛同者リレートーク
ーサンチャイルド寄贈式ー
会場:ギャラリー オフグリッド/県庁南再エネビル2F(福島市荒町4-7)
日時:2016年11月17日
・寄贈式:17:30〜17:50
・トーク:17:50〜19:10 [赤坂憲雄氏、佐藤彌右衛門氏、荒木康子氏、ヤノベケンジ]
主催:一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金


http://kyap.tumblr.com/post/155530059588/フクシマワークス-ーサンチャイルド寄贈式ー-5 によれば、
今回寄贈される《サン・チャイルド構想模型》は、ヤノベが最初に立体造形を手掛けた1/10スケールの言わばファースト・サン・チャイルドである。

ということで、そもそもはこの「トーク」は、「1/10スケールのサンチャイルド(模型)」の、「基金」への寄贈式の一部だったのである。ところがそこで、ヤノベ氏の突然の「巨大サンチャイルドも『基金』へ寄贈」というハプニングが起こったのである。

現在の「市の公式発表」
ヤノベ氏が市に「ふくしま未来研究所」を通じて、サンチャイルドを寄贈した(7/6)。
事実
ヤノベ氏が「ふくしま自然エネルギー基金」にサンチャイルドを寄贈した(16年11/17)。「基金」は(理由は、置き場に困った基金を市が助けるためという可能性があるが、ともかく)市に寄贈した(7/6)。

なのである。なぜか、違うのだ。そもそもヤノベ氏は福島市に寄贈していない。そして市(長)の公式発表には、「ふくしま自然エネルギー基金」は一言もない。市長は「ふくしま自然エネルギー基金」とは決して言わない。
8/13の「福島市の公式発表」
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/hisyoka-hisyo/shise/goannai/shichonoheya/mayor20180813.html は、
「こむこむ館前に設置したサン・チャイルドは、精力的に復興への活動をされているかたから作者ヤノベケンジ氏の寄贈の意向を聞き受け、福島市において受入れを決め、最終的には一般社団法人ふくしま未来研究会様からご寄贈いただきました。」
市長によれば、「精力的に復興への活動をされているかた」と言っているのだ。そして「このかた」から寄贈されたとも言っていない。全く奇妙な「完全隠蔽」である。

この「トーク」の司会を務めたのが、8/26の福島民報「日曜論壇」で「不安に怯えるカナリアよ」を平然と書いた赤坂憲雄氏だ。
http://www.minpo.jp/news/detail/2018082654732
「ギャラリー・オフグリッドが寄贈を受けた十分の一の模型にも、胸元に「000」という数字はない。その数字が「科学的」ではないと、学者まで登場して批判しているのを見て、あれあれ、と思った。」(中略)
「ゆるやかに、アートと公共と復興をめぐって、開かれた議論の場を作っていきたいと願う。」

だそうだが、その「模型」と共に、本物の「サンチャイルド」が、自分が司会を務めた「リレートーク」中に、目の前で、自分が役員(評議員)を務める「基金」に贈られたことは、全く「隠蔽」しているのである。科学、学者批判どころではない。この平然さは、人として問題があるのではないか?オレも「あれあれ」と思ったよ。アンタが隠蔽しながら「開かれた議論」は無理だ。

もちろんヤノベ氏から直接「寄贈」された佐藤彌右衛門氏も、ずっとウソをついている。
ふくしま自然エネルギー基金の「声明」(代表理事 佐藤彌右衛門)
http://www.fukushimafund.or.jp/770
このたび福島市にヤノベケンジさんのサンチャイルドが寄贈されました。
私たち、一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金の活動理念に賛同し、再生可能エネルギーによる福島の再生に共感してくださったヤノベケンジさんから、10分の1サンチャイルド模型を当基金にご寄贈いただいたことがきっかけとなりました。

「きっかけとなって本物も当基金に寄贈された。そこから何かがあって当基金から福島市に寄贈された 市公式発表、報道されている『ふくしま未来研究所』ではなく、」が事実だ。

つまり、朝日新聞7/14の記事「てんでんこ 自然エネルギー100%  (27) アート」(石井徹)
asahisunchild.jpg
「サンチャイルドは2年前、佐藤が代表理事を務めるふくしま自然エネルギー基金に贈られた。巨大さゆえに置き場所に困ったが、福島市が名乗りをあげ、寄贈が決まった。」
が正しかったのです。ヤノベ氏は記者会見で巧みに印象付けようとしている「福島市へ寄贈」ではなく、「基金」にサンチャイルドを寄贈したのです。

こうなるとこの「巨大さゆえに置き場所に困ったが、福島市が名乗りをあげ、寄贈が決まった。」に信憑性が出てくる。ウソにまみれたサンチャイルドを、置き場に困って子どもの教育施設「こむこむ」に「捨てる」とは、何事ですか?
(この記事は「基金」のHPに「ニュース」として載っているのだから、そもそも信憑性は高いのであるが・・・)

市長を含めウソをついているヤノベさん、佐藤さん、赤坂さん、まず真相を明らかにして、福島の子どもたちに謝罪するべきではないでしょうか?このままではあなたたち自身が社会的に終わってしまいます。

(8/28追記 ついに撤去)
防護服着た現代アート像 撤去へ 08月28日 12時48分 NHK福島
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180828/6050002410.html
原発事故からの復興への願いを込めて設置された防護服を着た子どもの現代アート像について、福島市は制作した現代美術家のヤノベケンジさんの意見なども聞いて検討した結果、撤去する方針を決めました。
28日午後にも記者会見を開き、発表することにしています。


とりあえず「大勝利」。ウソつきたちの「現代芸術」は致命的に大破し、日本の美術史上の大汚点となりました。今後日本の「パブリック・アート」の議論で、「サンチャイルド」は必ず参考にされるでしょう。

市内の小学生を動員して、「名前考えろ」と強制してこれでは、犯罪レベルの悪質さです。「子どもをウソから守る福島ネットワーク」が必要になります。

しかし連中は逃げるつもりでしょうな~。

むしろここから、「背景の問題」がクローズアップされてくるでしょう。掃討戦の始まりです。

(論評・声)
この事件を知る為に、福島人の気持ちを理解する為に欠かせない記事、ポイントを突いた情報等。適時アップデートします。

防護服を着た子供像「サン・チャイルド」は、なぜ福島で炎上したのか 「被災地と現代美術」がもつ複雑な問題 (現代ビジネス) 林 智裕(フリーランスライター)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57167

堀有伸「サン・チャイルドについて思うこと」 facebook (堀氏は著名な精神医学者で、南相馬に災害医療支援でいらしゃってます)
https://www.facebook.com/notes/%E5%A0%80-%E6%9C%89%E4%BC%B8/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E6%80%9D%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/1819003848180894/

サン・チャイルドについて思うこと その2 (8/28 続編が出ました)
https://www.facebook.com/notes/%E5%A0%80-%E6%9C%89%E4%BC%B8/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E6%80%9D%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8-%E3%81%9D%E3%81%AE2/1821995541215058/

Note:「サン・チャイルド」像への私見 riversidereed 2018/08/27 17:01
https://note.mu/riversidereed/n/n887855e31568

Restart 2018.08.18 Saturday 福島市長 木幡浩様
http://fukufukutan.jugem.jp/?eid=156

(8/30new!)
サン・チャイルド&今「生存のために」すべきこと 福島・未来塾すばる 福島からの情報発信です
https://blogs.yahoo.co.jp/fukushima_apple/15646175.html

秋桜の日記~福島県民200万分の1の声~サンチャイルド 撤去について
https://ameblo.jp/kosumosu-rinrin/entry-12401208300.html

figaroxのブログ 2018-08-14 こむこむ館のサン・チャイルドのこと
http://figarox.hatenablog.com/entry/2018/08/14/221117

(「利権・闇」関係 8/29~)
サンチャイルド事件の背景で蠢く闇、利権構造
(拡散に便利な見取り図です。URL情報提供がありました。)
https://i.imgur.com/ZK9riJ2.jpg
(8/29 アップデートされました)
https://i.imgur.com/9d2WSiF.jpg
(8/30 さらにアップデート)
https://imgur.com/6ImOpdu

利権相関図0830コピーコピーを保存しました。

サンチャイルド「こむこむ」設置は市議会を通さなかった?
(「むせんとう」さんのtweet)
https://twitter.com/akemi_nishizawa/status/1033288508620693504
むせんとう‏ @akemi_nishizawa
平成30年の福島市議会会議録を見ていました。検索は一例。
3月(予算案)定例、6月定例の議事録にこむこむ館にアート作品を設置する件についての質疑は一切ありませんでした。
ネットでは木幡市長が独断で設置を決めたと思われる情報しか見つかっておりません。福島市の行政手続はどうなってるの?


次なる「撤去費」「倉庫保管費」はどうなるのか?

「基金」とは別の、「表向きの寄贈者」である「未来研究会」とは?
([誠福丸」さんのtweet)
https://twitter.com/smaru_org/status/1034487067206512640
誠福丸‏ @smaru_org · 10 時間
FBのコメントで以下の質問をしたのが26日。
【市長は「ふくしま未来研究会」の会合とか食事会とか宴会に招かれたことはありますか?
出席しましたか?
飲食しましたか?
ふくしま未来研究会の資金は、何という会社が出しているのでしょうか?】
ゼネコンとの癒着がバレるのを忌避したということ?

この投稿はガツンと効いたようですね。

(「kame」さんのtweet)
https://twitter.com/kamesan1959/status/1034395106697068544
kame(鬼龍院花子乳慈愛大居士)‏ @kamesan1959
2.最終的に「財団法人ふくしま未来研究会より寄贈」とのこと。2年前には市長とヤノベさんと共に写る ふくしま自然エネルギー基金代表理事 佐藤彌右衛門さんが譲渡されていましたね?
なぜ急遽、中間に未来研究所を介入させたのですか?お金の流れについても説明が必要です。

こういう問題って、「金」が絡むのが普通です。タダではやらないでしょうね。

(8/29 New!)
福島民友新聞社長の五阿弥宏安氏は、「ふくしま自然エネルギー基金」の「推薦状」を書いていた。
http://www.fukushimafund.or.jp/dt_testimonials/goami_hiroyasu
五阿弥宏安
エネルギーの地産地消は地域の活性化に大いに寄与すると考えます。基金の活動が広がっていくことを祈念しております。


なぜか肩書き・所属を隠しての、「賛同人」にもなっている。デマで知られる「きむらゆい」や、「ふくしま未来研究会」会長・元佐藤工業会長の佐藤勝三と同じ立場だ。
http://www.fukushimafund.or.jp/message/support-message 参照

どうりでこの新聞、早々と8/18社説で「サンチャイルド擁護」を展開したわけです。
http://www.minyu-net.com/shasetsu/shasetsu/FM20180818-298767.php
https://twitter.com/endo_noah/status/1030660543961477120
こんな報道機関っていいのか? 現場は悩んでいると思いますが。

(8/28像撤去決定後の報道)
福島市の「サン・チャイルド」撤去へ 設置時に市は133万円負担「撤去にも同じくらいかかる見込み」2018.8.28 キャリコネ編集部
https://news.careerconnection.jp/?p=58783
像は撤去後に分解され、市で保管する予定
「サン・チャイルド」は東日本大震災をきっかけに、2011年からヤノベ氏が複数制作している。このうちの1体が2016年、同作品の10分の1スケール像と共に、「ふくしま自然エネルギー基金」に寄贈された。
市の担当者によると、同基金から福島市に「寄贈したい」という声があったのは今年に入ってからだという。市へは、像の所有者である「ふくしま自然エネルギー基金」ではなく「ふくしま未来研究会」から寄贈された。別団体からの寄贈になった理由は「詳しい経緯は不明」だと言う。

「裏」をちゃんと書いている、今のところ唯一の報道。キャリコネニュースは、独自取材でしっかりやっているようです。
(情報提供・リクエスト)https://news.careerconnection.jp/?page_id=15

<モニュメント問題>福島市長会見動画、質疑応答のみカットしウェブサイト配信 河北新報 8/29
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180829_63002.html
インターネット上で批判が相次いだ福島市のモニュメント「サン・チャイルド」を巡り、市が22日にあった木幡浩市長の記者会見のうち、モニュメントに関する質疑応答のみをカットしてウェブサイト上に動画配信していることが28日、分かった。
 記者会見の動画配信は4月、昨年12月に就任した木幡市長が「開かれた市政」を目指して始めた。不都合な話題を隠したとも取られかねず、福島市の情報公開の在り方が問われそうだ。

痛いところを突いています。
(河北新報社 読者相談室へのお問い合わせ・ご意見・情報ご提供フォーム)
https://f.msgs.jp/webapp/form/14418_oiv_190/index.do

<モニュメント問題>福島市の判断「拙速」 専門家ら批判 河北新報8/30
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180830_63006.html
 福島市が展示したモニュメント「サン・チャイルド」は、わずか1カ月足らずで撤去方針が決まった。東京電力福島第1原発事故に着想を得た作品を巡る市の判断には、設置も撤去も「拙速」との指摘が出ている。福島県ゆかりの研究者3人に29日、意見を聞いた。
問題点は不透明性
 「作品への賛否は今回の問題の本質ではない」。いわき市出身の開沼博立命館大准教授(社会学)は「ポイントは不透明性にある」とみる。
 防護服姿の高さ6.2メートルの子どもの立像は、線量計を模した胸の表示「000」が、「線量ゼロでないと安全でないように見える」などとインターネット上で批判を浴びた。
 開沼氏は「作品の設置プロセスが分からず、特定の意図を押し付けられたと感じた人がいた」と分析。「被災地は注目され、さまざまな考えが集まる。意思決定には細心の注意が必要。除染土の仮置き場設置も関係者が協議し、ぎりぎりの地点で合意してきた。市はそこから学ばなかったのか」と首をかしげた。
<トラウマの引き金>
 福島の子どもの心のケアに関わる内山登紀夫大正大教授(児童精神医学)は「巨大で視覚的な刺激が強く、子どもに限らず原発事故のトラウマ(心的外傷)を思い出す引き金になる。公共の場所から撤去する判断は妥当」と話す。
 「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)のトラウマが今も消えない人もいる。原発事故から7年は決して長くない」と強調。モニュメントがJR福島駅近くの子ども向け教育文化複合施設の入り口に設置されたことに触れ「見たくない人が見ずに済む環境設定を心掛けるべきだった」と語る。
<丁寧な手続き必要>
 サン・チャイルドは2012年の芸術祭「福島現代美術ビエンナーレ」で県内初展示された。
 芸術祭に携わる渡辺晃一福島大教授(絵画・現代美術)は「撤去の際も丁寧な手続きが必要だった。設置施設の来場者に対するアンケートだけで十分だったのか」と疑問を呈する。
 問題を提起するアートの特徴に言及。批判された表示「000」について「子どもになぜ線量ゼロがあり得ないのかを教育したり、福島が受けた被害を伝えたりするきっかけになり得たのに…」と惜しんだ。

一貫して「不透明」に触れています。一体福島の地元メディアはどうしたのか?

サンチャイルド事件:福島市長のウソ確定 本当の寄贈者「ふくしま自然エネルギー基金」の飯田哲也理事が証明した 市長のウソは背任罪か?

(固定された呼びかけ)
Ⅰ:朝日新聞2011年12月2日朝刊「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」(前田基行)の主人公「町田市の主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&日本共産党系活動家」です。TVにも出ています。完全に「フェイクニュース」です。確証があります(リンク先エントリーの②を読んでください)。
有馬理恵主演CM「ハインツ・パスタ 牛肉とイベリコ豚の粗挽きボロネーゼ fitness class編」
https://www.youtube.com/watch?v=ARRA7cxE8jw 朝日新聞よ、どうしてこの人が「主婦」なのか?

Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無い(=被ばく量と関係ない)ことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)

Ⅲ:カタカナの「フクシマ」が「福島はヒロシマと同じ核による惨禍の土地」という誤ったイメージを植え付け、差別につながるレッテルであると、脚本家の倉本聰さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらも指摘しています。山梨学院大学の小菅信子教授は、著書「放射能とナショナリズム」で、「フクシマ」は「福島をエネルギー植民地から反原発の聖地として再植民地化して支配するための名づけ直しだった」と指摘しています。「フクシマ」使用に反対します。

続きにゃ。旧民主党政権のブレーンで、「日本未来の党」党首も務めた著名な反原発・再エネ政治家、飯田哲也氏の8/20のfacebookです。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10217451337614611&set=a.10202462570464800&theater=
「ふくしま自然エネルギー基金が福島市に寄贈したヤノベケンジ氏のサンチャイルド像が議論を呼んでいます。」
堂々と、こう書いてあります。これはサンチャイルドの福島市への「寄贈者」が、本当は「ふくしま自然エネルギー基金」であることの「決定的証拠」です。
魚拓ありました)
この他の「証拠」については前エントリー参照、です。

すなわち、福島市長木幡浩氏のウソが確定しました。

市長は8/13の「福島市の公式発表」
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/hisyoka-hisyo/shise/goannai/shichonoheya/mayor20180813.html
「こむこむ館前に設置したサン・チャイルドは、精力的に復興への活動をされているかたから作者ヤノベケンジ氏の寄贈の意向を聞き受け、福島市において受入れを決め、最終的には一般社団法人ふくしま未来研究会様からご寄贈いただきました。」

と書いていますが、冒頭の飯田氏の発言で判るように、「ふくしま未来研究会様からご寄贈いただきました」はウソ。「最終的には」という「言い訳用セーフネット」を付けていますが、むしろそれが意図的なウソの証拠です。それなら、「最終的」の前の段階で「ご寄贈」したのは誰なのか?「未来研究会」は運搬と設立を担当しただけだ。なぜ「ふくしま自然エネルギー基金」を隠すのか?

飯田哲也氏は「ふくしま自然エネルギー基金」の理事です。自分の組織について、間違いやウソの可能性はありません。
(それにしても飯田氏FBの「放射線被ばく否定派によって「炎上」させられています」には笑った。「被ばく否定派」って胸に「000」着けたサンチャイルドじゃないか・・・しかしこの発言を裏返すと、「サンチャイルドは被ばく肯定派=原発事故による放射線被ばくを強調して伝えるのが目的」という、この人のトンデモナイ狙いが判明する。サンチャイルドは「希望」なんて表現していませんよ。「原発という過ち」を福島に押し付けている。しかし福島の原発は東京に電気を送っていたのだから、それならサンチャイルドは東京に置けばよいではないか。)

今回の事件に関する一連の「発言」で、市長は一度も「ふくしま自然エネルギー基金」に触れていない。この名称を、全く発言していません。このことは「超異常事態」、「隠蔽」です。

さらに寄贈のいきさつもオカシイ。

市長のコメントの「精力的に復興への活動をされているかた」とは、誰なのか?「ふくしま自然エネルギー基金」の代表理事、佐藤弥右衛門氏だ。しかし、ヤノベ氏の「寄贈の意向」は、市長の書き方では「福島市に」と見えるが、実はそうではない。前エントリーと重複するが、ヤノベケンジ氏の「謝罪文」は、

http://www.yanobe.com/20180810_KenjiYanobe_Statement.pdf
福島市内の地域発電会社ビルにあるギャラリー・オフグリットで、展覧会をさせていただ いた際に、《サン・チャイルド》の1/10模型を請われたことをきっかけに、もしお役に 立てるのならという想いから、1 体目の作品も寄贈することにいたしました。
どこに設置するかは、寄贈先のふくしま自然エネルギー基金にお任せしていました。


ヤノベ氏は「寄贈先」が福島市だとは一言も言わず、「寄贈先」の「ふくしま自然エネルギー基金」と言っている。そして、「どこに設置するか」は、「基金」が決めた、と言っています。つまり、ヤノベ氏はサンチャイルドを「基金」に寄贈し、「基金」が福島市へ設置することを決めたと言っている。

朝日新聞7/14の記事「てんでんこ 自然エネルギー100%  (27) アート」(石井徹)
asahisunchild.jpg
「サンチャイルドは2年前、佐藤が代表理事を務めるふくしま自然エネルギー基金に贈られた。巨大さゆえに置き場所に困ったが、福島市が名乗りをあげ、寄贈が決まった。」
(記事の最後から二番目の段落です。「1/10サンチャイルド原型」のことではありません。)

これが「事実」ではないか?と言うのは、市の公式資料
ようこそサン・チャイルド~ふくしまに来た光の子「サン・チャイルド」~ 平成30年7月6日臨時記者会見 (発言記録)
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/happyo/h3001/documents/4300706rinjikisyakaikenhatsugenroku.pdf 
記者:もう 1点今回 こうしたかたちで福島市への寄贈が決まったいきさつというのは、どういった流れがあですか。
ヤノベ:2年ぐらい前、毎年毎年2011年から、ほぼ1年おきに展示させていただいり、その間に いろんな方々と出会 うことにな って、この ふくしま自然エネルギー基金の方々がちょうど、赤坂憲雄さんという方が運営してるオフグリッ ドというギャラリーで、エネルギー問題に関して作品を展開している作家を招きたいというときに、福島で僕がやってる活動を展示させいただいて、それがきっかけで、それ以前からサン・チャイ ルドについては非常に興味を持たれている方がたくさんいたのですが、寄贈していただきたいというきっかけで始まって 、寄贈しますと(ネコ注:ここは「福島市に」とは言っていない)。そして2018年、木幡さんがその話を聞かれて、それを市の方にぜひ展示したいという話になって(ネコ注:ヤノベ氏がそもそもは福島市に寄贈するつもりではなかったから、「市の方に」という発言になったと見える)、 実際展示するにあたっては未来研究会の方の協力によって運ばれるという・・・

これは朝日の記事と、ピッタリ符合します。そしてこの記事はは「ふくしま自然エネルギー基金」のホームページにも、「ニュース」としてあがっています。「誤報」ではないってことです。
http://www.fukushimafund.or.jp/776
http://archive.is/QvOfN (誰かが「魚拓」取ってました)

朝日はこの7/14「てんでんこ」の後は、完全に「沈黙」です。うっかりホントのこと書いちゃったからでしょうかね。「反原発の象徴」「原子力という過ちの象徴」であるサンチャイルド擁護だろうし。

上記ヤノベ氏の発言では、「未来研究会」は運搬したけですが、新聞各社は大方市長の見解を「発表報道」しています。
河北新報7/6 https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180707_63004.html
現代美術作家ヤノベケンジさんは6日、東京電力福島第1原発事故に着想を得たモニュメント「サン・チャイルド」を福島市に寄贈したと発表した。(中略)現在ある3体のうち、2011年10月に初公開された最初の1体を、ヤノベさんが一般財団法人ふくしま未来研究会を通じて市に寄贈した

福島民報8/3 http://www.minpo.jp/news/detail/2018080454010
福島市のふくしま未来研究会が同市に寄贈した現代美術家ヤノベケンジさんの作品「サン・チャイルド」の除幕式は三日、市内のこむこむで行われた。

福島民友8/5 http://www.minyu-net.com/news/news/FM20180805-295208.php
現代美術作家ヤノベケンジさんが原発事故からの再生や復興への思いを込めて製作し、福島市に贈った「サン・チャイルド」の除幕式が3日、同市のこむこむ前で行われた。

でも、佐藤工業元会長佐藤勝三氏の「ふくしま未来研究会」は、ヤノベ氏のコメントでは「運搬しただけ」ですよ。

地元メディアは、地元ゼネコンによっぽど「忖度」しなきゃならないんで、報道控えめになったり、民友みたいに社説で「サンチャイルド擁護」に回っちゃっていますがね・・・要するにそれが、「未来研究会」を「隠れ蓑」にしたネライなんだろう。

民報、民友は「ベクレルの嘆き」、「復興の道標 不条理との戦い」を忘れたのだろうか?
ここで矜持を取り戻さないと、一生後悔するよ。

こうなったら、河北に「ふくしま自然エネルギー基金」取材を期待したい。

市長の「基金」「ひた隠し」の「事情」は、もうここまでのエントリーに散々書いたのですが、


「サンチャイルド」は市長が言うような単なる「復興」ではなく、「ふくしま自然エネルギー基金」の主張である「反原発+メガソーラー」による「復興」という、一民間団体の政策を表したモニュメントである。上記ヤノベ氏の「発言記録」でも、「エネルギー問題に関して作品を展開している作家」(の作品)ってバラしていますね。「サンチャイルド」には、ただ「希望」や「未来」を表すのではなく、「エネルギー問題」という政策が含まれている。これはマズい。こんなイベントもありましたよ。
http://www.wcpc2016.jp/program/official-reception/
第1回世界ご当地エネルギー会議 公式晩餐会
日時:2016年11月3日(祝・木)19:00~21:00 場所:福島グリーンパレス
この度、現代美術家のヤノベケンジさんの企画展が行われるのを機に「サン・チャイルド」の原型オリジナルが、ふくしま自然エネルギー基金に寄贈されることになりました。公式晩餐会ではこの原型オリジナルが展示されます。

(ネコ注:1/10サンチャイルドのことです)

サンチャイルドは、まさに「基金」のシンボルです。しかもこの「基金」には、福島を貶める「風評加害」を繰り返してきた者がいる。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-244.html 参照


本当は「サンチャイルド」がデカすぎて置き場が無い(そりゃそうだろう)「ふくしま自然エネルギー基金」を助けるために、市長が「こむこむ」に置いて一民間基金を助けた。「粗大ごみ捨て場」にされた「こむこむ」です、これもバレたらマズい。

ってことだからでしょうね。市長が「一民間財団法人」の便宜を図ることは、「背任罪」です。
「こむこむ」設置は、タイミングを考えると前市長絡みにも見えますがね。

ところでさっきの「発言記録」
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/happyo/h3001/documents/4300706rinjikisyakaikenhatsugenroku.pdf
だけど、市長はこんなことも発言している。
「県内では原子力災害に対する思いがいろいろあると思います。それに関するようなことが、もう一切消し去りたいという気持ちの方もいらっしゃると思います。
我々はこれからどんどん希望を持って前に前に進んでいかなければいけないですけれども、でもやっぱり原子力災害を受けたというこの事実、あるいはその我々のつらい思いを風化させてはいけないと思うんです。」


サンチャイルドは、やっぱり見た人に「原子力災害を受けたという事実」(或いは飯田氏FBの裏返し「原発事故による放射線被ばくがあった事」)を伝える「過ちの象徴」(要するに木内みどりのコレと同じ。彼女の「原爆ドームと同様」は、「基金」の代表佐藤弥右衛門氏も言ってます。まるで「教祖」がいるかのように、同じことを言う人たちです)であり、「つらい思い」を思い出させるネライがある、市長が自分でそう言っているじゃないか。市長が盛んに言っている「希望を伝える」、はウソだ。市長は「一切消し去りたい」という市民に、「つらい思い」を強制している。これは思想統制、反原発ファッショだ。

(ちなみにヤノベ氏は、先の「謝罪文」で、「右手の小さな太陽は、新たなエネルギーや未来の希望を表しています」と言っている。つまりサンチャイルドが伝える「希望」は、「メガソーラー」による「希望」ってことだ。これは「基金」の事業を表している。)

「発言記録」に戻るが、
「本当に私は福島のシンボルになる作品だと思います。それが本来、福島県で本当に設置していいかという議論もあるかと思うのですが、そこは福島という名前が付いたわが街で、展示をするのが、私は1番いいのではないかと思って、今回ぜひ福島市に寄贈いただきたいということでお願いいたしました。今回こういうことで実現いたしまして本当に嬉しく思いますし、これは福島市だけではなくて本当にこの福島の思いを県内の多くの方々、そして全国・世界の方々にこの福島の地で見ていただくことが特別な意味があるのではないかと思います。」

ってことは、これは福島市民だけでなく、福島県民、全国、世界の方々に、市長に抗議する権利がある。特に県民にとって、これは福島市ではなく、福島県のシンボルとされているのだから。
(ここでも「今回ぜひ福島市に寄贈いただきたいということでお願いいたしました」だって、要するにサンチャイルドが福島市に来たのは、ヤノベ氏の意向じゃなくて、市長の意向です。そもそもヤノベ氏は福島市じゃなくて、「基金」に贈ったのだ。市長はウソだらけだ。)

この事件、ちょっと目が離せません。
プロフィール

shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 2011年3月の原発事故以後、ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れました。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民もネコも「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしていました。(←しばらくすると連中の嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきましたが。)
 この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう「喜びの」心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段に利用することに断固反対です。もし根拠がない数字や説の拡散による自殺とかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ。そんな日の為にも、今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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