GCMふくしまリンク集&我々はいくら「内部被曝」したのか?(続編 50mSVで甲状腺ガンが増える?チェルノブイリ内部被曝研究のまとめ)

前エントリーの続きにゃ。もうこの前の日曜日、「GCMふくしま」で、早野先生や野尻先生によって、WBCによる「内部被曝量」や「内部被曝より外部被曝が高い」「むしろ外部被曝を気にするべき」といった話があったので、もう「いまさら」感もあるが、乗りかかった船ということで。

素晴らしい「GCMふくしま」については、
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/15福島会場
http://togetter.com/li/338909?f=reco1
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/16郡山会場
http://togetter.com/li/339369

リーフレインさんのまとめ
http://togetter.com/li/338614
http://togetter.com/li/338781

早野先生のスライド
http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716

そしてKさんの「Maybe Blue GCMふくしまメモ(工事中)」、とても見やすいです。
http://leika7kgb.blog114.fc2.com/blog-entry-816.html#more

というわけで、今や早野先生のスライドのタイトル「ここはチェルノブイリではない 福島のデータをしっかり見よう」につきる。最近、福島の街、残った人の雰囲気も大分変わってきた。それは「反原発」の連中が言うような、「あきらめ」といった感情ではない。福島の被曝の実態がデータとして上がってきて、それがマスゴミ等が騒いだ、チェルノブイリのようなものではなかった。去年のあの酷いデマが飛び交う中でも、我々はここに残ることを選んだ。感情的なパニックや、脊椎反射的行動はとらない。事実を落ち着いて受け止めるだけだ。


もう少しだけ、「チェルノばなし」続けるにゃ。本来前エントリーの追記だが、長くなるのでここで。なお今回の被曝量=○○SVは、全て甲状腺等価線量。また元の文のGyは大方SVにしてある(1Gy≒1SV)。

(追記7/23) なおここから先はあまりにも長くややこしいので、最後に追記した「まとめ」だけ読んでも大丈夫です。

前エントリーの中で、

(新聞等で)時々、「甲状腺が50mSVの被曝を受けると、ガンになりやすくなる」といった記述を見かける。何を根拠、基準にしているのか知りたい。

と書いたが、この「根拠」は、田崎教授も触れていた、P.Jacob先生らの1999年論文
Childhood exposure due to the Chernobyl accident and thyroid cancer risk in contaminated areas of Belarus and Russia
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2363070/pdf/80-6690545a.pdf
だ。

原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第30回会合 議事次第
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun030/hibakubun-030.htm にある
安定ヨウ素剤予防服用の一般的基準 (50 mSv) の根拠について
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun030/ssiryo1.pdf
は、前エントリーにもリンクしていたが、後半はちゃんと見ていなかった。ここの3ページには、IAEAのGSG-2(IAEA安全基準)=「安定ヨウ素剤投与=甲状腺等価線量が7日間で50mSVと予想される場合」とした根拠が、「この数値の根拠となった論文の概要を次ページから示す」として、書いてある。なお、このIAEA基準は、「小児」に限っていない。

チェルノブイル小児甲状腺がん疫学調査論文概要
Childhood exposure due to the Chernobyl accident and thyroid cancer risk in
contaminated areas of Belarus and Russia.(チェルノブイル事故によるベラルーシとロシアの汚染地域における小児被ばくと甲状腺がんリスク)
P. Jacob, Y. Kenigsberg, I. Zvonova, G. Goulko, E. Buglova, W.F. Heidenreich, A.
Golovneva, A.A. Bratilova, V. Drozdovitch, J. Kruk, G.T. Pochtennaja, M. Balonov, E.P.
Demidchik and H.G. Paretzke(British Journal of Cancer (1999) 80(9), 1461–1469 の仮訳)

チェルノブイル事故により放出されたヨウ素131 による甲状腺線量について、ベラルーシの2市の2122 名、ロシアのブリヤンスク区1 市の607 名の子供と十代の青年において再評価された。事故後の2 か国の2 か所の高汚染スポットを含むこの地域において、1991-1995 年の期間の甲状腺がん誘発率のデータについて、甲状腺検査の増加を考慮して解析された。2種類のリスク解析方法が適用された。すなわち、単一集団についてのポアソン回帰解析と、より大きな地域あるいは部分母集団に関するモンテカルロ計算解析である。両方法の最適推定値はよく一致した。ポアソン回帰で推定した95%信頼区間はモンテカルロ計算結果よりも相当小さく、それは、再評価した線量と甲状腺がん誘発率のバックグラウンドに起因するポアソン分布以外の不確かさを考慮したものである。1971-1985 年に出生したコホート(被ばく時年齢が1~15歳)において、モンテカルロ解析による甲状腺の単位線量あたりの過剰絶対リスクは、10000人(原文は10の4乗)・年Gy あたり2.1 例(95%信頼区間が1.0-4.5)であった。リスクの推定値は、外部被ばくによる甲状腺がんリスクのプール解析において得られた値の二分の一であった。甲状腺単位線量あたりの過剰相対リスクは、1Gy あたり23(95%信頼区間が8.6-82)であった。国あるいは都市と農村地域の間で差異は見られなかった。平均甲状腺線量が0.05Gy である最も線量の低い集団において、甲状腺がんのリスクは統計的に有意に上昇した。そのリスクの被ばく時年齢及び性別の依存性については、外部被ばくによるものと一致していた。


ポワソンとかモンテカルロとか、何やら美味しそうな名前が並ぶけど、統計学の用語らしいにゃ。コホートは「共通因子がある集団」。過剰絶対リスク(EAR)と過剰相対リスク(ERR)は田崎先生の
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/thyroid.html 参照。

また
「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合 議事次第」
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/hibakubun-029.htm にある、
安定ヨウ素剤の予防的服用に関する提言(案)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-6.pdf 8ページには、

(イ) 服用指示の ための一般的基準
安定ヨウ素剤の投与・服用に係る 安定ヨウ素剤の投与・服用に係る EAL や OILの設定基準として、従来と同様に、小児の甲状腺等価線量を使うことは適切である。IAEA が GSG-2などで示した一般的 基準(Generic Criteria)の例である、最初の7日間 (プルームの最初放出から7日間)で小児甲状腺等価線量(実際に は幼児を対象としている)について 50mSvという値は適切と考える。 海外諸国においては、WHOの勧告 の勧告に基づき、小児甲状腺等価線量で10mSv(あるいは10mGy)を設定している例もある。WHOは、小児甲状腺 がんの偶発的発生率と比較して、放射線による小児甲状腺がん発症リスクを容認できる適度に抑えるには、従来の基準(100mGy)の十分一程度が適当と考えられることから10mGyを提言した。しかしながら、その後IAEAは、ロシアとベラルーシの疫学調査において、甲状腺等価線量あたりのがん過剰絶対リスクがゼロと明らかに異なる線量グループの最小値が50mGyであると報告されたことから、この数値をGSG-2の一般的基準に採用した。GSG-2の作成 には WHOも参画しており、こちらに示された数値を使うことは適切と考える。


とあり、WHOの安定ヨウ素剤投入基準=小児甲状腺等価線量10mSVだったが、それはJacob先生らの研究が出る前の、いささか古い、安全マージンの多いものだったこと、また基準=50mSVの策定にWHOが参加していたことが示されている。従って今、「WHOの基準では10mSVだからそれを超えると甲状腺ガンになる!」と騒ぐ根拠はない。そもそもLNT仮説では、10mSVでもガンは増える。

なお、「がん過剰絶対リスクがゼロと明らかに異なる線量グループの最小値が50mGyである」はやや危ない表現だにゃ。「グループの平均値の最小値が50mGy(=mSV)」としないと、「50mSVから発ガンした!」となりやすい。また前エントリーでリンクした「第31回会合」の資料では、「その後IAEAは、ポーランドの疫学調査において」となっているが、これは単なるまちがいだと思う。なぜかこの部分は「第30回」以後、「ポーランド」になっている。またIAEA基準が、「小児」限っていないことについては、第31回で協議されている。新基準の文言は「小児」ではなく大人も入れるのかもしれない。放射線の子どもへの影響は大人の2~3倍とかなので、子どもを基準にして安全策をとればいいという話か?

(余談ですが)
ちなみに1986年のチェルノブイリ事故の3日後、ポーランドの11の県では、16歳以下の甲状腺被曝が50mSVを超えることが予測され、実際に安定ヨウ素剤が1750万錠配布された(16歳以下の95%に配布された。また大人にも)。
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun031/siryo3-2.pdf
この資料は安定ヨウ素剤の副作用についてのものだが、ここから判ることは、当時のポーランドの状況が、去年3月事故後の福島に似ていたかもしれない、ということだ。ポーランドでの予測が、50mSVを超えてどの位だったのか、またその計算は24時間外出と仮定したのか、8時間か、空間線量率のヨウ素の寄与をどの位と見たか、等の計算式が判らないし、また福島では現在甲状腺被曝=50mSVに達した例がないので、福島はもう少しマシなのかもしれないが。チェルノブイリからポーランド国境までは約500キロのようだが、元々の事故の規模が違い、また風向き等の不確定要素があるので、距離は意味をなさない。よって福島をチェルノブイリ(ウクライナ、ベラルーシ)と比較するより、ポーランドと比べる方が、まだ現実的なように見える(もちろん様々なデータで確認しなければばならない)。

ポーランドで「鼻血」や「原爆ぶらぶら病」が出たか?奇形の出産が増加したか?甲状腺ガンが増加したのか(これは「増えた」という資料は見つからない。住民の話等をネタに甲状腺障害等が増えている、と伝えたメディア記事はあるようだが、メディアはもちろん信用できない。少人数の伝聞も信用できない。増えたなら、安定ヨウ素剤は効かないことになる。)除染はムダなのか?セシウム土壌汚染はどうなったのか?セシウムが風で舞い上がって内部被曝したのか?内部被曝はそんなに多く、外部被曝よりはるかに危険だったのか?農業はどうなったのか?・・・・。


P.Jacob先生らの1999年論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2363070/pdf/80-6690545a.pdf
に戻るが、これの1464ページ(と言っても4ページ目)のtable6では、100mSv以下の甲状腺被曝(等価線量)した1756人(平均被曝量は50mSV)中38人が、1991 年から95年の間に、甲状腺ガンになった。これがもし被曝なしの場合は、16人であるはずで(これは1983~87年における、同じ年齢層=10~20歳の調査)、このことから過剰絶対リスク(EAR:上乗せリスク)=2.6人(10000人あたり、一年あたり、1グレイ被曝につき)と計算されている。もちろん「信頼区間」があり、0.5~6.7である。またこの集団の平均値が50mSVなので、「50mSV以上被曝すると、甲状腺ガンが増える」とは言えない。「等価線量100mSV以下で、平均50mSVの甲状腺被曝でも、甲状腺ガンの発症増加はあった」である。よく考えると、LNT仮説に従えば「閾値」はない。それが数値データとして確認されただけかもしれない。

注意したいのは、世界的に調整された年間の甲状腺ガン発生率は、男性 10 万人当たり 1-2人、女性 10 万人当たり2-8人だそうだが、この研究は、1971–1985生まれ、つまり当時1~15歳が対象というところ。この年齢層の被曝は影響が大きく、早く出るのだろう。またここで調査対象となった1756人は、「全ての100mSV以下被曝した人」ではない。従って単純な「100mSV以下では38/1756=ガン発症率」とはならない。

また1466ページのfigure3からは、等価線量50mSVの被曝=この1756人集団の平均値で、10000人あたり、一年あたりの過剰相対リスクは0.1(=10のマイナス一乗)人をちょっと上回る程度なことがわかる。ちなみにこのグラフの縦軸は、目盛りの数字の上半分が間違っていて、本当は上から10の二乗、10の一乗なのだと思う。

これが恐らく前回エントリーで書いた、学習院大 田崎教授のJacob先生らの論文についての結論、

「ベラルーシとウクライナでのデータを解析した結果、Jacob らは、子供のころに甲状腺への被ばくを受けると、それによってその後の甲状腺ガン発症のリスクが 甲状腺等価線量 1 Sv の被ばくに対して、年間、1 万人あたり 2.3 名」(注:上昇する、これはEAR=過剰絶対リスクである)
これは明らかに疫学的データに基づく結果で、1SV=1000mSVである。

これが単純にLNT的に比例するとすれば(成り立つ可能性は別として)、今回仮に最大等価線量=50mSVと多めにした場合、年間10万人あたり1~1.5人に発症。しかし50mSVの人が10万人もいるわけないのである。 (細かく書くと1.15人に発症。これも過剰する、上乗せ分である。)

の詳細なわけであり(EARは田崎先生=2.3と、論文table6=2.6、さらには「概要」=2.1がちょっとずつ違っているけどね。これは、2.3は1Svを含む平均1.4Svグループ、2.6は平均50mSVグループの生データ。2.1は全体共通の調整後「結論」だからだ)、LNTは成り立っているように見える。これがこれまでの安定ヨウ素剤配布基準=100mSVだと、年間10万人当たり2.3人(あるいは2.1か2.6人)の過剰発症=上乗せである。

「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第31回会合 速記録」
http://www.nsc.go.jp/senmon/soki/hibakubun/hibakubun_so31.pdf 38ページには、安定ヨウ素剤の配布基準について、

伴委員:結局、今まで100でやっていたのを変える、なぜ変えるのかという話になると思いますので、そこのところですね。100ではまずかったから50にするんですということではないというところは、はっきりさせなければいけないと思うんです。そもそも50という値も、Jacobたちの論文でそれぐらいで有意差が出ているよと言っているわけですけれども、あれも個々人のレベルの線量を評価しているわけではないので、果たしてどの程度のものかという、そういう見方もあるわけですね。だから、そうした時に、100でいけないわけでもない、でも50という線もある、10という線もあるんだけれども、下げてもいいかなというのは、要は安定ヨウ素剤の副作用というのが、ポーランドの調査なんかを見てもそれほど大きくはなさそうだから、万全を期して、国際的なハーモナイゼーションも考えた時に、あえて100にこだわる必要はないのではないかという、そういうロジックではないかと私は理解しています。

とあるが、確かに「甲状腺等価線量50mSV被曝で、(急に)甲状腺ガンが増える(ことが新たに発見された)」ではない。ここのところを注意して、マスゴミにだまされないようにしよう。なお安定ヨウ素剤は、ポーランドでは甲状腺被曝量を大体半減させる効果があった、というような記述をどこかで見かけたが、詳細不明。効き目については、ヨウ素欠乏症の問題もある。

なお、「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdf
はこれまでのチェルノブイリの甲状腺ガンの研究例を7つ並べていて、それぞれの過剰絶対リスク=EAR、過剰相対リスクERRが掲載されている。全て小児期(と書いてありますが、実際は18歳までの若年のようです)での被曝の研究で、大変興味深い。EARは1.5~4.4の範囲だ。ERRは4.5~23だが、やや不思議なのは、Jacob先生らの2つの研究(上記1999年、及び2006年)だけが、ERRの値が一桁大きいことだ(23、18.9)。過剰絶対リスクはそんなに変わらないので、何か理由があるのだろうが、よくわからない。正直言って、ERRの場合、単に「1グレイあたり」となっているが、その意味がよくわからないのだにゃ。文系ノラネコじゃあね。だからEAR主体に書きます。

この中では一番新しいAlina V. Brenner先生らの2011年論文
I-131 Dose Response for Incident Thyroid Cancers in Ukraine Related to the Chornobyl Accident
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/info%3Adoi%2F10.1289%2Fehp.1002674は、
ウクライナの事故当時18歳以下の12514人を調査対象にしている。また事故後に12歳から40歳に到達した人も対象にしている。最新データは2007年のスクリーニングらしい。
dose estimates Data were cross-classified by age at exposure (from 0 to 18 years in 2-year intervals), attained age (from 12 to 40 years by 2-year intervals), dose estimates (< 0.05, 0.05–0.09, 0.1–0.29, 0.3–0.49, 0.5–0.69, 0.7–0.99, 1.0–1.49, 1.5–1.99, 2.0–2.49, 2.5–2.99, ≥ 3.0 Gy), and calendar time intervals (1998–2008 in 1-year intervals).なので、福島の場合に一番知りたい、18歳以下の若年層と、被曝量100mSV以下の2グループ(50mSV以下 50~90mSV ただしGyで小数点以下2桁までなので、1mSvレベルの差は無視しているのかもしれない)が設定されている。しかこれら各被曝線量における細かいデータは出ていない。恐らく結論として出たEAR=2.21、ERR=1.91と何ら矛盾する点は無いのだろう。この研究の結論は、「事故後20年経ってもこれまでの研究で得られたようなリスクが同じようにある」ということのようだ。つまり、これまでの研究は肯定されている。

またElein Ron先生らによる1995年論文
Thyroid Cancer after Exposure to External Radiation: A Pooled Analysis of Seven Studies
http://www.rrjournal.org/doi/abs/10.2307/3579003?journalCode=rare には、
For persons exposed to radiation before age 15 years, linearity best described the dose response, even down to 0.10 Gy. =15歳以下で被曝した人について、被曝量に対する直線的関係(リニア、つまり発症は被曝量に直線的に比例する)が、0.1グレイ(=100mSV)より低くても当てはまる。
The thyroid gland in children has one of the highest risk coefficients of any organ and is the only tissue with convincing evidence for risk at about 0.10 Gy.=子供の甲状腺はどの器官よりも高率のリスクを持ち、およそ0.1グレイ(=100mSV)で、リスクについて説得力ある証拠を示す、唯一の組織である。

と書いてある。これが先のP.Jacob先生らの1999年論文で、平均50mSVになったということか。

Elisabeth Cardis先生らの2006年論文、
Cancer consequences of the Chernobyl accident:20 years on
http://depts.washington.edu/epidem/Epi591/Spr09/Chernobyl%20Forum%20Article%20Cardis%20et%20al-1.pdf
134ページ(8枚目)には、チェルノブイリ事故の甲状腺ガンの、95年から2006年までの6つの研究の比較が載っている。ここにはEARではなく、ERRしか出ていないが、その範囲は5~18.9だ。この最大値は前に書いたJacob先生らの2006年研究だ。

Cardis先生と言えば、リーフレインさんが「まとめ」をしていた。
http://togetter.com/li/270492
これは2005年論文
Risk of Thyroid Cancer After Exposure to 131I in Childhood
http://jnci.oxfordjournals.org/content/97/10/724.full

この研究で福島的に興味を引くのは、甲状腺への最低被ばく線量集団=0~15mSV、となっているところで、ここでは対象154人中16人が、甲状腺ガンになっている。またその上位の集団は16~199mSVで、579人中76人の発症。研究全体の対象は15歳以下、1998年の患者276人で、さらに1300人を比較対象(コントロール群)として、ベラルーシ、ロシアから選んでいる。ただしこの「ケース・コントロール方式」には限界があり、「疾患の発生率 Incidence、存在率 Prevalence、あるいは寄与リスクなどを求めることは出来ない。」ようだ(http://www.kdcnet.ac.jp/college/toukei/statistics/observe.htm)。この研究の結論はEARはなく、ERR=4.5だ。199mSV以下の2集団について特記等はない。つまり先行研究を否定するような要素はなく、この領域でも直線性が保たれる、ERR=4.5ということだろう。

さらにNHKが昨年12/17に放送した「サイエンスZERO」では、放医研の杉浦紳之氏が、「今年発表されたベラルーシのデータ」というものを出して、解説していた。
nhk1.jpg
(番組文字起こし)
杉浦紳之:(ベラルーシでは)全体的に数100ミリシーベルトを超えていて、数量が非常に高いものとなっております。しかし、今回の福島では先程見たように最大が35ミリシーベルトですから、今回の緊急調査の結果を見て、我々専門家がホッとしたのは、やはり~50、この一番低いところに収まっています。ではここに、実際に甲状腺がんになった人の割合を重ねてみます。やはり、線量が増えてくると発生の割合が高くなってくる事が知られています。

nhk2.jpg

安めぐみ:ですが、これを見ると、福島と同じ50ミリシーベルト以下のところでも甲状腺がんになった方がいるという事になりますが、こちらはなぜなのでしょう?

杉浦紳之:もちろん、「子どもの年齢が低いほど甲状腺がんのリスクが高くなる」という事も一つあると思いますし、もう一つは自然発生の癌がですね、甲状腺がんが、他の癌に比べて速い年齢で30歳や40歳から出るので、チェルノブイリはもう25年経っていますから、その年齢に入ってきている方が対象者になっているという事も言えると思います。

山田アナ:ここも、つぶさに見ていかなければいけないと思うんですが、

杉浦紳之:はい、おっしゃる通りだと思います


ということだったのだが、この資料の元はまだ見つけていない。一応この研究で対象にした0~50mSV被曝集団2000人で、甲状腺ガン発症者の割合は0.3%、50~150mSVの2500人集団では0.4%だったと読めるが、他の研究では、こういう数字の出し方はしてはしていない。P.Jacob先生らの1999年論文のところでも書いたが、母集団は全ての0~50mSV、50~150mSV被曝者ではないので、これをそのまま「発症率」とすることは不可能だ。発症期間、調査対象の年齢等がわからないと、結局「被曝量が増えると発症率も増える」ということがわかるだけだ。大事なEAR,ERR等の数値は全くわからない。元の研究が知りたい。

思うにチェルノブイリでの研究、データは、今回の福島のような、100mSVを下回る甲状腺等価線量被曝についての詳細なものは少ないし、中心の研究対象ではない。つまりそれだけ、チェルノブイリの被曝量は大きかったし、福島の被曝量は小さいということが、言えるのではないだろうか。繰り返すが、まさに「GCRふくしま」の早野龍五先生の言葉「ここはチェルノブイリではない 福島のデータをしっかり見よう」なのだにゃ。

そして結局、これまでの研究による知見、「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdfにある7研究の、EAR=1.5~4.4(10000人あたり、1SVあたり、一年間に)からすると、福島での最大被曝量=50mSVととった場合、これだけ被曝した人が100000人いたとして、その中の年間の過剰発症(つまり放射能で甲状腺ガンになる人)は0.75~2.2人。もし100mSVの人が100000人いたとしたら、年間の過剰発症は1.5~4.4人ということになる。ただし調査方法(コホート、ケース・コントロール、エコロジカル)にはそれぞれ欠点もあり、さらにはポアソン、モンテカルロ、リニア、二次曲線といった統計のやりかた、モデルも複数にわたる。被曝時の年齢も違いを生み出す。そして甲状腺ガンは放射線に限ってみても、医療被曝等外部被曝の影響があり、もちろん放射線以外の原因もある。

唯一の「正しい数字」がビシっと出ることなどないが、傾向はつかめる。これらの数字は確かに通常の甲状腺ガンの発症に埋もれてしまい、個別例を「原因は放射能」と指摘することは困難だ。もちろんこれを「多い」か「少ない」か、「ゼロではないから避難する」、等見方や行動は自由だ。そしてその対策、ケアは無くてもよい、ということにはならないだろう。全体のガン発症に埋もれるということは、放射能と関係ありなしは別にして、福島県での全体のガン防止、ケア対策、ガン医療を向上させ、将来福島県は日本一のガン・フリー県になる。これしかないような気がする。

(あ~今回はエラク難しかったにゃ。間違いありそうなので、見つけたら指摘してくださいだにゃ。)


(追記 7/23 「まとめ」です ここだけ読んでもOKにゃ)
せっかくだから、前回エントリーの「数字」も一緒にメモしておくにゃ。「備忘録」兼「まとめ」です。

注:以下特記した「LNT仮説」のところ以外、全て「等価線量」です。普段よく使われる「線量」=「実効線量」で、これは「等価線量」の1/25と考えられます。

現在までの調査でわかっている 福島の内部被曝 甲状腺等価線量

①広島大田代聡教授らの調査 
調査日=3/26~3/30 場所=いわき市 川俣町 飯館村 対象=1080人(0~15歳) 
最大等価線量=42mSV
注:「3月12日から23日までの12日間に連続的に吸入した後、24日に甲状腺線量を測定する」という仮定に基づいて計算。=前記田崎さんのサイトより。

②弘前大床次真司教授らの調査
調査日=4/11~16 場所=浪江町津島(含南相馬からの避難民) 対象=62人(15歳以下も成人も含む) 
最大等価線量=33mSV 
注:3月15日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算。いつまでの積算かは不明だが、長くとも4/16(4/10?)までということになる(そこまで長くないだろう)。

なお、これらの調査が「事故直後ではない」と言う向きもあるかもしれないが、チェルノブイリでの調査ももちろん、事故直後ではない。例えばJacob先生らの1999年論文1463ページには、Dose reconstruction in Bryansk district was based on measurementsof the 131I activity in thyroids performed in the period 13May to 13 June 1986、とある。「ブリヤンスクでの被曝量は、1986年5/13~6/13にあった甲状腺被曝検査で再現した」である。ちなみに事故は4/26だった。

チェルノブイリ事故の内部被曝による、甲状腺ガン発症の研究から得られたデータ
「原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会 被ばく医療分科会第29回会合」の資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun029/siryo2-4.pdf
にある、代表的な7研究(全て被曝時18歳以下が対象 15歳以下もある )によれば、

EAR(過剰絶対リスク)=1.5~4.4(10000人当たり、1Gy≒1Sv当たり、年間)

①1995年のE.Ron先生らの論文によれば、甲状腺等価線量100mSV以下の被曝量でも、被曝量と発症数に直線比例関係が成り立ち、この領域でも放射能の影響が見られる。

②1999年のP.Jacob先生らの論文によれば、甲状腺等価線量100mSV以下、平均50mSV被曝量の集団も、「甲状腺がんのリスクは統計的に有意に上昇した」。

③2011年のAlina V. Brenner先生らの論文によれば、被曝後20年経過しても、先行研究の結論は変わらない。(最新調査=2007年時点で、被曝時18歳の人は39歳になっている)

以上のことから福島では

甲状腺等価線量100mSV内部被曝した子ども、若い人が10万人いたとしたら、この被曝が原因で甲状腺ガンになるのは、1.5~4.4人/一年間

この10万人の被曝量が半分の50mSVならば、0.75人~2.2人/一年間

と言えるのではないか?もちろん「だろう」「可能性がある」で、現状では50mSV被曝した人は見つかってない。またとうてい10万人いるとは思えない。なおこれが始まるのは、被曝後2、3~5年後?チェルノブイリでは発症ピークは10年後?このあたりはよく調べていません。

ICRPの「LNT閾値なし仮説」との整合性
あと、ICRPのLNT仮説=「100mSV以下の実効線量被曝の場合、0.5%のガン発症(ガン死)上乗せ、閾値なし(もとは1Svあたり5%の上乗せ)」との整合性だけど、

①これらの研究のEAR(上乗せ値)は、等価線量100mSVを実効線量に直した場合、4mSVで年間10万人に最大4.4人上乗せ、となる。世界的甲状腺ガン発症は年間10万人あたり2人(男の最大値です、女は8。ここを変えてもあまり変わりません)=0.002%だとすると、この発症上乗せで6.4人となる。これは発症率=0.0064%になるということだが、上乗せ分は0.0044%で、0.5%よりはるかに小さく、少なくとも「ICRPのLNTは低く見積もっている、甲状腺内部被曝は本当はもっと危険だ!」とはならない。

②E.Ron先生、P.Jacob先生らによって、甲状腺に限っては、等価線量100mSV以下の低線量でも、「閾値なし」らしいデータが、あがってきた。

ということではないだろうか。

「反原発」がよく叫ぶ、「内部被曝の影響はわかっていません!」ってことはないのだと思うがにゃ~。
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「今、福島市内で」② のはずが、「反原発 傾向と対策」になったにゃ。

というわけで,「子ども福島情報センター/市民放射能測定所」とCRIIRADのことから思いついた、「反原発カルト」軍による「福島ゴーストタウン化作戦」の「傾向と対策」備忘録にゃ。(順不同)

①「内部被曝」が危ないと叫ぶ。内部被曝=空間線量の10倍(小出裕章氏)4倍(武田邦彦氏)等。
(傾向と対策)
しかし小出氏説は人間自身の吐息や代謝、排泄等による排出を無視した数値であるし、武田氏説はまったく根拠不明の適当数値。武田氏は自己のブログで「(空間線量を4倍するのは)空間、内部、水、食糧の4つから被曝するから」と意味不明なことを書いている。根拠が無いだけでなく、タームもめちゃめちゃ。そもそも「水から」も「食料から」も内部被曝だ。東大出にしてはあまりにも「お粗末」。それとも「放射能お笑い」のつもりかにゃ?

内部被曝量は個人で異なるので、こんな荒い計算式で出るわけはない。「内部被曝」に限らないが、「反原発」は「瞬間最大風速」的な数値を、全体とか一年に拡大して「脅す」傾向がある。これでは「科学」とは呼べないだろう。福島では最近行政による「ホール・ボディカウンター」での計測が進み、彼らのインチキがバレつつある。対策は本当に「測る」ことにゃ。ちなみに「週刊新潮」によると武田氏はブログで「内部被曝は空間線量の3~4倍」「福島から逃げてくださいっ!」を連呼して本が売れ、3000万円の印税が入っているらしいにゃ。武田氏についてもその内まとめなくてはならないが、とにかく「内部被曝」は見えにくいだけに、福島を「脅して儲ける」にはうってつけにゃ。

②「低線量被曝」が危ないと叫ぶ。低い線量でも鼻血や咳、体調不良等が起こると言う。もちろん「発ガン」も。
(傾向と対策)
しかしこの説の元(=前述「低線量被曝キャンペーン」ただしここには「鼻血」は書いてない。「鼻血」は原爆症からの日本人独特の連想かにゃ?)と思しきクリズ・バズビー氏独特の学説を詳しく知ったら、単純に「体調不良云々は(軽い症状だけど)放射能のせい」と連呼する連中は驚愕するかも。彼の説は、低線量被曝での「発ガン(白血病)率」は高線量被曝より遥かに高くなるらしい。氏の7月20日の「記者会見」の記者質問「Q4」以下にその片鱗がうかがえる。(以下太字=引用)

Q4(記者):チェルノブイリの疫学調査の結果、イングランド、ギリシャ、ドイツ、ベラルーシにおいて妊婦の被曝量が増えた。これらの論文を三回読んだがどうしても、UKとドイツの場合1万人に補正した場合、白血病が1%しか増えていない。ギリシャにおいては三倍という数字が出ているというが、なぜなのかと考えている。

A(バズビー氏):あなたがそう思われるのは、恐らく線量を倍にすれば正比例して被害も倍だと考えているからだろう。しかし疫学からの証明を見れば、被曝量と被害の関係は直線的正比例ではない。線量が上がるとともに、線は上がり、一度下がり、再び上がる。


というわけにゃ。しかしそれならば、ギリシャの人はさらに放射能を浴びれば発ガン(白血病)率は下がることになる。そんなの信じられるかにゃ?これについてはネコはまだよく読んでない。暇なときに調べるけどにゃ。今は「らしい」のレベルにゃ。とにかく「低線量被曝」で鼻血が出るならば、レントゲンやCTスキャンは血まみれにゃ。

「低線量被曝」も見えにくいので、「脅して儲ける」にはいいにゃ。そう言えば何とか黄太とか言う「ジャーナリスト」が、福島市で「低線量被曝」で講演会やってたにゃ。この「ジャーナリスト」はバズビー説に乗ったのか「東京で鼻血、しかし東京より線量が高い福島では鼻血なし。これは低線量の方が危険なことを示す云々」という線にゃ。しかし後述するように、福島では「子ども福島情報センター/市民放射能測定所」は「鼻血」で騒いでいる。もうメチャクチャだにゃ。結局「反原発」は確たる理論も証拠もなく、ただ「不安」を煽っているだけにゃ。この際「反原発」もLNT(被曝量に発ガン率比例 閾値なし)か、バズビー説か、統一したら?でも世の中には自然放射線量が高い玉川温泉の人が、長生きというデータもあるらしいにゃ。ところで本当に「鼻血」の人いるの?なぜか「ハゲ」は聞かないにゃ。考えてみれば「鼻血」「体調不良」「咳が止まらない」「風邪が長引く」等は放射線以外のフツーの病気・症状だし、「自己申告」「自作自演」でも何とかなりそうだけど、「ハゲ」は他人が見て一目瞭然だから、インチキはできないにゃ。ちなみに信夫山ネコは、「早く福島から逃げてくださいっ!」と叫ばれると、「体調不良」になります。「鼻血」や「ハゲ」もあるかも。

「反原発」の最大の脅しは「ECRR、ゴフマン(御不満?)博士、トンデル(飛んでる?)博士らの唱える低線量被曝での発ガン率は、ICRPの何倍です」等というやつにゃ。しかしこれらの数字に確たる科学的裏づけはないのにゃ。なお、ICRPのLNTに基づいた仮定は、「100mSvあたり0.0055(100mSvの被ばくはがん死亡のリスクを0.55%上乗せする。)」だ。有効な「発ガン率」のデータは「広島・長崎」と「チェルノブイリ」しかない。「広島・長崎」において、100ミリシーベルト以下の被曝では「発ガン」率は他の要因と区別がつかない程小さく、「放射能が原因」とは、確認できないのである。しかもこの場合の100ミリは、原爆一発で「短時間に浴びた」場合である。原発事故のような、「低線量でじわじわ被曝して、年間合計100ミリシーベルト」のデータではない。この「期間」の問題は需要だ。人間の体、細胞には回復力があるので、放射線によって傷ついたDNAも、短時間にものすごい量被曝しなければ、回復できるはずだ。でなければレントゲンやCTスキャン、国際線パイロット、宇宙飛行士、コロラド州デンバー市民(年間自然被曝5ミリ?)等はみんな「アウト」なはずである。「反原発」は「内部被曝」の場合と同様、人間自身の力を無視して、危険度最大にして煽るが、現実にはまだ「希望」はあるのだ。

またなぜ「年間」という区切りで積算被曝量の基準を示すのか(一生の被曝量でもいいではないか?)。これは人間自身の回復力は、一年で「チャラにする」ことが出来る、という意味なのか?これも実際はまだわからないので、「暫定」なのだろう。しかし日本人は通常平均年間2.4ミリシーベルト被曝すると言われる。つまり8年4ヶ月生きれば積算20ミリシーベルト被曝する。これは福島で「反原発」の攻撃目標になった「年間20ミリ」と同じ値だ。従ってこの「期間」と「回復力」の問題を「反原発」の流儀で無視すれば、日本人は9歳で「アウト」だ。

ちなみにこの時「年間20ミリシーベルトでなく、法律上の通常値=1ミリシーベルトにせよ」と要求して(確か武田氏も煽っていたにゃ)、結局「努力目標1ミリ」になったようだが、法律と医学・科学は異なる。そもそも根拠のない「刑事告発」や「ドロボウ」までしている「反原発」が「法律を守れ」とはちゃんちゃらおかしい。福島市が法律上の「放射線管理区域」になろうがなるまいが、個人が「現実から、また医学的見地から、どの程度の被曝ならば、容認できるのか」が問題だ。小出氏は講演の動画で「許容できる被曝なんてあるんですかっ!」と叫んでいたが、ある。今の福島人にとって、それは確実にある。実際原発事故以前だって、毎日微量ながら被曝し続けていた。地球上に被曝ゼロの土地などない。今の福島の現実は緊急事態下にあり、このまま線量が下がらない前提で単純計算すると、年間積算被曝9ミリ程度になるかもしれない。では「違法行為だ!」と言って行政を処罰すれば、何かが解決するのか?何も解決しない。もちろんこの状態は、ICRRのLNTに基づけば発ガン率増加はゼロではない。しかし微小だ。また被曝量は個人個人で異なるだろうし、さらに様々な放射能を「減らす努力」もできる。自然に減る分もまだある。コロラド州デンバー市の人たちは普通に生きている。ここでオリンピックもあった(これはユタ州ソルトレイクシティの間違い 失礼しました でもこちらも年間5ミリ程度に達するようです)。ガン検診を増やす手だってある。ガンになったら100%死ぬわけじゃない。ネコは「希望」を捨てない。ふるさとも捨てない。

もうひとつある実際のデータは、チェルノブイリの「小児甲状腺ガン発症率上昇」だ。これは彼の地では事故後もしばらく、規制なしに地元産牛乳を消費していたかららしい。これもネコはよく調べてないので「らしい」のレベル。しかしこれもまだ「希望」はある。福島は野放しだったソ連とは違う。食物や飲料の検査、規制は行われている。それに甲状腺がんの致死率は低い。だから「反原発」の「すぐ福島から避難してくださいっ!」を単純に信じるわけにはいかない。これを信じて避難し、家族分裂、失業、家なしetc.の不幸の連鎖~大損となっても、「反原発」は保障してくれない。

このあたりについては、「飯坂生まれ」さんの「確率的影響の考え方など~」にとても詳しく出ている。御覧ください。

③「福島はチェルノブイリの強制避難区域の何倍の土壌汚染ですっ!すぐ避難してくださいっ!」と叫ぶ
(傾向と対策)
チェルノブイリの避難基準は、事故後5年を経てからようやく決められたもので、今の福島とは比較できない。http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-11.html参照。事故当時はもっとひどい汚染状態だったところが、5年後にようやく「強制避難区域」になったのである。ソ連時代の最初は避難基準は、「年間100ミリ・シーベルト」だったようにも見える。なお福島第一原発の放射性物質の放出量は、チェルノブイリの十分の一程度である。またチェルノブイリの「強制避難区域」にも、実際人が住めるという話、「飯坂生まれ」さんの「野口邦和氏講演」参照。ロシアのアルチュニャン博士もインタビューで、

「チェルノブイリにおけるもっとも大きな問題は、事故直後ではなく、90年以降から発生しました。というのも、90年に、放射能汚染レベルが1平方キロメートル当たり1キュリー以上、これは放射能の強さを示す単位ですが、この数値以上の地域に居住する住民すべてをチェルノブイリ事故の被ばく者と特定した法律が採択されたからです。実際には、その地域で懸念されるような被ばく線量はありませんでしたし、事故後25年経った現在、同地域の住民の90%に関して、その年間被ばく線量が1回のCTスキャンの線量にも満たないということが分かっています。」

と言っている。つまり「土壌汚染」がそのまま「被曝」になるわけじゃなく、一律の規定はできない。これも対策は本当に「測る」ことにゃ。そして今、その「計測」も進みつつある。これも「飯坂生まれ」さんの http://blogs.yahoo.co.jp/iizakaumare/35716974.html 参照。ちゃんとした計測が始っている。

(8月8日追記)
「正しい放射能関連情報を見つけるためのサイト~福島や近郊在住の方の不安を取り除き、風評被害を減らそう。」から進んだ「児玉龍彦教授による国会発言と尿中セシウム関連の検証」では、児玉氏の7月27日国会での「(チェルノブイリのデータでは尿中6bq/リットルで)増殖性の膀胱炎というのが必発でありまして、かなりの率に上皮内のがんができているという事が報告されております。それで、この量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2~13ベクレル、7名で検出されているという事が既に報告されている事であります」が、学者たちの議論になっている。そして結局このチェルノブイリの「尿中6bq/リットル」という値は、チェルノブイリ事故数年後の値で、今の福島とは単純比較できないということでした。つまり「事故後かなり被爆して、何年か経って(かなり減って)もまだ1リットル当たり6ベクレル出る」人に膀胱炎が起こっていたわけにゃ。(だから今の福島の「母乳」を比較して恐れるのは単純すぎる。またこのパターンにゃ。)

「チェルノブイリとの比較」が出た場合、まず「チェルノブイリのデータはソ連崩壊後、つまり5年程経ってからのものが多い。そのタイムラグを無視して今の福島とは比較できない。事故直後から5年間の(大量)被曝分が入ってないからね。」と唱えるのが必要かもにゃ。

④原発が実は「再臨界」していたとか、「核爆発」していた(バズビー氏、武田氏ら)と騒ぐ。
(傾向と対策)
「再臨界」はもう一度大きな地震でも来て制御棒がはずれなければ起こらない。「核爆発」は「濃縮ウラン」でもなければ起こらない。そんなに簡単に「核爆発」が起こるのなら、北朝鮮は苦労しない。武田氏は「水素爆発」のことを「核爆発」と書いていたが、わざと脅すためにそう書いていたのか。彼自身の「濃縮ウラン」研究の経歴から言って、そうとしか思えない。しかしよく考えると、その両方が起こっていようと、どうでもいいのではないか?福島は今ある福島でしかない。「メルトダウン」騒ぎを覚えているだろうか?あれが「発覚」した時、マスコミは「メルトダウン」=「チャイナ・シンドローム」という考えしかなかったから、バカみたいに大騒ぎした。しかし結局は「破局」でもなんでもなかったにゃ。福島にとっては過去に何が起こっていようと、今の現実を把握することが大事にゃ。福島第一原発の現状を知るには、「失敗学会」の「吉岡リポート」にゃ。

⑤いまだに空中に放射性物質が飛んでいる、と騒ぐ。
(傾向と対策)
何度も書いているが、もはや飛んでない。KEK野尻美保子(ネコさん)教授のhttp://nojirimiho.exblog.jp/14123509/も参照

⑥雨どいの下などの、放射線量の極度に高いところを測り、その数字を土地全体、あるいは年間に広げて、「逃げてくださいっ!」と騒ぐ
(傾向と対策)
一部の高い値を全体に拡大するのは、典型的な「反原発」の「擬似科学」。そのピンポイントで高いところにずっといるわけはない。数値が高いところは避ける。また除去する等の方法、対策があるわけで、即「福島から逃げてくださいっ!」になるわけはない。これまた対策は全体を「測る」こと。「反原発」は測らないで「大雑把な試算、推定」でものを言っている。それに東南アジアやアフリカには、不発弾や地雷だらけの土地でがんばって生活する人たちもいるにゃ。福島もまだまだやっていけるはずだ。

⑦信夫山ネコのような「田舎の人(ネコ)」を「外国の権威」でダマかそうとして、すぐ「外国人」「外国の団体」「外人部隊」を投入する。「欧州」が多い。ECRR、ACRO、CRIIRAD、ゴフマン博士、トンデル博士、クリス・バズビー博士、グリーン・ピース・ジャパン=アイリーン・美緒子・スミス理事長、グリーン・アクション=アイリーン・美緒子・スミス代表、LLRC、Green Audit、FoE JAPAN=ランダル・ヘルデン代表理事・・・
(傾向と対策)
まだまだありそうだにゃ。「反原発」はまるで鹿鳴館時代のままだにゃ。「なでしこJAPAN」を見習って「外人部隊」に負けない日本人(ネコ)になろう。ネコの世界では日本ネコの雑種よりチンチラやアメショーが偉くて、そっちの言うことの方を信じる、ということはない。値段は高いけどにゃ。「日本は世界唯一の被爆国」だったのににゃ~。日本の研究者であり、被爆二世の山下俊一氏は、「反原発」から「刑事告発」「解任署名」の憂き目にあっているにゃ。こんなことでいいのか?日本人よ、目覚めよ!

⑧「週刊現代」と組んでのやらせ記事。
(傾向と対策)
買わない。

⑨様々なプロパガンダ。成り立たない「刑事告発」「解任署名」「オシッコからセシウム記者会見」など
(傾向と対策)
これらは常に「記者会見」を伴う。「記者会見」はニュースを「作り上げる」仕組みにゃ。簡単に信じないことにゃ。なお「プロパガンダ」は左翼の得意技にゃ。つまりこれは「政治」だにゃ。

⑩「多数派」に見せかけるため、「別働隊」をつくる。ECRR=LLRC=Green Auditとか、グリーンアクション=グリーン・ピース・ジャパンとか。
(傾向と対策)
統一教会=原理研とかね~、これってカルト集団の傾向にゃ。

⑪ウソをつく。とにかくウソだらけ。広瀬隆氏の「ECRRは欧州議会の組織です。ECRRの2003年勧告は、日本人以外は全世界でみんな知っています!」とかにゃ。
(傾向と対策)
「ウソはドロボウの始まり」と言うが、「グリーンピース」なんて本当にドロボウになってしまった。放射能でDNAが損傷してウソつきになったのかもしれない。まだ科学・医学では証明されてないけどにゃ。治る見込みはないかもにゃ。実際「反原発」は、自分たちは「原発全廃」という「正義」のために戦っている、この崇高な目的のためには、ウソも犯罪も許される、というカルト集団の思考なのだろう。

⑫上記のいくつかにあるように、「反原発」はとにかく測らないで「脅す」。少ないサンプルにおける最大値をそのまま全体や「年間」に広げて「脅す」
(傾向と対策)
実際に測る。「内部被爆」も「土壌汚染」も計測は始まっている。昨日の「福島民報」では、汚染が高い飯舘村の長泥地区で3月11日以降生活していた人でも、内部被爆は50年後でも積算1ミリシーベルト未満であることが、測定の結果判ったそうだ。

⑬福島原発からプルトニウム等が出たと騒ぐ
(傾向と対策)
プルトニウムの半減期は数万年だそうにゃ。60年代の核実験でプルトニウムは世界中に撒きちらされたが、それはまだまだ残っている。地球上のどこで検出されても不思議ではなく、それが福島のものだという証拠はない。

⑭「反原発」の言うことは実は科学でなく、政治。なぜか左翼が多い。
(傾向と対策)
「反戦」や「環境政党」も。ただし「日本共産党」は、「福島から逃げてくださいっ!」と叫んではいない。結局「反原発」は「新左翼」的なのか。右翼の「反原発」を発見したら、世紀の大発見かもにゃ。

⑮「反原発」は自分たちに反対するものは全て「原発推進派」「御用学者」にする。またそれらが「原子力ムラ」という利権集団を作って、「安全だ」と嘘をついて、「ツルんで儲けまくってきた」等と言う。
(傾向と対策)
こういう二律背反的「レッテル貼り」は、左翼の得意技、「政治」だにゃ(でも「反原発」が「あいつは御用学者だ!」と叫ぶ様は、軍国主義日本の「あいつは非国民だ!」ともそっくりだにゃ)。確かに「原子力ムラ」があって、原発の危険性を隠して儲けまくってきたが、丁度正反対の「反原発ムラ」もある。これは「誇張した数字」などで福島を脅しまくり、本を売ったり講演を行って儲けている。複数団体がツルんで「週刊現代」に記事を書かせたり、「記者会見」を行う。「原子力ムラ」に比べると金額、規模は小さいだろうが、構造はそっくりである。現実社会では、大多数のフツーの人はどちらの「ムラ」にも属していない。人間(ネコも)が現実を生きる上で、「白黒」つかないことが多いのがフツーだ。「二律背反」の世界なんて、カルト集団の「妄想」「原理主義」でしかない。

⑯「反原発カルト集団」は「みどりの何とか」を名乗ることが多い。
(傾向と対策)
「福島から静岡に避難した小学生が放射能で死んだ」という悪質なデマを流した、「みどりの未来」とかにゃ。薬害エイズ事件では、「ミドリ十字」だったにゃ(関係ないか)。要するに元祖(教祖か?)は欧州の「緑の党」。また外国のマネにゃ。結局背景は「政治」で、科学と論理ではない。

⑰「反原発」は「子ども何とか」を名乗ることも多い そしてターゲットは「お母さん」
(傾向と対策)
上記「みどりの未来」も、デマの根幹は「子どもが死んだ」にゃ。「さえないオヤヂが死んだ」ではないところに、母親の恐怖心を煽る意図が見える。「反原発軍」の正義の戦争=「福島壊滅作戦」は、戦争では本来「非戦闘員」であるはずの「子供と母親」をターゲットにしている。「お母さん、このまま福島にいて、子供を見殺しにする気ですかっ!早く避難してくださいっ!」というのが得意技。武田氏も連発していたにゃ。母親にしてみれば、こう言われたら子供を人質にとられたも同然。パニクるのは当然。卑怯な作戦にゃ。

そして最近は特に「お父さん」や独身男女(やネコ)は蚊帳の外になってきたにゃ。こういう人たちには、社会の接点から正しい情報が伝わるのが早いから、「反原発軍」も狙いを絞ってきたのだろう。まんまとひっかかって、「お母さん」と「子ども」は避難。「お父さん」は福島に居残りして、黙々働き続ける。「臨時独身男」が増えて、「夜の街」は賑わったりして。いやいや。こういう「家族分裂」の悲劇を増やさないためには、「反原発の脅しを鵜呑みにすると、いつか事故で死ぬかもしれないから、クルマ 鉄道 飛行機には乗らない、ということにもなるよ」とでも言うか。とにかくここまで見てきたように、「大ウソだらけ」の「反原発」が、「ガン発症(ガン死?)率」だけ本当だなんて、絶対にあり得ないにゃ。


「反原発」の「作戦」はまだあるかもしれないが、気がついたのはこんなところにゃ(どんどん増えてしまったにゃ)。

なお、「反原発カルト軍」の現時点の戦略目標は「山下俊一氏解任」。最終目標はもちろん「原発全廃」で、このための「一里塚」として、「福島から避難してください!子どもを見殺しにする気ですかっ!」等と連呼して、「福島市ゴーストタウン化」を進めている。もし人口29万の県庁所在地である福島市(や30万の郡山市)が「放射能のために避難」で壊滅すれば、彼らの「原発全廃」という「崇高な目的」の実現は、ぐっと近づくからだ。

でも現実に原発が地球上からなくなったら、「反原発カルト」も無くなっちゃうにゃ。彼らは食えなくなって大変にゃ。「今のうちに儲けておさらば」の人もいるだろうにゃ。

今回はここまで。「今、福島市内で」の続きは次回にゃ。

福島の20mSV/年はチェルノブイリの避難基準5mSV/年の4倍=デマにゃ

「福島はチェルノブイリの避難基準を超えている!」は、よく出回っているヤツにゃ。放射性物質みたいに「拡散」されている。福島市民でこれに怯えている人も多いにゃ。以下に「原典」らしきものを示すにゃ。

たんぽぽ舎 : 地震と原発事故情報45~避難基準はソ連よりも4倍甘い
(「転送歓迎」だとさ)

★1.旧ソ連最悪の原発事故 チェルノブイリの避難基準は5ミリシーベルト 日本の福島は20ミリシーベルト

1986年に起きたチェルノブイリ事故時のソ連の避難基準には2段階ありました。

一つは公衆被曝の1mSv/年 を超えると「移住権利」が発生します。住民は移住するか否かを自分で選択します。

もう一つ5mSv/年 を超える場合、「移住義務」になります。

公衆被曝の法的基準を超えた場合に避難する権利が発生するのは法的に適性でしょう。日本の場合は避難により発生する損害は東京電力に補償義務があるはずです。

日本政府の<避難基準>は20mSv/年です。<ソ連よりも4倍も甘い>基準となります。
住民の被曝被害が心配です。ソ連の基準で避難をするなら、福島市や郡山市も対象となるでしょう。

外国の新聞でもこの事実は報道されていますが、日本のマスコミは沈黙を守っています。
(以上)

こんなのを鵜呑みにして、「うぁ~~~~~、これじゃ大変だ~~~~」となって福島市から避難した人、多いですか?うつになったり、自殺した人、いないといいにゃ。大損になる可能性があるにゃ。なぜなら、上記には「日本のマスコミ」みたいに「沈黙を守っている」、しかも極めて重要な部分があるからにゃ。

隠されていることは、
◎このチェルノブイリの避難基準は1991年=事故の5年後に決められたもの だにゃ。

これは、「ベラルーシにおける法的取り組みと影響研究の概要」 ウラジーミル・P・マツコ,今中哲二
http://ow.ly/4E4O8
に詳しくある。あの小出氏の所属する「京都大学原子炉実験所」のサイトのページにゃ。 

正確には1991年12月11日に(独立後の)ベラルーシ共和国が法律決定(そもそもソ連じゃないにゃ)。
法的根拠になった「ベラルーシ科学アカデミー」が1990年12月19日に採択したものは、以下の如し。

汚染密度に従って,汚染地域をつぎのようなゾーンに区分する.

無人ゾーン:1986年に住民が避難した,チェルノブイリ原発に隣接する地域.

移住義務(第1次移住)ゾーン:セシウム137,ストロンチウム90,プルトニウムによる土壌汚染密度が,それぞれ1480,111,3.7kBq/m2以上(40,3,0.1Ci/km2以上)の地域.

移住(第2次移住)ゾーン:セシウム137,ストロンチウム90,プルトニウムによる土壌汚染密度が,それぞれ555~1480,74~111,1.85~3.7kBq/m2(15~40,2~3,0.05~0.1Ci/km2)の地域.年間の被曝量は0.5レム(5ミリシーベルト)を越える可能性がある.

移住権利ゾーン:セシウム137,ストロンチウム90,プルトニウムによる土壌汚染密度が,それぞれ185~555,18.5~74,0.37~1.85kBq/m2(5~15,0.5~2,0.01~0.05Ci/km2)の地域.年間の被曝量は0.1レム(1ミリシーベルト)を越える可能性がある.

定期的放射能管理ゾーン:セシウム137による土壌汚染密度が37~185kBq/m2(1~5Ci/km2)の地域.年間の被曝量は0.1レム(1ミリシーベルト)を越えない.

ということにゃ。上記「移住(第2次移住)ゾーン」が、「チェルノブイリの避難基準は5mSV/年」ってやつにゃ。

またこのページの「食品,飲料水,空気中の放射能レベルに関する規制」という項目には、

「旧ソ連時代,緊急措置として設定された被曝限度(事故の1年目10レム,1987年5レム,1988年3レム,1989年3レム,1990年0.5レム:うち外部被曝と内部被曝が50%ずつ)に基づいて・・・」

とあるが、ここからは事故後の1986年の間は、被爆限度=10レム=100mSV(恐らく/年)だったことがわかる。

つまり事故後福島の基準=20mSV/年 と比較すべきチェルノブイリの基準=100mSV/年だ。同時期の比較では、「福島の避難基準はチェルノブイリの4倍」じゃない。それどころか5分の一にゃ。

「チェルノブイリ事故5年後に5mSV/年の避難基準」になった地域は、事故後数ヶ月の頃(つまり今の福島と同じ時間経過で)はどれほど汚染していたのか、と考えてみよう。 今の福島市、郡山市のレベルではなく、もっと高い値だったと想像できる。少なくとも今「たんぽぽ舎」が言う、「ソ連の基準で避難をするなら、福島市や郡山市も対象となるでしょう。」の論拠はない。

おもしろいので繰り返すけど、この避難基準はソ連でなくベラルーシのものにゃ。まさかこれも「隠してた」のか。

「原発全廃」のためには、福島市から人を避難させてゴースト・タウン化する。そのためには「この基準は1991年に決められた」を隠して、「福島はチェルノブイリ避難基準の4倍!早く逃げてください!」というデマばかり(たんぽぽの種、いや放射性物質のように)「拡散」する。これじゃ「政府 東電 保安院」と同じじゃないかにゃ。何も「原発全廃」のために「福島壊滅」にしなくてもいいにゃん。何の利益があるのか?単におもしろがっているだけかにゃ?福島人を脅してそんなに楽しいのか?

「たんぽぽ舎」という名前自体「みどりの未来(6月6日の記事参照)」と似ていて、「いや~な感じ」にゃん。

今福島に必要なのは政治的数字ではなく、科学的数字にゃ。

現在福島市の空中に放射性物質はほとんど飛んでいない

前の前の記事で「今は放射性物質は大方地表に降下した。もう今、放射性物質を呼吸で取り込む危険は、ほとんどないのでは?」と書いたが、それを知るためのサイトは文部科学省の
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304006.htm
だにゃ。ここの「ダストサンプリングの測定結果」には、福島市杉妻町(県庁前?)の空中の放射性物質量が、毎日出ている。

現在(6月)の値は
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/20/1306615_062010.pdf
にあり、「不検出」。

3月19日から5月末の値は
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/15/1306615_060910.pdf
にある。残念ながら大放出した3月15日から18日までのデータはないが、4月10日以降は「不検出」がほとんどとなる。

つまり今、毎日発表される空間放射線量は、地面に落ちた放射性物質(それも半減期=8日のヨウ素131はかなり減っていて、セシウム137がほとんど)から出ている放射能ということになる。呼吸による「内部被爆」の可能性は極めて低い。地面を舐めたり、ドブに溜まった泥食べたりする輩は別だがにゃ(それでも排泄されるから、よほど大量に舐めないとにゃ)。

だから今、この暑い福島市で「内部被爆」を避けるために「なるべく外出を控え、どうしても外出する時はマスクして、長袖着て肌の露出を抑えてください」「家は閉め切って、窓を開けず換気扇も使わないでください」「外出した時に来た服はすぐ洗ってください」「雨には濡れないでください」なんてこと必要ないにゃ。せいぜいあっても、「乾燥して風が強く、埃が舞うような日には、マスクしましょう」位にゃ。

閉め切った家の中にこもり続けて鼻血でも出したら、また「反原発」派が「福島市で放射線症のため、鼻血を出す子供が続出しました!早く逃げてください!」と叫び、「福島壊滅」デマが「拡散」して思う壺にゃ。

「内部被爆」は食べ物、飲み物に由来するものもあるが、こちらは規制値以上の物が出回っていて、それを食べたかどうか、水道が規制値以上になった時に飲んだのか、といった問題になる。普通はそんなことやってないにゃ。しかもこちらの経路で粒子が体内に入っても、全部が蓄積して体内被爆になるという単純な話ではない。半減期=30年のセシウム137だって、生物学的半減期=排泄・代謝による排出を計算に入れた半減時間は70~90日とか、数ヶ月にゃ。
http://tenmei.cocolog-nifty.com/matcha/2011/04/post-4ecf.html

結局「内部被爆が危険です!」については、「3月15日から数日間、どのくらい呼吸によって内部被爆したのか」だけが心配ネタとして残る。それでも希望は十分あるにゃ。みんな息を吐くことによって、異物を体外に出す仕組みがあるし、排泄・代謝だってする。ヨウ素131の半減期は8日で、今頃はほとんど無くなっている。セシウム137は上記の通りにゃ。

前回書いた一色氏のサイトhttp://www.yasushi-studio.com/tweet/2011/05/315-c437.htmlによれば、吸い込んだ粒子を1µmと仮定すると、四分の三は吐き出され、残りのほとんども、免疫のひとつであるマクロファージが、排泄へ持っていく。その結果「呼気経由で体内に入る内部被ばくというものは、肺胞に残留し、さらにマクロファージによる排泄から取りこぼされた分の粒子が体内で運ばれて、代謝されて、一部は排泄、残りのわずかな一部が臓器に蓄積となるものと考えられます。この最後のところが、いわゆる内部被ばく、とこれまで取りざたされているものに関係してくるのでしょう。寄与としてそれほど大きくなると思えず、言われているほどの感度で人体に影響するものとは考えにくいです。」そうだにゃ。

どうしても心配な人は、「ホール・ボディ・カウンター」で検査してもらえばはっきりするだろうし、こればかりは個人差が激しいはず。全員にあてはまる一般論として「内部被爆は空間放射線量の10倍です!(小出氏)」なんてことは全く成り立たないにゃ。

今、「福島市は内部被爆が危なくて人が住めない、来られない」なんてことはない。「原発全廃」の目的でそういうことを叫び、拡散するのはやめてくれにゃ。

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shinobuyamaneko

Author:shinobuyamaneko
 福島県福島市の信夫山に住むネコです。
 原発事故以後ネット上には「もう福島市は放射能高くてダメ!逃げてください!」「福島はチェルノブイリ以上!」「子供を見殺しにしないで!」等の「反原発の叫び」が溢れてます。ネコはどこにも逃げられないから、もうノイローゼ気味。こういう「叫び」「脅し」の効果もあって福島に来る人は激減。街は沈み、市民は「すぐに逃げてください!」に怯えながら、静かに暮らしています。(←最近は嘘・デマがバレてきて、みんな元気になってきた感じだにゃ。)
 しかしね~、この種の「叫び」の根底に、「反原発」の「福島壊滅ならば原発全廃にできる!大大大チャンスだ!」っていう心理はないですか?原発全廃の為にはまず「福島壊滅」が必要とばかりに、科学的、医学的、論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されていないですか?それが「正義」になっていませんか?
 信夫山ネコは「故郷福島壊滅」を「原発全廃」の手段にされてはたまらんです。もし根拠がない数字や説の拡散によって、旅館の経営者が自殺するとかの悲惨な「風評被害」が出たら、大人しい福島人も終には訴えたりするのかにゃ~?!今はとにかくデマ、風評、誇張、脅し等を除染しながら記録するにゃ。(「リンクフリー」です 対「反原発」、対「放射脳」等での引用ご自由に)

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